悪役らしい私の悪事
「起きたらなんと猫耳獣人が天使のような笑顔で微笑んでいました」
ほにゃっと笑うナコさんのほっぺをモチモチと弄ります
超可愛い
くせっ毛がまたぴょこぴょこ跳ねてるのも可愛いですね、どんな寝方したらそんな寝癖がつくんですか、私のせいですけど
おや、ナコさんしっぽがふにゃふにゃしてます、まぁ私が夜に弄り倒したから元気がないと思うのですが
日差しは昇ってますが抱いてねるのにちょうどいいサイズ感、これはもう一眠りでしょう
…
「なんですかサクラさん」
ひしっと抱きしめたらナコさんで見えませんでしたが…床に正座のサクラさんがいました
「…いえ、なにも」
めっちゃ不機嫌じゃないですか
…しょうがないですね
「じゃあサクラさんもベッドに入っていいですよ」
一緒にナコさんを抱きしめますか?ナコさんって体温が高いんですよ
「…そういう訳では無いのですが魅力的なのでベッドには入ります」
おや、正直者ですね
「…なんで脱ぐんですか」
「ナズさんもナコさんを脱がしているでしょう」
まぁ脱がしましたけど、しっぽ触るのに邪魔でしたし
「そういう訳です」
どういうわけだよ
そして私の背中の位置に入り込むサクラさん
…ん?ナコさんと遠っ
「そこ首っ!」
「あ、失礼しました」
ひしっと抱きしめられました、首を絞められたので死ぬかと思いました
俯くとおやそこにはナコさんのなかなかなものが
「…ナコさん意外とありますよね」
背丈にしては、という感じです
「ふみゅ」
プヒューと口から息をするナコさん
…起きそうですね
前回なら、はだけた感じで着せるのですが…
今はサクラさんが背中におでこ?を押し当ててるので胸を張っているような姿勢です
つまりは肩が後ろ寄りなので手を前方に出せません
「…」
「おはようございます、ナコさん」
ナコさんの足が私に絡んできました
「…」
顔が赤くなりながら俯きます
同時に猫耳が消えていきます
器用ですね
「ふみゅ…」
あーかわいい、ナコさん可愛い
持って帰りたい、あ、私の部屋でした
「…裸だし」
ちなみに私はちゃんと来てます、薄い素材ですが
ナコさんも脱がしたのは上だけですので
…
どうして上だけ脱がしたんでしたっけ?
まぁいいです
「おはようございます」
「…おはよ」
「おはようございます」
後ろから圧がきました、サクラさんちょっと怖いですよ
「ふぐっ!?」
あっ、ちょ、そこ、いたいいたい!
するとその瞬間にナコさんが消えました
「ふぁっ!?」
「…細いですね、シロ殿」
あいっつぅ!?
ナコさん!ナコさんがぁ!消えましたァ!
◇
「うぅ、背中が痛い…」
「すいません、やりすぎました」
サクラさんいわく抱きしめただけとの事
反旗を翻されたら私は粉微塵だな
「てんばつ」
ナコさんもツーンとしながら朝食を食べてます
なんでしたっけ、ほら、ナコさんの認識阻害より強力な魔法
アレをやったらしいです
意識が逸れたので消えたように見えたと
私は日頃の行い悪いので…てんばつとかそこらはしょっちゅう貰ってもいいレベルなんですよねー…
まぁいいんです
お仕事と行きましょう
サクラさんと私は早々に闘技大会があるとされる街に移動です
ナコさんは何も無ければあとから来るとの事
あっても連絡はくれるみたいです
数日かかる予定なので
調合の方はスタッフ達に書き出し、キミドリさんが暇があればやってくれるみたいです
報酬と言っても私が出せるのはお薬なのでちょっと違いますが、キミドリさんにはそちらを融通する形となります
助かります
スタッフの分からないところは私がキミドリさん経由で伝えることになってます
遠距離連絡、便利ですね
闘技大会のある街に来ました
「こちらがこの街での宿ですか…まぁ悪くない場所、と言ったところですか」
闘技大会は街の外の施設で行うようです
街をにぎやかすためにとってつけた感が滲み出てますね
嫌いじゃないですよ?
