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七‐2

旅人に礼を伝え、僕らは目的地へ軌道修正を掛けるべく龍に乗った。道中コンパスの有難さに感動し、旅人に教わった料理を作りまた感動し、半月程で目的の国の近くまで来たが、寒さで龍が凍え動けなくなったので毛布を掛けまだ温かい森に放した。

「こんなに遠いところでまた会うことできるかな」

「僕が呼べば来ると思うから大丈夫だろう」

ルクトが龍の頭を撫で、僕もそんな気がしてきた。龍にも礼を伝え歩いて氷の国を目指した、雪の中歩きだと時間が大幅にかかる気がして、疲労が一気に押し寄せてきた、今まで楽をしていたんだと痛感した。

「ルクトが龍になれば俺らを運ぶことできねえか?」

カインが疲労からかやけくその様に言ってきた

「だから僕は水龍だ、こんな雪の中飛べないよ」

「またそれか、お前は天竜だって」

諍いが起きそうで僕は必死に二人の間に割り込んだ

「もうこんなに寒いんだから余計なエネルギー使わないでよー」

心の底からの嘆きに応じたのか、森の先に小屋が見えた。天の恵みとはこのことかと急いで小屋に向かった、小屋には誰もおらず長いこと廃屋となっている様だった、僕らは残っているコートなど拝借し、暖炉をつけしばし休息した

「これで屋根があったらさらに良かったな」

カインが吹き抜けになっている天井を仰ぐ

「長居はできないね」

「しかしこう雪続きだと野宿も厳しいな」

「テントがあればギリギリ行けそうだけど、あるのはシーツくらいだね」

「地図を確認し予測しよう」

「あ!確か歩幅で距離が分かるんだよね!」

僕らは一斉に一歩を踏みしめ、その歩幅をおおよそで測り地図に当てはめた、僕の一歩が一番短いため僕に合わせた距離で測るとあと二日ほどで氷の国に着く算段だ

「あと二日かーギリギリもつか野垂れ死にそう」

「まあ肉でも食って英気を養おう」

「妖精の肉じゃないよね」

「獅子の肉だ、マクビダン王から貰った干し肉がまだある」

「獅子って・・・?」

「深く考えず食え」

その肉は干し肉とは思えないくらい柔らかく美味しかった、それから僕らは仮眠をし、また歩き始めた。半日ほど歩くと巨大な山が見えてきた、まだ遠い場所のはずなのにその天井は見つけることが出来なく、確かにそこから雪が降っている様だった

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