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第一話

 記憶。

 幼い頃の記憶。

 

 私の住む、ど田舎の領地に小さい男の子が遊びに来ていたのを思い出す。

 まあ、当然、私も小さかったのだが。

 

 とにかく二人で遊んだ。毎日、クタクタになるまで遊んだ。

 そして男の子が次の土地へ移動しなければならなくなった時、ごねた。

 ここから去りたくない、と泣き喚く男の子に私は言った。

 

「体温計に細工をして熱が出たことにしましょう。病気で寝込んだふりをすればいいわ!」

「凄い! おねえさんは天才だ!」

「そうよ、私は天才なの。困ったらいつでも頼っていいのよ!」


 次の日、良く分からない大勢の一団は男の子を置いて次の移動先へと旅立った。

 仮病はたった一日だけ。

 折り返しで戻ってくるまでの一週間、私は男の子と二人で山に川にと再び遊びまくった。

 

 ……。

 

 なんでだろう、なんでこんな昔の夢を見たのだろう。

 

 私の運命が決まる前日に。 

 

 

     ■     ■     ■

 

 

 目の前の国王が口を開いた。

 

「我が息子であるディオーニとバロザウ公爵家メリッサとの婚約は王家の有責により白紙とする」


 ――どうやらこの茶番にも終わりが来たようね。

 

 苦々しい表情の国王が続ける。

「そしてディオーニを廃太子とし、第二王子のバッサーロを王太子とする」

 王太子の指名に、承りましたと答えてバッサーロ王子が恭しく頭を下げる。

 

 ディオーニ王子が叫ぶ。

「そんな馬鹿な! 私は真実の愛を貫こうとしただけです。何故、私がこんな仕打ちを」


 ――クッサ、真実の愛なんて台詞。よくこんな公衆の面前で吐けるなあ。

 

 ここからは定番のやりとりだ。王命を覆した、だの、王家と公爵家の繋がりがどうだとか、愛することのどこが悪いのか、いや、愚かな息子め、と互いに罵る台詞でチャンチャンバラバラ。

 すったもんだの挙句、ディオーニ王子は辺境の、名前も聞いたことの無い領地行き。

 

 ――まあ、幽閉にならなかっただけマシかもね。

 ずいぶんと甘々な事で。

 

「そしてモール男爵家レティシア」


 ――ついに来た。

 ここからが本番。

 何せ私自身に下される裁きなのだから。

 

「コルモドス鉱山へ送るものとする」

 おっしゃ、

 下位貴族がやらかしたのだ。

 死なないだけで上出来、上出来。

 私は心の中でガッツポーズを作りながらも、一切、表情に出さず、頭を下げ続ける。

 

 裁定は出た。

 王家が関わる問題であり、それゆえ国王自らが仕切ってのこの結果。それが気に入らないのか、ディオーニは悪あがきとも言える悪態を吐き続けている。

 

 ――はあ、やりすぎよ。ディオーニ王子。国王様の気が変わったらどうするの、とはいえ、その迫真過ぎる演技は大したものだわ。

 何の才能も無いって言ってたけど、役者でなら食っていけるんじゃない?

 

 私は溜息を吐いて顔を上げる。

 そして被告人席として前に立ち、喚き続けるディオーニ王子の背中を見た。

 

 

 

 でも、王子。本当にこれで良かったの?

 

 

      ■     ■     ■

      

 話は一年前に遡る。


 

 事の発端はこうだ。

      

「婚約破棄に協力して欲しい」

 学生生活、二年の終わりに一人でパンを食べているところ、ディオーニ王子から突拍子もない提案を受けた。

 

 ちなみに今まで私とディオーニ王子の面識は無い。遠目では見たかも知れない。

 男爵家と王子なんてそんなもの。

 

 何故、私が学園の中庭でパンを一人で食べていたのか。

 それはひとえに貧乏だから。連れだって食堂へ行けばそれなりに値の張るランチを食べなければならない。弁当でも皆で卓を囲むならパン一つで済ますわけにはいかない。ひもじくても男爵家。貴族の端くれなのだから面子というものがある。

 

「とりあえず、座ったら」

 不敬も不敬、ど不敬なる呼びかけ。全く持って己が国の王子に対してとっていい態度ではない。じゃあ何故こんな態度を取ったのか。

 理由は単純。

 この時の私はやさぐれていたのだ。

 私の呼びかけにディオーニ王子が隣に座る。

 