「街の探索でもしましょう」
「分かりました、お供します」
支店の確認と、裏道の確保
特産品でもみて、土地の把握ですかね
さすがに白衣は着ていません
お守りは持ってますが
人が多くぶつかると認識阻害が上手く発動しないローブもなしです
至って普通の私服です
闘技大会で人が多いんですね
サクラさんにはウィッグを被ってもらっています
金髪の人口は光の街では多いですがこちらではあまり見かけませんので、目立ちます
だいたい見て回った、という所でしょうか
日も落ちかけています
街中のギルドで闘技大会のエントリーが出来ました
わざわざ闘技場まで行かなくていいのは楽ですね
私は元々出場する予定ではなかったのですが予選敗退目的で出ることにしました
出場者に近寄れる方が薬の投与も楽ですし
とりあえず狂わせる薬の準備はおっけーです
夕暮れの街を歩いていた時です
「おい…おまえ、聖騎士だな?」
無視です無視
「おい!まて!」
ガキィンっ
サクラさんが剣を受けました
「貴様、街中で剣を抜くとは常識がないようだな」
「はっ!やはり、女聖騎士様じゃねーか!」
「私は貴様なぞ知らん」
サクラさんが絡まれました
人通りの少ない道で夕暮れ時なので遠目にチラホラとしか人はいませんが…
あちらは三人組…なんで絡んできたんですかね
鍔迫り合いをしている二人を見守る二人
片方は呆れ顔ですが
投薬出来ますかね…文字通り投げますので距離のある今は失敗するかもしれません
「ちっ!おい、お前らも手を貸せ!」
斬りかかってきた男性が振り向きます
同時に倒れるお仲間の二人
霧系の薬なので顔にかかれば成功です
顔に飛んでくるので防がれやすいですが、上手く行きました
「なっ!おい、大丈夫か?」
ずさっと足払いをされる男性
投擲っ
…私の投擲技術なかなかいけますね
「…失礼しました、私のせいで」
「…サクラの髪の毛って目立つもんね」
ウィッグからはみ出ている金髪を触りながら、まぁ顔立ちと立ち振る舞いな気もしますけど
「いや、そんな」
ん、だらしなく頬を緩ませる、初めてじゃないですか?そんな顔するの
「じゃあ染めるか」
「え」
なによ、緊張しちゃって、顔が怖いよ?
◇
その夜、サクラを椅子に座らせ私はその髪をいじっています
「…シロ殿は人の心がないと言われたことは無いですか?」
「…うーん、ある気がする」
他にも悪魔だとかなんだとか
特に透明薬をぶっ込んだ人には様々なレパートリーで罵られた
盛ったら黙ったけど
「あぁ…いえ、すいません」
どうして謝ったし
互いに無言のままにサクラさんの髪の毛を染めていく
綺麗な金髪は赤黒い髪の毛へと変わっていく
…艶があって綺麗な色だなぁ
長くは持ちませんが、闘技大会中は大丈夫でしょう
「シロ殿」
「うい」
「シロ殿は性格の矯正は出来ますか?」
…それはまぁ、できるけど
元の人格を思い出したら壊れるよ?
あ、性格の話か
いや、一緒じゃない?
「なんで?」
「私に施して欲しいと思いまして」
物好きな…
何か悩みでもあるのだろうか
「じゃあ明日にでも届けてもらいますか」
施設にあるからキミドリさんに送っといて貰おう
「ほい、完成です…なんか悩みがあるなら聞きますが」
「いえ、大丈夫です」
…ふむ?
絶対大丈夫ではないだろうけど…
本人が言わないなら聞かないよ、うん
翌朝です
ノックがするので開けてみますがそこには誰もいません
「…イタズラ?」
「姉御よ」
何も無いとこから声が聞こえる…
するとスゥッと姿が現れるではないじゃないですか
「あら、透明さん」
「コイツを届けろってビクビクしてるやつに頼まれてな」
ビクビクしてる…キミドリさんですかね?
