七‐1
旅路の途中、先の街で地図の見方を教えてもらい気付いたが、僕たちは大回りをしていた様で北を探していた。
「だから太陽が昇る方が西なんだって」
「西とか・・・僕には早いよ」
「だから早い遅いじゃないんだよ」
カインとやんやと揉めている側でルクトが魚を焼いてくれていた。
「ともかく現在地が分からなければ行けないだろ」
ルクトが炭を投げながら言ってきた、ちょっと当たり熱かった
「なにか目印になるものがあればな」
「地図には塔があると書いているが見えないからここじゃないしな」
カインと頭を傾げていると、他の旅人と会った
「え!びっくりした、こんなところで人と会うとは」
まだ若そうな彼らはさらに龍に驚いていた
「あのすみません、現在地とか分かりますか」
おずおずと地図を出すと、龍にビビりながらも地図を見てくれた
「え!これ国王級の地図じゃないですか?!こんなに細かく広く書かれた地図初めて見た!」
なるほど、一般の地図では無かったのかと変に納得した。目的地を伝えると更に驚いていた
「この地図通りならその街からだと通り過ぎてますよ!今ここです」
確かに目的の国には向かって無く国境を横に通り過ぎていた
「何ならコンパス一つお譲りしましょうか」
「コンパス?」
「方角を確認するものです」
ほらっと出してきたそれは東西南北書かれ矢印が方角を指していた
「こんなものがあるのか」
「これ婆さんが持ってたものだ、奪って来ればよかった」
僕とカインが落胆していると、ルクトが旅人にご飯に誘った。みんなで魚を食べ、パンを分けながら食べた。
「アイスランドには何の用なんですか?」
「僕らは龍が悪さしていないか管理を任されてて、確認に行く途中なんですよ」
「ああ、氷被害が多いともっぱら噂ですもんね、では登山の格好をした方が良いですね」
「登山?山の上にいるの?」
「はい、山の上から雪が止むことなく降り続けていると聞いてます」
僕はルクトに向かい質問した
「龍で山の上まで飛べないかな?」
「無理だな、水龍は雪の中動けない」
「水でできた生物だからな」
ルクトの問いにカインも頷く
「その山はどのくらい高いの?」
「頂上は今は雲に覆って見えませんが、以前は頂上まで見えたそうです」
「のぼ・・・れるかな」
「装備が万全なら大丈夫です、僕らはその国からの逃亡者なので手助けできませんが」




