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冒険者登録

拙い文章ですが読んで頂きありがとうございます。

評価・ブクマ・感想お待ちしております。

あなたのその評価が頑張る糧になります!

これからもよろしくお願いします!

ギルドへ向かった俺達──


いつも通りの無法者達──所謂冒険者が屯する酒場兼ギルド。


冒険者に仕事の斡旋をする場所──だ。


受付に気だるそうに肘をつきタバコをくゆらせている超絶美人エルフ嬢ことオニキス。彼女の前に立つと声をかける。


「こんにちは。お久しぶりです。オニキスさん。」


『誰かと思ったけど…あのアレンか。《郢曲》を首になったって聞いたけど生きてたんだな?今日は何の用だ?』


全くこの人は──美しいが受付嬢としては落第だと思うのだが──だからオニキスの前には誰も並ばないのだ。


隣には長い列を成している。ロリっ子ウェンディが受付する窓口だ。軽く20人は居る。彼女は丁寧な言葉使いと愛嬌が人気で冒険者達の憧れの的だ。


『あ!こんにちはー!アレンさん!』

ほらな?長蛇の列に並ぶのが嫌でオニキスさんの窓口に行く俺なんかに挨拶してくれるとは。実際に存在するかは分からないが天使が居ないなら彼女がその天使であろう。

まぁ挨拶されたお陰で、先程までにやけていたウェンディの前に立っている全身傷だらけのゴロツキが俺を目で射る様に睨んで来ているが。放っておこう。


『んで?何の用だ?早くしねぇと刺すぞ?』

オニキスは短気──なのだ。実際に刺されたことは無いが窓口の下側から爪先でコンコン蹴られることはある。せっかちさんなのだ。怖い。


「あ。はい。俺の召喚獣…チビ達の冒険者登録しようと思って来ました。」


『あん?冒険者登録だと?召喚獣を?おめぇ…阿呆か?テイムした魔獣や召喚した召喚獣は冒険者登録しなくていいのはおめぇも知ってるだろ?話せねぇし文字も書けねぇだろ?分かったらおちょくってねぇで仕事の1つでもしやがれ!』

矢張り──オニキスさんでもそう思うよな。


でも──


『ワタシ達は話せますし文字も四則計算も出来ますよ。ワタシ達のアレン様を馬鹿呼ばわりしないでください!謝れ!』


チビは背中の毛を逆立たせ尻尾もビンッと立たせ威嚇する。


『ワレらが主アレン様を冒涜するなど万死に値するであります。ここで死ぬが本望でしょうな。覚悟するであります。』


クロは身体中の力を抜き目を瞑りユラユラ揺れている。


『ボク達をバカにするのはいいけど、、、アレン様を馬鹿にするなー!ぶっころすぞ!エルフの分際で!』


ヒカリは手に持つ2本の木の棒をブンブン振り回してエルフである事を蔑んだがエルフ種はこの世界では最も高貴で美しいとされる種族。魔族ですら一目置いている種族だ。


『な…?喋った?しかも文字も書けるだと…?』


エルフ種をバカにされた事を土返ししてもオニキスは驚いていた。


召喚獣が話せる───など今まで聞いたことも無かったからだ。


オニキスは渋々冒険者登録用紙をアレンに渡す。


登録用紙をアレンから受け取ったチビ、クロ、ヒカリは満足そうに頭を縦に振っているが腑に落ちないのかオニキスを睨んだままだ。


「まぁまぁ。話せる召喚獣って珍しいからね?仕方ないんじゃないかな?」


『アレン様がそう仰られるなら…致し方ありません。しかし…』

『フン…ワレが主が許すと申されるならそれに従うであります。』

『むむむ…でもレン様ぁ…コイツ嫌い!殴りたい!けど…レン様がそう言うなら…』


どうやら──3匹は分かってくれた様だ。


「皆ありがとう。俺は皆にも他の人達の仲良くして貰いたいんだよ。だからね?この紙に名前を書いてここに親指をナイフで刺して血を1滴垂らすんだ。」


俺はチビ達に登録用紙の書き方を教えてあげる──


俺も6年前初めての登録をした──その時を思い出して──


その時はまだ郢曲のメンバーも若くDランクパーティーだった。


そんな過去の記憶が蘇る。


嗚呼ぁぁぁぁあああああああああーーーー


今更だが《郢曲(えいきょく)》のメンバーに裏切られた事を鮮明に思い出す──


マルクスの罵倒──

ヒルデナイトの冷徹な瞳──

ニーニャの軽蔑する態度──


あの時の事を思い出し俺は震えが止まらなくなった。俺は必死に気高に振舞った。


けど──


本当はずっと一緒にいたかった──


死ぬ時は皆一緒だと誓ったことは嘘だったのか──


頭が痛い。俺はその場に蹲った。


気づくとチビ、クロ、ヒカリが俺に寄り添い抱き締めてくれていた。


まるで傷ついた主を護るように──


『アレン。すまなかったな。まず登録はこれで終了だ。それにしても…変わった能力ばかりだな?』


──オニキスは驚いていた。その異常なスペックの召喚獣と呼んでいる者達に。


チビ


種族 妄想召喚獣 《三毛猫×神金属(オリハルコン)

年齢 286歳

性別 メス

攻撃力 10

防御力 9999

素早さ 9999

魔力 10

魔防 9999

運 0


特技 身代わり、絶対防御



クロ


種族 妄想召喚獣 《黒猫×鬼》

年齢 13歳

性別 男

攻撃力 9999

防御力 10

素早さ 9999

魔力 9999

魔防 10

運 0


特技 先制攻撃、貫通攻撃



ヒカリ


種族 妄想召喚獣 《猫×猫×猫》

年齢 8歳

性別 女

攻撃力 10

防御力 10

素早さ 10

魔力 10

魔防 10

運 9999


特技 ビギナーズラック、神の悪戯


どれもこれもかなり偏ったステータス──


完全防御型のチビ

完全攻撃型のクロ

運要素のみの能無しヒカリ


まぁこんなバラエティに富んだチームはこの世には存在しない──ことは無い。


かつて魔王ヘルによって世界が脅かされている時───突然現れてあっという間に魔王を討伐した勇者コサンとその仲間達。


勇者コサンは圧倒的な他力本願で魔王を倒したと言われ、その後忽然と世から消えた。


ふとそんな数千年前の御伽噺を思い出したオニキスなのであった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ステータスぶっ飛んで尖ってますね! 続きもゆっくり読ませていただきます。 ブクマと評価させていただきました。 よければ私のもご覧くださいませ [気になる点] 沈黙の「、、、」は「……」(三…
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