ちゃんとした性格矯正薬と興奮薬などなどと…箱?
「そちらは?」
「こっちも暴れるには必要だろうと持たされたが…さっきからガタガタ動いてんだ、生き物なのか?」
わかんないのでキミドリさんに聞きますか
「そちらが性格を変える薬ですか?」
「おはようございますサクラさん、そうですよ、自分のなりたいように思いながら一気に飲むんです」
はい、と渡します
ま、嘘なんですけど
たんに気分が高揚するだけです
興奮薬の方ですね
それは言わずにサクラさんは一息に飲んでいきます
おお、いい飲みっぷり
「あ、透明さんは私の武器ですので残ってもらいますね」
「…武器?」
対戦相手を殴るだけのお仕事ですよ
◇
「では、誓ってください」
「わたし、漆黒のサクラは、シロ殿の剣となり悪の限りを尽くすと誓います」
どんどんと研がれていきますね
サクラさんにはそれっぽい効果のある薬なら望むとおりに効果が現れてくれます、ほとんど思い込みですが元から薬の効きやすい体質からか効果は存分に現れてますね
じゃあサクッとぶち壊しますか、大会
特に街ではやることないですし人が多いので絡まれる可能性もあります
大会まで大人しくしておりました
ナコさんは予定があり不参加です、残念
予選が一日目、本戦が二日目にあります
予選は客が自由なのでまちまちです、やはり暴れるなら二日目でしょう
予選一戦目は薬が効き全身痺れさせたので勝ちました
しかし二戦目では薬が効きませんでした
投薬の霧を吸わせるタイプは一切効かず、接触での皮膚からでは決め手となる効果の薬がありません
皮膚に少し傷をつけて体内に送り込むタイプは少量のためアドレナリンに敗北、効き目無しです
アドレナリン厄介すぎますね
能力上昇系統はアドレナリンに阻害されませんが敵さんにやってもね
こういった強い人には私の薬が全然効かないですね
何とか透明さんがいい勝負をしてくれましたが負けてしまいました
結局殴り合いになると私は瞬殺されるので
まぁ、薬の限界といったとこですかね
気を逸らしてくれる人が私には必要です
一日目はそんな感じでした
サクラさんは黒騎士の鎧を着て順当に勝ち進みましたね
二日目です
サクラさんに投薬し送り出します
きた攻撃を全て捩じ伏せて叩きのめすというゴリゴリの力押しです
今までとは新しい戦い方ですが戦い初心者の私でもかっこいいと思えるのでいいですね、素敵です
「もう準決勝ですね、少しでも勝敗が揺らぎそうな展開になったらすぐにぶち壊すので、任せてください」
グッと親指を立てます
サクラさんはフルフェイスに加えて寡黙になっているので心情は全く読めません
何考えてるんですかね?
「…私はこれでいいのだろうか」
おや、久しぶりに返事をしてくれたと思いきや悩み事ですか
「なんですか?聞きますよ?」
「…このまま順当にいけば決勝では光の街の勇者と当たる」
「ふむふむ」
別の街の勇者が来てるのも驚きですが
…光の街は聖騎士の本拠地、まぁ知り合いなんでしょうね
私のしょうもない、自分語りでも聞きますか?私にとっては、ひとつの答えですけど
「まぁ、私たちに勇者のようなドラマはありませんし必要ないです」
熱い展開とか、逆転の一手とか
「弱ければ負けて、強ければ勝つ、分かりきったことです、例え相手が知り合いだろうと、かつての仲間だろうと、好意を持っていようと、とりあえず圧倒してしまえばいいと思います」
「…圧倒するのか?」
「えぇ、とりあえず倒しちゃいましょう、じゃないと負けますよ?」
多分そんなことないと思いますけどね
「ほら、あなたには力があります」
どうぞ、興奮作用のあるお薬です
「…そうだな、壊すのは最後でいい、とりあえず準決勝、行ってくる」
「ええ、行ってらっしゃい」
サクラさんの戦い方は変わらずねじ伏せるものでした、お相手さんも何度か攻撃を当てています
