釣った魚とテレパシー
※どうでもいいですが、不思議の国のアリスは原作の著作権フリーなようです
アニメ絵は「ハハッ!」されちゃうのでダメっぽいです
吸い込まれるような暗い渦に釣り糸を投げ入れたら、細かい装飾のされた円形の機械を釣り上げることができた
「なんだこれ?」
フリッツに問いかけるが、首を傾げている
薄く丸い金属の円形で、一か所だけボタンのようなパーツがついている
表面の中心に女性の横顔が彫られており、周囲に4つのマークが飾られている
裏面には特になにも意匠はないが、読めない文字が彫られている
よく見ると表面の部分が蓋になっている
開けるとガラスの中に中央から外側に伸びた針が2本あった
(とりあえず、ポチっとな)
蓋を閉じた状態で、一か所だけあるボタンを押してみる
親指に違和感があるが、特になにも起こらない
・・・なんだかちょっと気持ち悪くなってきた?
すこし座って休憩する
機械の蓋を開けるが、なにも変化はない
しかし、精巧な作りの機械だな・・・高く売れそうだ
(「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンっ!!」)
しばらく眺めていたら、突然頭の中に大音量が鳴り響いた
(「アリスシリーズAI 懐中時計型をご購入頂きありがとうございます!」)
(なんだ!?俺は頭がおかしくなったのか!?)
(「おやおや、お客さんは説明書を読まないタイプの人ですか?」)
(説明書・・・?なんだそれは、説明してくれ!)
(「しょうがないですね~、それでは説明させて頂きます!」)
謎の声の話をまとめるとこうだ
・機械に人間に似た感情や思考能力を持たせたのがAI
・危険はない
・懐中時計のボタンを押した人はこのAIとの会話が可能になる
・ナノマシンを脳みそに接続しているが危険はない
・危険はない、いやほんとに大丈夫
(「いやーしかしここは電波がありませんね?第三宇宙までは網羅しているはずなのですが・・・」)
「よくわからんが、お前はあそこから来たんだぜ」
時計の表面を暗い渦に向ける
(「ほほー、ブラックホールですか。。。え?今宇宙歴何年ですか?」)
(だから、宇宙歴とか電波とか、お前が言ってる事はさっぱりわからん)
(「ブラックホールの縮小・固定化って可能でしたっけ?ん?」)
「とにかく、お前の正体はこの時計?に宿る妖精さんってわけだ」
時計を見せると、フリッツは興味深々に眺めだした
(「妖精さんって(笑)
って、そのふわふわ浮いてるのは重力反転装置でですか?
ついにここまで小型化できたんですか時代はスゴイナー」)
なんとなくAIが全力で目をそらしている気がする
(で、お前の目的はなんだ?)
(「私は知育玩具として開発されたAIなので、目的はあなたのサポートですかね?」)
(なにができる?)
(「この有機ディスクドライブに詰め込まれた大量の知識を提供します!」)
(大量?どれぐらいの知識だ?)
(「地球の西歴2019年に公開されいるすべての電子情報が入っています><」)
(だから、それはどれぐらいなんだ?)
(「全てを吐き出そうとしても、あなたの寿命が尽きる方が早いぐらいですかね」)
(そいつはまた、ご大層なこって・・・)
>『真実のカンテラ』 を [懐中時計型AI] につかう
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『懐中時計型AI』
種類:アイテム
説明:
人工知能タイプの玩具
人気はない
詳細:
ダンジョンの存在しない世界の人類が作り上げたAI
ブラックホールへ投棄されたが、次元の裂け目からこちらに釣り上げられた
古典童話の再興として作成されたアリスシリーズだが、懐中時計型だけは渋すぎるため子供に大不評
大人には需要があったが、知育玩具というレッテルが客の購入を踏みとどまらせた
結果、余った在庫は100年単位で放置されて投棄された
アリスシリーズは他に、人形型、帽子型、猫型、トランプ型、卵型が存在する