表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/44

冗談じゃない

風邪引きました・・・

今週って、後三日かぁ


誤字報告を頂きました!ありがたや~!!(-人-)

ほんと便利な機能ですね、素晴らしい・・・!

「とにかく、あとは春を待つばかりだ」


話は終わったとばかりに領主様は立ち上がった

伸びをして、ついでに目元を拭ったようだ、涙は見えない

領主様がドアに向かう


「冬が明けたら復興作業だ、次期領主には頑張っていただかないとな!」


「・・・ちょっと待って下さい」


疲れた顔で笑いながらドアに手をかけた領主様に待ったをかける

領主様は怪訝な顔でこちらを見ている


・・・言わなければ、今、言わなければ

遅くなれば遅くなるだけ、対策が遅れる


「もし、この街に2人で抱えられるだけの芋がやってきたら、どうなりますか?」


「芋?周囲の村からはすでにかなり搾り取っている、そんな余裕はないはずだ」


「村じゃないです、・・・その、ダンジョンで芋が採れたとしたら」


「ダンジョン?あの初心者用のダンジョンか?」


領主様はしばらく考えて、こちらに質問した


「それは誰かにバレているか?」


「教会に提供して炊き出しを行っています」


「と言う事は、関係者以外にも情報は漏れているという事か」


「次回がある事も特に隠してませんでした」


「ふむ、芋、芋か・・・ダンジョンから芋」


領主様は腕を組み、狭い室内を何度も往復する

虚空を見つめながら色々な可能性を見出しているのだろう


「時に、君は孤児だったね」


「そうです」


「それにしては痩せた様子もなく、立派なものだ」


教会の孤児たちは皆一様に痩せていた

確かにあの場所で、今の俺は異質だった


「私が娘を拘束した場所もダンジョン、娘はダンジョンから出た様子はない、ダンジョンから芋」


コツコツ、コツコツと足音がする

そして、足音が止まった




「・・・フッ、ンフフフ」


・・・領主様?



「フハッ!?ファーーーーーーハッハッハ!!!!ヒーヒッヒッヒ!!!ダンジョンから芋っ!?芋だって!!??ンフ、クックックッ、ハーーハッハッハ!!」




突然領主様が狂ったように笑い出した

思わずエメスを見るが、エメスも不安そうな顔をしている

持病の発作とかではなさそうだ


しばらくして笑いがおさまると、領主様はこちらに向き直った


「いや、いい冗談だ!それは考えうる最悪の展開だな!」


領主様


「確実に王都の目にはバレている、すぐに王都へ連絡が飛ぶだろう」


これは冗談じゃないんだ


「早ければ三日後には王都から先兵が来るだろうさ」


冗談じゃない


「なんてったって、王都からすれば、()()()()()()()()()がようやく見つかったんだから」


冗談じゃないんだ!


「見事、我が領は壊滅って訳だ・・・!」


領主様が俺の前に立ち止まった

両肩を思いっきり掴まれる

領主様の目には強烈な感情が宿っていた


「冗談なんだろ?」


俺は黙って首を振った

領主様はすがるようにエメスを見たが、静かにエメスも首を振った


「その芋を発見したのはエメスか?」


「いいえ、私じゃないわ」


「・・・ダンジョンから芋、そんな馬鹿な話があるか・・・!」


領主様は乱暴にドアを開けた


「領主様!?」


「しばらく一人にしてくれ!!」


俺たち二人は、残された密室でしばらく放心していた



どこで間違えたのだろうか?


街には他にお世話になった人がたくさんいる

シスターもジーナもコンガのおっちゃんもザックも


このままだと皆死ぬ?


・・・本当に、冗談じゃない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