できる!屋根裏での釣り(闇穴編)
ブックマーク、評価頂きました!
テンション上がってきた~!!
子供を助ける為にゴブリンを釣り上げた後、ゴブリンはまるでこちらの指示に従っているようだった
(なんだったんだろう?)
ひとまず面倒ごとは片付いたので、釣り竿をしまって屋根裏の散歩に戻る
(ん?)
しばらくすると、またしても下の道と屋根裏で異なる通路が見つかった
どうやら下の通路は完全に封鎖されているが、屋根裏からは向こうに移動できるみたいだ
隠し通路というよりは、下の通路がギミックで分断されているように見える
下の通路では行けない壁の向こうへ行き、床の覗き穴を覗く
(なにか、落ちてるな・・・剣か?)
通路に剣が刺さっていた
怪しい雰囲気のする剣で、持つと呪われそうだ
それ以外には特になにもないので、散歩を継続する
大きな部屋にたどり着いた
端から端まで50歩ぐらいの4角形の部屋だ
下の通路は入口が階段になっており、相対的に天井が高くなっている
屋根裏ではそのまま逆さにした形で天井が高くなっている
屋根裏の部屋に入ってその正面上部、暗い渦があった
暗い渦は光を飲み込む様にうごめき、吸い込まれそうな見た目をしている
(あれはなんだかやばそうだ・・・)
しばらく見ていると、奥の方にきらめきが見えた気がした
一体あの中に何があるのだろうか
(よし、釣り糸を飛ばしてみよう)
釣り竿を準備すると、糸を飛ばす練習をする
先についているハエのモチーフはそこそこ重いので、おもりについては問題はなさそうだ
数回素振りをして、糸のロックを解除
糸に指をかけて投げる瞬間に離すイメージ
(よし、投げるか!)
竿を横から後ろに回し、両腕を頭の上に構える
そして、竿を振り下ろそうとした途中、ハエのモチーフに何かが引っかかってしまった
慌てて投擲を中断し、何に引っかかったのか後ろを振り向き確認する
(布のお化け?)
そこには子供がお化けのマネをするように、布を被った姿の何かがいた
大きさは片腕で抱えられる程度
布の中身は見えないが、猫のような形をしている
その布(体?)がハエのモチーフに引っかかり、釣り竿からぶら下がっていた
とりあえず、呟く
「フィ~シュ?」
ハエのモチーフから外してあげると、布お化け(仮称)はこちらを見ながら漂っている
「なあお前さん、お前は俺を攻撃するかい?」
布お化けは首を横にふった
「一応確認だが、モンスターだよな?」
布お化けは首肯した
「目の前のクールな男が見えるかい?」
布お化けは首を傾げた
どうやらこのお化けは友好的なモンスターのようだ
少なくとも意思疎通ができ、今のところこちらを攻撃してこない
通常のモンスターであれば問答無用で襲われているはずだ
屋根裏には特殊なモンスターがいたもんだ・・・
「う~ん、名前がないのは不便だな」
布お化けは何かを期待するように揺れている
「今日からお前はせん・・・じゃなくて[フリッツ]だ」
気に入ったのか、フリッツは踊るように揺れている
「んじゃあまあ気を取り直して、もう一投」
しばらくフリッツと戯れていたが、本来の目的である釣りに戻る
フリッツが引っかかる範囲に居ない事を確認して、暗い渦にハエのモチーフを放り込む
糸が吸い込まれるように渦に飲まれている
一旦ロックして糸を張らせ、糸を軽く巻き取る
(巻き取るのに問題はなさそうだな)
何度か投擲を繰り返す
正直なにかが釣れるとは思っていないが、憧れの釣りができるのがうれしい
そして、
(・・・!きた!!)
明らかに今までとは違う手応えを感じる!
震えを感じないので生き物ではないと思うが、何かに引っ掛けたようだ
そのまま糸を巻き取っていくと
「フィッシュ!!!」
>カノーは円形の機械を釣り上げた!!
>『真実のカンテラ』 を [フリッツ] につかう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ダンジョンスイーパー』
種類:モンスター
説明:
ダンジョンの掃除人
ダンジョンを整備する
詳細:
物理攻撃、魔法攻撃の一切が通用しない特殊なモンスター
ダンジョンのゴミ掃除や故障修理、管理領域への侵入者の排除等を行う
触れたものの生命を奪ったり物体を消失させる事ができるが、様々なルールに縛られており通常は出会う事はない
屋根裏に侵入した存在はこいつに瞬く間に消されてしまう
ちなみに中の人はいない、いないったらいない