セクシークイーン
その日の夜──チビ達は願っていた。
あのオネェゴリラの事だ。
本人は自由そうで──楽しそうに話していた──だけど周囲には馬鹿にするやつや小石を投げる子供がいた──
アレンも可哀想と思った──部屋すら入れなかったから。
しかし翌日──状況は一変する
『主様ぁ~♡おはようございますぅ~』
俺を起こす声が聞こえる──
『はっ・やっ・くっ!起きてくださいましぃ~♡アタイが腕によりをかけた料理召し上がってくださいましぃ~♡うっふぅ~ん♡』
ガバッ!
アレンの目覚めはいい。しかしそれは悪夢の始まりだった。
眼下に跪く獅子顔のライゴ。体はゴリラで昨日見た時は巨体過ぎて部屋にすら入れなかった。
──がしかし。
今の状況はと言うと──俺が寝ていたベッドの上にはジーク、チビ、ヒカリが寝そべり、クロは自分の布団でスヤァと爆睡。
1番驚きなのがライゴが人型程小さくなりベッドの前に跪いてるじゃあーりませんか。
──これは悪夢だ──
もう一度寝ることにした。必死で二度寝を敢行した。俺は裸ハートエプロンのオネェゴリラなんて妄想してねぇ!せめて普通の服を…服を…ね…寝れねぇ!『じゃかましぃわ!』
チビ達一同はビクッと体を硬直させ俺のいるベッドへ注視する。
「突然大声出してゴメン。でも…ガヤガヤ五月蝿すぎ!この状況を打破したいの!こんなライゴは要らないの!」
ライゴは──すうっと一筋の涙を流した
「あ…そんなつもりは無かったんだ…ごめん…」
『泣ーかした!泣ーかした!神様に言ってやろー!』ヒカリが歌い出す。
「だ・か・ら!ごめんて!ごめんな?ライゴ。」
『いいんですぅ~♡アタイはぁ~主様の忠実なる下僕…ううん。恋の奴隷なのぉ~言葉責めもご褒美よぉ~♡うっふっ~ん』
──寒気がする。
筋骨隆々の獅子顔厚化粧が愛を囁いてくる現実。辛く当たってもそれをご褒美という事実。悪夢だ。覚めることの無い悪夢。アレンは頭を抱えて「あああああああああ!」と叫んだ。
チビ達は慰めの眼差しでアレンを見つめるが決して関わりたくないのか一定の距離をとる。
──なんて薄情な奴らなんだ。
でも…裏切らない仲間ってこうなのかもな。
誰とも上下関係無く、利益も考えない──
お互いがお互いを想って戦う──
俺はそんな仲間に憧れたのだ。
彼らは召喚獣だから上下関係は有るけれど、それでも仲間だと言いきれる。それは俺が創り出したからかも知れないが、俺もコイツらを体を張ってでも護りたいと思うから──
まぁ厚化粧の獅子顔は頂けないから直してもらうけどね?
ジークに続きライゴも俺たちの仲間となったのだった。
これで俺の仲間は《執事のようなチビ》《暗殺者のようなクロ》《道化師のようなヒカリ》《槍術使いのジーク》《オネェゴリラのライゴ》が仲間になった。
まだジークとライゴの冒険者登録が済んでないため一旦ギルドへと向かい登録を済ませた。
チビやクロの実力から始まりの洞窟では役不足と感じた。ヒカリの運の良さは折り紙付きだが実力と呼べるものかは謎だ。
ジークとライゴのステータスはこれだ。
ジーク
種族 妄想召喚獣 《リス×魔槍グングニル》
年齢 24歳
性別 メス
攻撃力 2480
防御力 620
素早さ 9999
魔力 666
魔防 401
運 10
特技 高速突き、略歩、魔槍解放
装備 魔槍グングニル
ライゴ
種族 妄想召喚獣 《獅子×ゴリラ×お花》
年齢 ヒ・ミ・ツ
性別 うっふっ~ん
攻撃力 7991
防御力 7991
素早さ 7991
魔力 7991
魔防 7991
運 7991
特技 チャーム、家事全般、嘆キッス
ライゴの7991と言う数値には意味が有るのか、、、?謎である。
アレン達は新人の実力を知るため俺がかつての仲間に裏切られた《メリカリダスの奇跡》へと向かうことにしたのだった。
拙い文章ですが読んで頂きありがとうございます。
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