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Immortal Machine  作者: COTOKITI
2/2

廃れた者達

中々長引いてしまいましたが、何とか第二話更新です。

地図を失い、墜落した正確な場所が掴めない今彼等3人は自分達が南に進んでいたという記憶を頼りにコンパス片手に歩き続けていた。


無線機も失い、味方との通信手段も絶たれ、出発した前哨基地とも少なくとも100㎞以上は離れており、半ば絶望的な状況とも言えた。


だが全ての人間が死をそんな簡単に覚悟し、受け入れられる物ではない。


現在進行形で彼らは自らに訪れようとしている死に対して抗っていたのだ。


「ふぅ、よし一旦休憩だ。飯にしよう」


「あー上級軍曹、ちょっと」


草木生い茂る森に終わりはまだ見えず、3人の服も完全に乾き一度休憩を取ろうとした時、フェドセイは自分達の背後から迫り来る何かの気配に最も早く気付いた。


「何だ。獣でもいたか?」


「……後ろから来てる連中、味方…ですよね?」


フェドセイがあからさまに警戒心を込めた眼差しを後ろの森の奥へ向けていたので、ルカとマルティンも後ろを振り返ると確かにそこには何かがいた。


ゆっくりと、覚束ない足取りでこちらに近付いて来る何かは日の光に照らされその姿が露になる。


「ユーリー!」


そこにいたのはルカ達と同じ小隊の隊員でルカの数少ない友人であるユーリーだった。


「ユーリー、生きてやがったかこの野郎!…って血塗れじゃねえか、どっか負傷したのか!?」


彼の身を気にかけながら駆け寄るルカとは対称的に、フェドセイとマルティンはPMG防毒マスク越しに見える彼の虚ろな眼差しを警戒していた。


「おい何ボーっとしてんだしっかりしろ!」


ルカの声に答える事も無く彼は虚空を見つめたままその場に立ち尽くすのみだった。


「まあここまで出血してたら無理もねえか。フェドセイ達も応急処置手伝って…」


「……けテ」


「…ん?」


ユーリーが一瞬、僅かに発したその声にフェドセイとマルティンは小銃を構え叫んだ。


「ルカ上等兵!!今すぐ彼から離れろ!!」


「…は?」


しかし、その時にはもう全てが遅かった。


「タスけて…たスけて…タすけテ…タスケて…!!」


とても人の声帯から発せられているとは思えない壊れたラジオの音声のような声でそう捲し立て、その場で立ったまま痙攣しだす。


「ルカ!!もうそいつは感染してる、ユーリーじゃない!!グリッチャーだ!!」


そう言われてルカがユーリーだった物からゆっくりと後ずさる。


グリッチャーとは、1999年初めに存在が確認され、この世界で急速に広まりつつあるルフィナ急性変異ウィルスに感染し変異した生物全般を指す。


そのウイルスの拡散性の高さとグリッチャー単体の強力さに、ソ連軍は魔物以上の脅威を感じていた。


廃域と呼ばれているのはルフィナウイルスによって汚染されている地域の事だ。