「それで? 婚約破棄って何ですか。確かディオーニ王子はバロザウ公爵家令嬢と婚約なさっていましたよね」

 私の問いにディオーニ王子が頷く。

「私の婚約者の名を知っていたか。なら話は早いな。そう、私は彼女とは結婚したくないのだ」

 この返答に私の眉間の皺が寄る。

「それ、私が聞いていい話ですか」

 王家と公爵家の話だ。事の内容によっては命に関わる。

「政治的な要素は一切ない。構わないと思うよ」

 ディオーニ王子の話。

 自分は凡庸で国王の器ではない。次男である第二王子のバッサーロの方が優秀で、そちらに王位を継いでもらいたい。その方が王家も民も幸せになれる。

 等々。

 ここで一旦、話は途切れる。

 

 私は口を開く。

「これまでの話を聞く限り、バロザウ公爵家令嬢は関係無いですよね。王家内の話し合いで片がつくのでは?」

 要約すれば王位に就きたくない、というだけだ。病気なり、なんなりを理由にしばらく引っ込み、跡継ぎにふさわしくないとアピールすれば事足りる。

 私の問いに、そうだね、と答えてディオーニ王子は頷く。

 

「問題はメリッサ。バロザウ公爵家令嬢なんだ」

 改めて言うがメリッサ・バロザウはディオーニ王子の婚約者だ。

「しかし、バロザウ様はディオーニ王子……殿下と仲がよろしいはず」

 婚約破棄、となればどちらかが婚約者を激しく嫌って……というのが常である。しかし、王子とメリッサ様は周りから見れば仲睦まじいとまではいかないが、親密に見える。

「仲は良いよ。私に関していえば愛していると言っていい」

 愛している、という言葉を聞いて、その相手でもないのに私はドキリとする。

 だがね、と続けてディオーニ王子は本題に入る。

 

 曰く、バロザウ公爵家令嬢であるメリッサ・バロザウには王子の他に本命の想い人がいるとのこと。

 

 打ち明けられた事実に私は驚愕する。

「それは……不貞ということですか」

「違うね。メリッサがその人を好きになったのは私と婚約する前だ」

 過去、幼いときに隣国の王族が我が国に訪問しに来た事があったそうだ。

 その際、まだ子供であった王族のディオーニ、そして上位貴族である公爵家からはメリッサが隣国の王子の遊び相手として選ばれた。

「メリッサはその時から隣国の王子、ガルセオ殿下と文のやり取りを始めていて、お互い惹かれ合ったというわけさ」

 だから不貞ではない、と王子は言う。

 

 私は言う。

「でも、婚約が決まれば婚約者以外の殿方と文を交わすのは控えるべきしょう」

 婚約とはそういうものだ。と、まあ男爵家で上の世界を知らない私がいうのもなんだが。

 私の言葉にディオーニ王子は肩を竦める。

「メリッサは私との婚約が決まった時にはワンワン泣いてね」

 王子はそのまま、遠い目をして続ける。

「次の日に会った時にはもう、何を言っても私に対してはニコニコと笑顔なんだ。それを見て私は思った。ああ、心を殺してしまったんだな、と」

 王子の話を聞いて私は黙り込む。

 

 どうなんだろう。

 私はまだ誰も好きになったことはない。だが、バロザウ様の心中は察するに余りある。長い間、文のやり取りで育んできた恋心が一夜にしてふいになるのだ。

 同時に、その経緯を知りながら婚約を続けるディオーニ王子の心中も。

 

 王子は言う。

「だから私はメリッサが文通を続けていても止めなかったし、咎めなかった。そうしてしまえば、彼女が彼女でいられる時間が無くなると思ったからだ」

 せめて文を書き、読むときだけでも彼女らしくあって欲しい。そういう気持ちなのだろう。

 ――ふむ。

 この時、私はなんとなく無理なんだろうな、と察しながらも疑問を投げかける。

「婚約を白紙にすればよろしいのでは?」

 んなわきゃない。それが簡単に出来るならしているはずだ。だが、聞かねば前に進めない。

 

 案の定、王子はその質問は想定内だとばかりに頷く。

「わが父と……。まあ、現国王だね。バロザウ公爵家は非常に仲がいい、というのは知っているね」

「はい」

 仲がいいどころか、国王様と公爵様は今まで国に降りかかる数々の困難を共に手を取り合って跳ね返してきた、背中を預ける戦友に近い関係だ。

「わが父と公爵は若いころ、自分たちに子供が出来たら結婚させようと決めていたらしい」

 ――ああ、そういうことか。

 

 だが私の納得と同時に、王子は意外なセリフを吐く。

「私との婚約を解消して、白紙にすることは出来る」


 ――おっ?


