五‐1
二週間ほどで西の街についた、その間カインの監視がひどく、特にルクトを見張っていた。おかげでまたうさぎを食べることができず、ましてやイノシシや鹿など捕まえる技術はなく、腹ペコのまま旅をする羽目になった。
「は~ら減った~」
「近くに町が見えるから寄ってみよう」
ルクトの動作にまたカインが目を光らせていた、正直息苦しい、だがその目が僕に向けられていないのは心の底では有り難かった。
近くの町に着くと雨雲が大きく見え、瘴気らしきものも見えた。道行く人もそのことで話題が持ちきりらしくあちこちで人が集まっていた。
「あのーここらで食堂とか無いですか?」
「食堂?」
その一人に声をかけてみた、眉間に眉を寄せ怪訝な顔をしている
「この瘴気のせいでまともな食材はないよ、植物はことごとく枯れるわ、魚は全滅、動物も何かしら病気になるからね、食堂なんて次々閉店しててまともに営業してるとこ少ないよ」
「そんなーじゃあこの村の人たちは何を食べているんですか?」
「乾燥させた芋とか非常食だね、あんたら旅人か?運悪かったね」
「ああーん」
僕が空腹のあまり泣き出すと、村びとが哀れに思ったのか芋をくれた。
「すみませんここ数日まともなもの食べてなくて」
ルクトが恥ずかしそうに村人に謝った、それを見て僕も恥ずかしくなり同じように謝った。
「そうかあんたらもか、ここの子供と同じように泣くもんだから思わずあげちまったよ」
僕はさらに恥ずかしくなった
「黒龍がとなりの村に来てから数年こんな感じだ、できるだけ早く離れなさい」
「その黒龍の調査に来ました、詳しいこと聞けますか?」
カインが前に出てきて村人に説明した、カインは龍の調査管理を主にしているらしい。村人がそんな人がいるのかと驚いた。
話によると三年ほど前に突然雷をまといながら黒龍が現れ、その村を焼き払い焼き跡から瘴気があふれてきたのだという。その村の人はこの村に避難していて、半数は外の町へと逃げて行ったのだそうだ。そこから衛兵が確認に来たが、討伐に至らないみたいだ。
「一度直接見に行った方が良いかもしれんな」
カインはあっさり言うが、僕は恐怖で足が震える。話では首を上げると塔より高く、吐く炎は溶岩のように熱いらしい、そんなにヤバい奴は今まで見たことない。だがカインは臆することなく村への道を聞き歩き出していた。そのあとをルクトも着いていった
「ちょっと待てよー」