ルカは目の前の光景が信じられなかった。

嘗て同じ時を過ごしてきた同期であり友であった男が、目の前で一匹の醜い魔物に変わろうとしているその光景を。


「クソッ、コイツレベルは幾つでしょうかね!?」


グリッチャーには感染から一定期間毎に更なる変異を遂げる特性がある。


最大でレベル5までの段階に分けられており、レベルが高くなっていくにつれてグリッチャーはより強力で、凶暴になっていく。


「ヘリが落ちてからまだ半日と経っていない!恐らくレベル1だ!」


壊れたラジオの様な奇怪な鳴き声を上げながらユーリーだった物の体は内側から徐々に引き裂かれ、やがて彼の上半身は一つの大きな口となった。


歪な牙の並んだ悍ましいその口の中から数本の触手が飛び出し、鞭のように振り回し始めた。


「え、なんで、ユーリー?」


呆然とするルカの頬を再びフェドセイが叩いた。


「ユーリーでも同志でも、人間ですらねえ!!グリッチャーだ!!敵なんだよ!!」


強烈な平手打ちと喝によって我に返ったルカは他の二人に合わせて震える手を動かし、AKS-74の銃口を一匹のグリッチャーに向ける。


サイドレイルに取り付けられた1P52光学照準器を覗き、緑色に発光する三角のレティクルとグリッチャーの体を重ねる。


未だに現実を認識しきれていなかったルカの呼吸は乱れ、目の前の光景に対する限りない程の困惑を1P52越しに感じていた。


「撃て!!」


1999年4月23日。


ルカが初の実戦で撃ったのは、敵兵ではなく戦友だった。


==========


「し、死んだか!?」


あれから三人で何十発もの銃弾を浴びせたグリッチャーは、銃創だらけで文字通り蜂の巣の様な姿となってその場に倒れ伏している。


マルティンが銃口を向けて警戒しつつ歩み寄るが、グリッチャーはピクリとも動く気配が無い。


本当に死んでいるのだと確信したフェドセイとマルティンは安堵の溜息を吐いた。


ただ一人、ルカだけは呆然とした表情で跪き、嘗てユーリーだったグリッチャーの死骸を見つめていた。


「こんな……こんな、理不尽が…許されんのか………!」


ふとルカの手元を見たマルティンが何かが握られているのを見つけた。


よく見ると、それは綺麗にラッピングされた縦長の小さな箱だった。


「それは…?」


明らかに尋常ではないルカの様子に恐る恐る手に握っている箱について聞くとルカはマルティンの方へと振り返った。


そこにあるのは、絶望に満ちた表情とその頬を伝う大粒の涙だった。


無言でルカは震えている手で箱のラッピングを解き、中身を取り出す。


箱の中身は、一本の新品の万年筆。


同じ小隊の仲間としてユーリーについてよく知っていたフェドセイとマルティンはすぐにそれが何なのか気付いてしまった。


「ユーリー…き、今日……たた、誕生日で…俺、当日にわ、渡したかったから……こっそり荷物の中に…かか、隠してて、ほ、ほら…アイツ、今持ってる万年筆壊れたって言ってたし……」