「私が王太子を降り、バッサーロにその地位を譲ればね。だが、その場合、バッサーロがメリッサを娶ることになる」


 ――ああ。


 私は一瞬見えた光が即座に閉ざされ、絶望したまま口を開く。

「どの道、バロザウ様は王家との結婚からは逃げられない、というわけですか」

「それどころか、これが一番ひどい結末なのだよ。我が弟バッサーロには既に婚約者がいて互いに愛し合っている」

 ――おおう。

 もう一つ、恋仲を引き裂くことになるわけか。

 

 確かバッサーロ殿下の婚約者は伯爵家。

 妙に爵位が低いと思ってたのは、さもありなん。

 そうなった場合、恐らくメリッサ様が正妃、バッサーロ殿下の現婚約者が側妃。

 王と公爵はどう転んでもいいように仕組んでいるのだ。

 

「超絶ムカムカしてきました」

 とんでもなく不敬な言葉を発して私は顔を歪ませる。私の言い方が面白かったのか、ディオーニ王子は噴き出した。

「確かに。自分の子をいいようにして遊んでいるとしか思えない扱いだよね」

 王子は一旦、間を置くと続ける。

「私とメリッサは互いに親へ訴えはしたんだよ。まあ、メリッサがどれほど強く言えたかは定かではないが……。だが、聞き入れられなかった。親世代は恋愛結婚なんて理解出来ない時代だし、彼ら自身も政治的な結婚をした身だからね」

 政略結婚。

 愛した相手と結婚するのではなく、親が決めた相手を愛するのが結婚。そういう時代だったのだろう。

 特にメリッサ・バロザウ様の好きな相手は国外の王子なのだ。手元に娘を置いておきたいであろう公爵が、おいそれと結婚を許すわけがない。

 

 親のわがまま、か。

 私はちょっと自虐が入った悲しい顔をした。

 私の表情を見逃さなかったのか、王子はこちらを伺うような声色で話しかけてくる。

「親と言えば……。そちらだって大変だろう」

 ――ほほう。

 今度は私の番か。

 

 王子が一本、指を立てて言う。

「調べたのだよ。モール男爵家が借金まみれでその上、君の父上が……失踪、かな? 居なくなってしまったことを」

 王子の指摘に私は目を細める。

「何が言いたいかは分かりますが、父は失踪です」

 逃亡ではなく失踪。

 これだけはどうしても譲れない。優しかった父が私を置いて逃げるわけがない。現に身の回りのものは置いて居なくなっている。まあ、金目の物は返済に充てるため、居なくなる前から売り払って無かったのだが。

 

 私の剣幕に王子は謝罪をする。

「それは失礼。話を進めて良いかな。君の父上が失踪し、一時的にとはいえ一人娘の君は当主代理となった。……男爵家の借金を引き継いで」

「ええ、そうですね」

「そして、授業料が払えない為に、来年にはこの学園を退学となる」

 そう言いながらディオーニ王子は二本目の指を立てる。恐らく指の本数は私のマイナス要因なのだろう。

 

 王子は三本目の指を立てる。

「更にその借金の都合をつけるかわりに、かの女好きで有名なラフォーサン伯爵から求婚を受けている」

 ラフォーサン伯爵の好色さは社交会で有名だ。もう何人も新しい妻を受け入れては、古い方と別れている。だが、そんな所業に及んでも評判が地に墜ちることはない。何故なら別れた古い方も愛人として手厚く面倒を見続けているからだ。

 金払いは良い。だからこの結婚話を受ければ私の借金も払ってくれるだろう。

 まあ伯爵がヨボヨボのエロお爺ちゃんということに我慢できれば、だが。

 

「正式ではありませんよ。こちらが断ったら向こうに瑕が付きますからね」

 現時点では裏で打診を受けているだけだ。一時的に私が当主となってはいるが、学生の身で領地経営など出来る訳がない。今は叔父上が自分の領地と掛け持ちで治めてくれていて、その叔父上経由で話が回ってきた。

 

 叔父上も断ってくれているが、叔父上自身も貧乏でこちらの借金を肩代わりしてくれる余裕はない。それとなくこの話を私にしたということは、解決策としてアリだと思ってしまったのかもしれない。

 叔父上は良い人だ。この話を私にした直後、激しく自己嫌悪に陥っていたのが忘れられない。

 金、金、金。

 金が無いのが全て悪いのだ。

 

 伯爵に身を捧げる決断をした場合でも、借金は引き受けてくれても学生生活への資金援助はしてくれないだろう。教養や礼儀作法がなってない、などどうでもいい。老い先短い伯爵にとって、妻は若ければそれでいいのだ。一年早く手元に来るならその方がいいに違いない。

 つまり、私には卒業である三年目は無いのである。

 それが私のやさぐれている理由だ。

 

 王子は立てていた三本の指を全て折りながら言う。

「そこで解決策というわけだ。私が男爵家の借金を引き受けよう」

「本当ですか? かなりありますよ」

 王子は、これでもそれなりの私財は持っていてね、と言う。

 

 ――あら、王子、意外に優秀じゃないの。

 私の思ったことを察したのか、王子は苦笑いを浮かべた。

「いや、弟の勧めてくれた投資に乗っかっただけだよ。私自身はとくに何もしていない」

 むう、王位を譲ろうとする気にさせるだけあって、弟、強いな。

 ていうか、兄弟仲いいんだな。

 