何度目かの攻撃でサクラさんの頭装備が吹き飛びました
そのカウンターで相手がノックダウンです
…ギリギリまで攻めてますね
「ふっふっ…」
会場も少しざわついています、解説なのか大きな声の人は一段とうるさくなりました
サクラさんの呼吸が浅いですね
急に糸切れる可能性があります
…箱の準備をしておきますか
こちらの中には暴れるのが大好きな蛇さんがおります
ご飯も調整しましたのでお腹がすいて気がたってます
可哀想に
身体を急激に大きくさせる薬
凶暴化
全能力上昇といきましょう
…あ、決勝戦でサクラさんが闘技場にいきました
なんか喋ってますね
顔が苦しそうです
最後まで暴れないでとは言われましたが…まぁいいです
身体を大きくさせるのは生命力の爆発的増加です
魔物でしか身体の大きさ変化は確認が取れてません
「では、いってらっしゃーい」
反動でものすごい短命になってしまいます
頑張ってね
◇
蛇さんが暴れ始めました
どこからか知らない尻尾を叩きつければ地面がひび割れ
スナック感覚でお客さんを食べてます
あら怖い
客席にもいた冒険者に苦戦しながらも大暴れ中です
「…サクラさん何してるんですか?」
「貴様!貴様が彼女を狂わせたんだな!」
…おや、金髪のイケメンが怖い形相で睨み、叫んできます
「…誰ですか?」
「光の勇者だ」
「貴様…貴様だけは許さない、絶対に許さない!」
周りが蛇さんで大変な中、私たちは闘技場中央で茶番です
暑苦しいですね
「サクラさん」
「…」
「せやぁあ!!」
おや、サクラさんが動いてくれません、私が死にますよ?
「あし」
「っ!?なんだ!」
透明さんが勇者の足をひっかけてくれました
勇者さんも転びますがすぐに受身を取ります
「サクラさんどうしたんですか?」
「く!彼女に、これ以上洗脳が効くと思うな!光の加護よ!」
勇者が剣を高くあげると剣から光が
綺麗ですね
その光がサクラさんに降り注ぎます
弱体解除とかそういう系統ですかね?
「うーん、蛇さん」
「シャァアッ!」
「ぐうっ!?」
蛇さんが一呑みにしようと襲いますが図体がでかいのもあり勇者さんは避けます
「この蛇も貴様がやったのか!」
まぁそうですね、言うことを効く薬はとりあえず漬け込みましたが効いてくれるとは
「サクラさん」
「…わた、私は」
「とりあえず、ねじ伏せちゃいましょ?」
「……そうだな、そうしよう」
自己暗示のような矯正ではここまでですかね?
まぁ私の薬には前提として言うことを聞く薬を混ぜ込んでますので
ふふっ
私の薬の使用者は異常な意思でもない限り私には逆らえないんですよ
魔力の多少は使いますが
「おい、おい…うそだろ?目を覚ましてくれよ」
勇者さんがへたりこんでしまいます
「…私は、漆黒のサクラ、悪の限りを尽くすものだ」
勇者さんの叫び声が闘技場に響きました
◇
選手をボロボロにして、会場を壊して、被害も出しました
いい感じにぶち壊せれたと思います
サクラさんは異常な意思の持ち主でしたね、勇者さんがギリギリ生き残る斬り方をしていました
勇者さん、頑張って、まだ更生させる可能性がありますよ!
裏切られたら死ぬので可能性も潰しますけど
帰りは透明さんにおすそ分け透明化をしてもらい帰りました
少ない荷物を持って雷の街に帰ります
帰ります、帰り…
…真っ直ぐ帰りたかったんだけどなぁ
私たちの行方を遮る方がいますね
では、もう一仕事ですか
次回、キリが良い所となります
勇者側からすると洗脳解除の魔法のはずが効かずに…という絶望的な状況です
…洗脳してませんし
露骨なのんびり回も入れましたし、だいたい書きたいことは入りましたかね?
まぁ書いていると案ばかり生まれるんですが
では、次回
やっぱり、最後に正義は勝っちゃうんですよね




