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二話‐1

2日程水龍に乗り、何とか食べれる物を見つけながらようやく少々栄えた街に着いた、ここでなにかありつけるだろうと一安心し、水龍を近くの森林に隠した。街に入ってみると人が沢山行き交い、行商なども繁盛している様だ。

「あまり銭を持ってきてないから些か心配ではあるけど、何処か店に入ろう」

ルクトに呼びかけるが、少し街を見て回りたいとの事だった、空腹に耐えれるか分からないが、付き合えるだけ付き合おうと思い、彼の跡を追う。

少し奥ばった所に出た時、ここには住宅街しか無いと悟り引き返すよう進めた。

「し、向こうから人の声が聞こえる気がする」

そんな事どうでも良いだろうと半ば呆れながらもついて行った、そこには一軒の住宅があり、地下へと階段が続いている様だった。躊躇なくルクトは降りてゆく、他人の家ならば大問題だ、一体何を考えているのか。と思っていたが、中から人の声が聞こえる、それも大勢の、折り返し更に降りてゆくと人の壁に遮られた、入口近くまで大勢の人が立っており、部屋はそこそこ広い様だった。が、異様に臭い、男が多いからとか地下深くだからとか、そんな匂いではない、何かが腐った匂いだ。

 人波の真ん中にはポカンと穴が空いた様に誰も居ない空間があった、そこに台が置いてあり、中年の男が何かを叫んでいた、所詮業界用語なのか競売でもしている様だ。

「あそこに行ってみよう」

ルクトが腕を引っ張ってきた、意表を突いた形になり、なすがまま引っ張られていった。

真ん中が見える位置にきた時、そこに置かれた物が見えた、なにか透明な布に貼り付けられた龍だった、生きているのか分からないが目は見開いていた。

「龍の競売?」

ふと疑問を口に出すと、隣に立っていた男がこちらを見た。

「お前知らずにここに来たのか」

「え、はい、旅人なもので」

「そうか、これは口外してはならない事だから誰にも言うなよ」

男は睨む様に見つめてくる、それに頷き、門のところと街中に兵がいた事を思い出した。

「なんで龍を競って買いたがるんだ?」

ルクトが男に尋ねた

「ああ、ここじゃなんだし俺の家に来い、丁度仕事が終わったところだ」

男は人並みを掻き分け来た道を遡ってゆく、ルクトはそれについて行き、僕もついて行く事にした。

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