「それで婚約破棄ってどうやればいいんですか」

「なに、簡単なことだ。これから一年間、暇さえあれば君は私にくっ付いていればいい」

 私と王子は同学年だ。三年の卒業パーティーで婚約破棄の宣言をして、そこで契約終了というわけだ。

 渋い顔をして私は口をへの字に曲げる。

「お互いただじゃ済みませんよ」

「承知の上さ」


 私は考え込んだ。そしてしばらく後にもう一度、尋ねる。

「身の破滅を覚悟するほど、バロザウ様を愛しておられるので?」

 私の確認に、ディオーニ王子は乾いた笑いを浮かべた。

「そんなに綺麗な話じゃないよ」

 顔の前で手を横に振り、王子は続ける。

「確かに結婚してもいいと考えるほど、私はメリッサを愛している。幼馴染だしね。不幸になって欲しくない。だが、それだけではない。君は私の学園での成績を知っているかい」

「ええ、まあ」

「じゃあ、メリッサは?」


 学園では学年ごとに学期末テストの結果が貼り出される。

 ディオーニ王子は中の中。まあ、平均ど真ん中だ。私と同じである。

 対してメリッサ・バロザウ公爵令嬢は常にトップファイブ入り。

 私が二人の成績を述べると王子は頷く。

「その通り。学年が違うから知らないだろうが、我が弟バッサーロは常にトップの成績を収めている」

 王子は溜息を吐く。

「私が国王になって国を治めることになれば、妻として弟として二人が私の補佐につくことになる。考えられるかい? 自分より優れた者に支え続けられる重圧が」


 ――ははあ。

 なるほど。劣等感か。

 こればっかりは厄介だ。周りの皆が認めていても自分自身が劣っていると感じている場合、どうしようもない。

 ディオーニ王子が王となり、間違った政策をして優秀な妻や弟に正されるたびに劣等感に苛まれるだろう。なら、最初からお前がやれよ、と思うのも無理はない。

 

「婚約の時、わが父と公爵はメリッサに、優秀なそなたの能力なら、足りないディオーニを充分に補佐できるだろう、と言ったんだ。そもそも私は能力が足りてないんだよ」

 むごい話だ。

 国王も公爵も、いわゆる出来る側の人間なのだろう。

 他人から能力が足りないなどと言われたことの無い人たちなのだ。だから、それを言われて傷つくことが分からない。

 しかも、妻になる人間の前で言われては、立つ瀬がない。

 

「やりましょう。婚約破棄」

 私は言った。

 これだけ腹を割って話してくれたのだ。

 愛ゆえに、だけではなく王子は自分の恥になる人間臭い理由も明かしてくれた。

「いいのかい?」

「ええ、受けますよ。その依頼。どの道、私に碌な未来なんてありゃしないんです。それならちょっとでも人の役に立つ道を選びます」

 どう転んでも、結局は金の為に己の身を売ることに変わりはない。

 最悪、借金のカタに貴族出の御令嬢という触れ込みで娼館に売られる可能性だってないわけではない。ラフォーサン伯爵の気が変わって結婚の話が流れれば十分にありうる。

 

「なら契約成立だ。早速書面にしてもってこよう」


 もちろん、王子の提案が最善というわけではない。

 たかが男爵家の小娘が王族と公爵家の間に割って入って不貞をかますのだ。処刑されても文句は言えない。

 しかしこの時、私はやさぐれていたし、理不尽な親の話を聞いてムカついていたのだ。だから、ほとんど勢いで引き受けたといっていい。

 

 婚約解消と婚約破棄という行動は結果は同じでも、その過程には天と地ほどの違いがある。

 穏便に話し合っての解消と違い、こちらの行う婚約破棄は王子が不貞をした挙句に、公衆の面前で一方的に婚約の破棄を宣言して婚約者を貶めるものだ。

 つまり王家側に大きな瑕がつく。

 それは娘に愚かな婚約者との結婚を無理強いした公爵にも。

 つまり一件で心を傷つけられたであろうメリッサ・バロザウ様に主導権が移るのだ。まさか婚約者である長男がやらかした上で、じゃあ次は次男に。とは厚顔無恥過ぎて国王様でも言えないだろう。

 ディオーニ王子曰く、彼女は切れ者だから状況さえ整えれば上手く立ち回るはずだ、と言っていた。

 

 ムカつく奴らに手痛い一撃を食らわし、なおかつメリッサ様を有利な立場に就かせることが出来る。

 婚約破棄、実に良し。

 実に痛快な話だ。

 

 

 私とディオーニ王子はお互いがっちりと握手を交わす。

 こうして私たちは次の年の婚約破棄に向けて動き始めた。


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