ユーリーは訓練兵時代、ある夢を語っていた。


それは、漫画家になる事だった。


時代遅れの共産主義政策と共に旧政権が崩壊し、あらゆる思想や表現に対する規制が大幅に緩和されたこの祖国で、彼は本気で漫画家を目指していたのだ。


親友であったルカとフェドセイ、上官のマルティンまでその夢を応援していた程、彼の漫画家という夢に対する情熱は強かった。


そしてこの日、ルカはいつも通り任務が遂行されれば帰った後にユーリーに新品の万年筆をプレゼントしてやる筈だった。


しかし、目の前に横たわるユーリーはもう万年筆を握る事も、新しい漫画のネタを考える事も、やたらに凝った漫画の設定をルカとフェドセイに自慢げに話す事も無い。


ただ醜い屍を日の下に晒すのみである。


「上級軍曹!ちょいとヤバいですぜ!」


フェドセイが指差した先には、ユーリーと同じ嘗て小隊の隊員であった何十匹ものグリッチャーで構成された大群だった。


様々な悍ましい姿に変わり果てこちらを食らわんと向かって来る嘗ての戦友達の姿に流石のマルティンも激しく動揺した。


「クソッ……もう本命が来たか!」


「おいルカ!!ここから逃げっぞ!!」


フェドセイが何度も大声で呼び掛けるが、ルカは小銃も手に取らず、右手に万年筆を持ちユーリーの傍で跪いているだけだった。


俯いており、ルカの表情は見えない。


痺れを切らしたフェドセイは何度もルカの後頭部を叩くがそれでも万年筆を握りしめたままその場から動こうとしなかった。


「てめえふざけんな!!部隊中で指折りのサボり魔が大人しく死を受け入れようとなんかしてんじゃねえ!!」


「もう…いい…行けよ」


蚊の羽音の様にか細い声でそう呟くように言うルカ。


「黙れ!!てめえ死んだりしたらぜってえ許さねえぞ!!」


「フェドセイ!!この数は対処しきれない!!早くここを離れないと死ぬぞ!!」


マルティンが少しでもグリッチャーの足を止めようとAKS-74uで一人必死に応戦する中、フェドセイもPKM軽機関銃で応戦しつつも粘り強く説得を続けていた。


「お前だってまだやりたいこと沢山あんだろ!!今あるチャンスを捨ててユーリーと同じ道を行くつもりか!!」


「それはお前らだって同じだろ……!早く行けよ!俺達と同じ道を辿ろうとすんな!!」


フェドセイに対して背中を向けたまま決して表情を見せずにルカは怒鳴る。


「こういう時だけカッコつけようとしてんじゃねえ!!てめえがやってもダセえだけだ!!」


「もう駄目だ!!すぐそこまで来てる!!」


続々と迫り来るグリッチャーの大群に既に二人は限界を感じ始めていた。


「もういいから!!早く行けよ!!」


「おら!どうした!!お前も戦わねえと俺達も死んじまうぜ!!まさか一人だけ死んで楽になれるとでも思ってやがったのか!?」


頭を抱えて叫ぶルカの背中に向けてフェドセイは不敵な笑みを浮かべながら答える。


唯一、その言葉にルカは大きく反応した。


頭を抱えていた手を降ろし、静かに顔を上げた。


「リロード!!」


「カバーする!!」


PKMをリロード中のフェドセイをマルティンが援護するが、撃ち漏らした一匹のグリッチャーが二人に飛び掛かる。


フェドセイを組み敷いたグリッチャー大きな口へと変異した腹を大きく開け、喰らおうとした。


すかさずマルティンは腰に差していたマチェーテでグリッチャーに斬りかかるが、鞭にように振るわれた触手によって片手間に吹き飛ばされ、大木に身を叩き付けられる。


身動き一つ取れなかったフェドセイは周りに状況を少しだけ確認し、自身の死を予感した。


静かに目を閉じるフェドセイ。


せめて、ルカが生きててくれれば…。


そう思いながらグリッチャーの捕食を受け入れようとする。


しかし、彼とて死ぬのは何よりも恐ろしかった。


噛み締めながら震える唇がその証左だった。


もうすぐ自分の体が半分に食いちぎられるか、と思った所で一発の一際大きな銃声が森の中に響いた。


そして、フェドセイを食らおうとしていたグリッチャーは呻き声を僅かに上げるとその場で動かなくなった。


「何が…」


覆いかぶさった死体を退かし、周囲を見渡すとこちらを見ていたルカと目が合った。


「お前…!」


ルカの手に握られていたのは、KS-23Mカービン銃。


先程のグリッチャーは彼の放ったシュラプネル-25バックショット弾によって息絶えていたのだ。


「お前が死んだら……俺が無駄死にするだけじゃねえか!!」


KS-23Mのフォアエンドを引き、排莢しながらルカはそう怒鳴る。


その様子からいつもの調子を取り戻したと理解したフェドセイは笑みを浮かべる。


「なら、生きて戦ってもらわなきゃなあ!!」


落としたPKMを拾い、再び反撃を始めるフェドセイ。


ルカもAKS-74に持ち替え、参戦しようとしたがグリッチャーとの距離が近い為KS-23Mの方が効果的と考え、そのまま使い続ける事にした。


「群れは出来るだけ俺が抑える!ルカは近付いて来る撃ち漏らしをやってくれ!!」


「分かった!!」


フェドセイのPKMが火を噴き続ける。


大量の7.62×54mmR弾の空薬莢と共にベルトリンクが排出され、積みあがった空薬莢の上に更に降りかかり真鍮同士がぶつかり軽やかな金属音を奏でる。


少しするとフェドセイの予測通り弾幕を掻い潜って来たグリッチャーが数匹こちらに接近していた。


「相手がまだレベル1だってんなら…!!」


まず先に脚部が変異した足の速いグリッチャーを狙い、バイタルパートを正確に破壊する。


ルフィナ・ウイルスは宿主の体の主導権を奪う事こそできるものの、消化器やその他の内臓は代替する事が出来ない為元の宿主のバイタルパートへの攻撃が最も有効な手段とされている。


