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屋根裏はチキンの夢を見るか

昨日は更新できませんでした、申し訳ないです

どこかのタイミングで挽回できるかなぁ・・・

思えば、気になる点はいくつかあった


なぜ、屋根裏が誰にも知られていないのか

なぜ、あのゴブリンはこちらの言い分を素直に聞いたのか

なぜ、モンスターであるはずのフリッツが俺を襲わないのか


釣り上げる前のゴブリンに知性などなく、子供を襲おうとしていた

フリッツは偶々釣り上げる事が出来たが、音もなく背後から忍び寄っていた


しかし、モップ犬と出会って釣り上げていないけど人を襲わないモンスターがいる事が確認できた

これはとても嬉しかった

フリッツも同じである可能性があったからだ


・・・このまま、はっきりさせない方がいいのではないかとも考えた

もし、この釣り竿が俺の想像通りの品なら、フリッツは人を襲うモンスターの可能性が高い


しかし、今、はっきりさせる必要がある

今後の方針を明確にする為にも、俺はフリッツに殺意を尋ねた




「お前はあの時、俺を殺そうとしていたか?」


俺の質問に、フリッツはあっさり頷いた


やはりフリッツは俺を殺すつもりで忍び寄ったのだろう

今まで屋根裏について話を聞かなかったのは、到達した人間が全てフリッツの仲間に殺されたからだろうか?


「今は、俺を殺す気はないんだよな?」


フリッツは頷いた


「それは、俺がこの釣り竿で釣り上げたからか?」


フリッツは頷いた


「俺以外の人間にあったら殺すか?」


フリッツは首をかしげた


「十分殺害が可能な状態で俺が命令した場合は襲うか?」


フリッツは頷いた


「じゃあ命令だ、今後一切人間は襲うな、守れるか?」


フリッツは何度も頷いた


どうやらこの釣り竿で釣り上げられたモンスターは、人間に対する殺意を奪われるらしい

しかし、完全に自由意志を奪われている訳ではなさそうだ


「フリッツ、お前の意思を奪ってしまってすまない、ありがとう」


俺はフリッツを抱きしめた

ふわふわで実体がないような体だけど、形だけなら抱きしめる事はできる


これで、作戦は決まった





まずはやはり、コッコを釣り上げる事にする

しかし釣り上げるのは一瞬、すぐに下ろして声をかける


「お~い!こっちを向いて羽を広げてくれ!!」


コッコがこちらを向いて羽を広げた


「よし!その場で小さく一周回ってくれ!!」


コッコは小さく円を描いた


これでコッコの意思を奪えた

次にすぐそばのロープを引く

直滑降で降りる事になるが、しょうがない


別にビビってはいない

確かに怖かったが、ビビッてはいない

ただ何事にもタイミングってのが

(「いつまで突っ立ってるんですか」)


・・・今引くから、ほんと、今すぐだから



三分後、またあの恐怖を味わった


ガチガチと歯を震わせながらコッコと対面する

コッコっぽい見た目だが、若干目つきが悪い・・・?

それに体も大きい気がする


(「普通のニワトリではなさそうですね・・・」)


まだモンスターと決まった訳じゃない

俺はコッコ?に問いかけた


「お前はモンスターか?」


コッコ?は首肯した


なんという事だ・・・やはりモンスターだったのか

しかし、まだ希望はある


「お前は卵を産めるか?」


コッコ?は首肯した


よし!卵が食べられるぞ!

でも、であれば、聞かなければならない


「お前に仲間はいるか?」


コッコ?は首を横に振った


(「このコッコ?は単為生殖(たんいせいしょく)を行わないようですね」)


(どういう意味だ?)


(「単体では増えていかないってことですです」)


そうなると、オスが必要になる

ダンジョンの中にオスのコッコ?がいる可能性はどれほどだろうか?



それからいくつか質問して、以下のような事が分かった

・卵を産む頻度は7日に一度程度

・餌は土をつつくと手に入る(ミミズ?雑草?)

・コッコ?の仲間はもうずっと見ていない

・卵は放っておくと消えてしまう


7日に一度卵を食べられる事を喜ぶべきか

毎日お肉の夢が果たせない事を嘆くべきか


「一番最近産んだ卵はあるか?」


コッコ?は頷くと草原に入っていった

草原に隠れて卵が一つ、ポツンと落ちていた


「とりあえずこれ、食べちゃっていいか?」


コッコ?は苦悶の表情を浮かべながら頷いた

食べられるのは嫌なのかな


(「ちょっと待ってください、コッコ?は何故卵を温めていないんですか?」)


コッコ?に温めない理由を聞いてみた

コッコ?は首を傾げている


(「私のボタンをコッコ?に押し当ててもらってもいいですか?」)


クロッサに言われるがまま、懐中時計のボタンをコッコ?に押し当てる




(「うそ!?こんな事が・・・?」)


(どうしたんだ?なにかあったか?)


(「おそらくですが、コッコ?は増やせます」)


・・・なんだって?


(「いままで卵を温めた事がなかっただけで、卵自体は有精卵です」)


(という事はつまり、)



今度産む卵は、温めれば(かえ)る!



コッコは話を聞いて、驚きのあまり産卵した

>『真実のカンテラ』 を [コッコ?] につかう


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『コカトリス・バトン』

種類:モンスター

説明:

 コッコにそっくりなモンスター



>『真実のカンテラ』はすべてをうつしだす・・・


詳細:

 元は『レッサーコカトリス』というモンスターが親子の探索者と出会って子供の存在にあこがれ、進化し尽くした姿

 最初は『コカトリス』に進化したが、子を得る事を求め続けた結果、石化ブレスを失い、体の巨大さを失い、お尻の蛇を失い、さまざまな物と引き換えに産卵の能力を得た


 今もお尻には蛇の形跡があり、その蛇が卵を有精卵にしている模様

 肉質はさっぱりしているが、そこそこの味

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