後編
『瞳、起きて。瞳、』
「……んー」
『起きないなら襲っちゃうよ』
瞳の鎖骨に唇を這わせ力任せに吸うと
「お、起きます。ごめんなさい。」
『残念、まだまだ俺は元気だから大丈夫なのに。欲求また満たされてないし』
「えっと……」
『まっ、それは追々とで。シャワー入っといで。着てたの洗濯中だから。コレ俺のシャツと新品のトランクス。』
「洗濯?朔耶は?」
『先に入ったよ。買い物に行って帰ってきたとこ。ついでにスーツと一緒にワンピースもクリーニング出して来たから。』
「はっ?えっ?」
『ちゃんと車で家まで送るから。』
「…でも」
『シャンプーとかは補充しといたから。頼むから中身を捨てたり、予備を持って帰るとかやめて。立ち直れなくなるから』
「ごめんなさい」
『もぅいいよ。リビングで待ってるから、シャワー入っといで。お湯も張ってるから』
「ありがとう」
全身を洗い湯船に浸かる。さっき気付いたキスマークを擦りながら心満たされていく。お昼迄は朔耶と離れる筈だったのに……初めて好きって言ってくれた。『瞳だけが好き』その言葉だけで布団に潜り泣き明かした事やウジウジ悩んでた事が無かったかの様に思えてくる。年下なのに…朔耶は優しい。包容力あって、私より大人で………イケメンでモデルみたなのが彼氏なんだ。『一緒に居たい』って言ってくれたけどプロポーズ?でも朔耶はまだ24才だし、まさかねとか思ってると
『瞳、大丈夫?結構、長湯だけどのぼせてない?』
「ごめん、今あがるから」
『わかった、リビングに居るから』
髪を乾かし、リビングに行くとサンドイッチやローストビーフやサラダに小さなホールケーキ、ワインがテーブルに並んでた。
『そこに座って。』
そう促され座ると、グラスにワインを注がれた。
『テイクアウトで申し訳無いけど、乾杯しよ』
「乾杯?」
『やっぱり忘れてる。誕生日おめでと』
「誕生日?私の?」
『瞳の誕生日だよ。本当はレストラン予約したかったけど…』
「ごめん、私が変な態度取ってたから」
『大事な言葉伝えて無かった俺も悪かったし、仲直り出来たって事で…食べよっか?』
「うん。いただきます」
食事が終わり、ワインを飲んでると
『はい、プレゼント。瞳をイメージしてオーダーしたんだけど…』
指輪とは別に、ピアスとネックレスも作って貰った。
「可愛い、私のイメージって…」
『見る方向変えると音符に見えるんだ。』
「ありがとう。凄く嬉しい」
『良かった。ネックレス着けたい、瞳、立って髪もあげて』
こんなの初めてで、きっと私は全身が真っ赤になってる。ワインのせいかドキドキふわふわしてる。
『うん。似合ってる。このデザインにして良かった』
恥ずかし過ぎて、顔上げれずに俯いたまま
「…あありがと」
『真っ赤になって、フラフラしてるよ。瞳、可愛い』
と、言いながら抱き締められた。
『着てたワンピースはクリーニングに出しちゃったから新しいの買って来たんだ。寝室に置いてるから行こう』
そのまま寝室に向かい、ベッドに座らされた。朔耶はサイドテーブルの引き出しから何かを取り出し、私の前で片膝をつき、左手を取り
『俺と結婚して下さい。この先ずっと一緒に生きていきたい。瞳と生涯を共に……瞳の全てを俺に…俺は瞳を愛してます』
朔耶は私の左手薬指に指輪をはめた。そして別の指輪を渡され
『オッケーしてくれるなら、俺の左手薬指に指輪をはめて欲しい』
涙腺が崩壊し、涙が止まらない
「…わ、私で…いいの?」
『瞳がいい、瞳しかいらない』
「我儘ですぐにウジウジするよ」
『知ってる』
「焼きもち焼きだし」
『俺もそうだよ』
「いっぱい迷惑かけるかも」
『全部受け止めるから』
「…本当にいいの?」
『うん。俺の事が大好き過ぎる瞳を奥さんにしたい』
「朔耶も私を大好き過ぎる?」
『瞳に負けない位に、だから指輪をはめて。』
朔耶に指輪をはめ、首に手をまわし抱きついた
「奥さんにして下さい。私も朔耶を愛してます」
そのままベッドに押し倒され唇を合わせ長いキスをしたあと朔耶は肩に顔を埋め
『ありがとう。高2の時から瞳が好きだった。ずっとずっと瞳が欲しかったんだ』
「朔耶?」
『……初めて瞳を抱いた時は嬉しかったのに、不安は消えなくて。だけど焦ったら駄目だと我慢して来た。半年前に指輪を注文してプロポーズつもりだったのに、瞳の音楽が認められ出して……タイミング逃して………誕生日にプロポーズって決めたのに、瞳の態度が変わって…お昼に帰るとか…』
「朔耶、ごめんね……ずっと好きで居てくれてありがとう」
『うん。もぅ我慢しない。覚悟してね。ひたすら構い倒すから、いっぱいイチャイチャして愛しまくるから。絶対に逃さないから』
「えっと…お手柔らかにお願いしたいかも」
『善処出来るかわからないけど、今から目一杯愛し合おうね』