宿主の生命活動さえ停止させれば、一度体内で変異したウイルスは体外で生きる事が出来ずにそのまま宿主と共に死滅する事になる。


ただし、これはグリッチャーになって間もないレベル1~レベル2にしか通用せず、それ以降からはバイタルパートを自身で守るようになり、単純な再生能力の向上もあって歩兵火力での殺害は難しくなる。


「まず一匹…!」


胸部が吹き飛んだグリッチャーが勢い余って転倒し、そのまま息絶えたのを確認した後すぐに次の目標に移る。


有効射程25mのこのシュラプネル-25バックショット弾、まさにこの戦場にピッタリな武器だった。


フェドセイに肉薄するグリッチャーの脚部を破壊し、動きが止まった一瞬の隙を狙って胴体に更に撃ち込む。


「二匹…三匹…四匹…!」


迫り来るグリッチャーが次々とルカの手によって斃れていく。


全て胸部を撃たれて止めを刺されており、ルカの実力の高さがそこから窺えた。


「すげえぞ!!ルカのお陰で思いの外上手く行くかもしれん!!」


嘗て天性のサボり魔とさえ罵られてきた雑兵に相応しくない程の射撃精度を見せるルカ。


それもその筈、本来ならルカは今頃既に下士官課程を修了し部隊の指揮官を任されてもおかしくない程の実力を持っていたのだ。


ただ、向上心が微塵も無く、出世欲も無かった彼は下士官の道を選ばず素行不良で成績を落とし、雑兵としての立ち位置を図らずも守り続けていたのだ。


「弾切れだ!カバー頼む!」


「あいよ!!」


木陰に身を隠し、KS-23Mのリロードを行うルカ。


フォアエンドを引き、ポーチから取り出した新しいショットシェルを薬室に装填する。


だがそれは先程まで使っていたシュラプネル-25バックショット弾ではなかった。


「馬鹿正直にワラワラ集まって来てくれてんだ、こっちの方が使えるだろ」


リロードを終え、木陰から身を出しKS-23Mを構える。


目の前には二匹のグリッチャーが縦一列に並んでこちらに走って来ていた。


正確に胸部に照準を定め、直ぐに引き金を引いた。


すると、中からは球状のペレットではなく、ダーツのような針状の子弾が数十発同時に放たれた。


その子弾は着弾すると、先頭のグリッチャーの体を穴だらけにするどころか貫通し、背後にいたもう一匹のグリッチャーの胸部を貫いた。


「道理でこんな弾まで支給されてた訳だ…加害範囲がシュラプネルとは比べ物にならねえ!」


同時に倒れる二匹のグリッチャーの姿を見ながら呟く。


ルカがあの時使ったのは対魔物・グリッチャー用のヨーシ(ハリネズミ)-2フレシェット弾だった。


基本群れて行動する魔物やグリッチャーに対して、より効果的な攻撃を与える為に開発された弾薬だ。


子弾一発一発の貫通力は中型までの魔物やグリッチャー程度なら数匹纏めて貫通し殺傷する事が可能。


この新世界、第四世界へのソ連政府による移民開拓団の派遣計画に合わせて開発・配備された。


「よし!あとはもう数匹だけだ!!」


ルカのKS-23Mも強力だが、グリッチャーの大半は近づく前にフェドセイのPKMによって食い止める事が出来ていた。


あと僅かの辛抱で助かる。


そう信じていた彼らの耳に一番聞きたくなかった音が入り込む。


「…!?」


「……ヤバい!!来やがった!!」


音の正体が何なのか分かった直後に、それは目の前にいる数匹のグリッチャーを撥ね飛ばしながら自動車並みの速度で突進してきた。


その音とは、この世の物とは思えぬけたたましく、恐ろしい咆哮だった。


「魔物だ!!」


森の奥から現れたのは人よりも三倍は大きなサイズの狼に似た数匹の魔物だった。


ただ、背中からは鋭い角の様なものが何本も連なって生え、目は三対あるという地球上の生物では考えられない特徴を持っている。


魔物達は先程まで二人があれだけ倒すのに苦労していたグリッチャーをいとも容易く撥ね、その牙と爪で引き裂いた。


あれだけ恐ろしかったグリッチャーが呆気無く死んでいく様を見て二人はこの第四世界のパワーバランスの恐ろしさを知った。


「やっぱ銃声を聞いてきやがったか!!」


「廃域なんて屁でもねえって面だな…!」


二人は急遽狙いを目の前のグリッチャーから迫り来る魔物の群れへと切り替える。


KS-23MとPKMが同時に火を噴き、魔物に銃弾を浴びせる。


動きは素早くとも的自体が大きいので躱されることは無いが、魔物達は二人の迎撃に対して予想以上の耐久性を見せた。

ヨーシ-2フレシェット弾、そして7.62x54mmR弾ですら魔物にダメージを与えられているようには見えなかった。


弾幕を意に介さず、高速で向かって来る魔物に二人は早々に不利を悟る。


「駄目だ!!まるで効いちゃいねえ!!一旦ここから逃げんぞ!!あ、そこで伸びてる上級軍曹を忘れんなよ!!」


フェドセイに続き、ルカも気を失っているマルティンを背負い走り出す。


しかし幾ら厳しい訓練を乗り越えて来た彼らといえど、重装備の全力疾走であの高速で向かって来る狼の化け物から逃れられるとは思えなかった。


事実、もう既に姿がハッキリと認識できるほどにまで彼我の距離は縮まっている。


「おい、光だ!!森から出られるぞ!!」


フェドセイの指差す先には周りに鬱蒼と生い茂っている草木が見えなかった。


もうすぐ森の外に出られるが、今も尚魔物が追跡してきている状況ではとても安堵などできなかった。


鳴き声でもうすぐ後ろまで来ている事を感じたルカは振り返り、AKS-74を構える。


ハンドガードの下に装着されたGP-30グレネードランチャーの照準器を展開し、魔物に照準を定める。


即座に引き金を引き、40mmVOG-25破砕榴弾が一発放たれた。


瞬発信管によって魔物の胴体に着弾した瞬間炸裂した破砕榴弾は、魔物にゼロ距離から爆風と同時に銃弾の如き速度の金属片を浴びせる。


流石に破砕榴弾は効果があったようで、粉塵に包まれたまま被弾した魔物はその場に倒れ伏し動かなくなった。


他の魔物も突然の爆発に僅かに怯み一瞬足が止まった。


「殺傷範囲の中にいてピンピンしてんのかよ!?」


怯んでいた状態からすぐに復帰した魔物が再び迫って来る。


余りの速度の差に、二人はもう逃げられないと半ば諦めかけていた。


そして、二人は森の外に佇む一人の影に気が付く。


「誰だ…ッ!?」


人影は目にも留まらぬ速さで向かって来たかと思いきや、二人を通り過ぎて魔物の方へと向かっていった。


通り過ぎるほんの一瞬の間、ルカは彼の肩にある物を見つけた。


それは、イギリス軍特殊空挺部隊、S()A()S()のワッペンだった。

〇今回の作者のニチャニチャ妄想によって生み出されたオリジナル兵器・装備

・1P52:ACOGのソ連軍バージョンのような、ソ連軍で最も普及している光学照準器。

         3倍の固定倍率式でアメリカ製のACOGとは違って照準線(レティクル)の発光には

         トリチウムではなく一般的な電池式を採用している。

・ヨーシ-2:ソ連軍がKS-23Mカービン銃用に開発した23mm口径のフレシェット弾。

      人との戦いではなく主に第四世界の原生生物、魔物との戦いを想定して作られている。

      その子弾の貫通力は中型までの魔物なら過貫通を起こし背後の別個体まで殺傷可能。

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[良い点] 中々自分得な設定 [一言] 異世界を舞台に大国同士のパワーゲームがどう描かれるか気になります
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