表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/44

今か未来かその先か

よし、今週も頑張りましょ~!

「ダンジョンにコッコが居るなんて・・・!」


普段の生活では肉類は早々口に出来ない

猟師が手に入れた肉を振る舞う事はあるが、滅多な事ではない

しかし卵を産まくなったコッコの肉を食べる機会はそこそこある


肉は塩を振って焼くだけで極上の御馳走だったし、しゃぶりつくした骨もスープにすると絶品だ

孤児で肉を食べられる機会なんて現状では絶対にない


「肉だ、肉だ!絶対に欲しいぞ!必ず手に入れてやる・・・!!」

(「なんかセリフが悪役チックですよ?」)

フリッツは首をかしげている


俺は最速で釣り竿を準備するとコッコの真上に近い扉を開いた

釣り上げる為に釣り糸を垂らす直前、クロッサがつぶやく


(「卵は手に入れないんですか?」)


何を言われたのかわからなかった


(「いやだから、卵を産ませて増やせば長期的にお肉が食べられるのでは?」)


長期的に肉を食べられる・・・?

そんな馬鹿な、お肉が毎日食べられるというのか!?

そんな生活、まるで貴族じゃないか!


(「ここから釣り上げると衰弱して産まなくなるかもしれません」)


あまりの発言に混乱したが、呼吸を整える


しかし、冷静に考えるとその通りだ

(にく)を手にすれば未来(たまご)はない


すぐに釣り上げるのは早計かもしれない

・・・どうやら俺は目の前の思わぬ幸運に目が曇っていたらしい


(ありがとうクロッサ、お陰で目が覚めたよ)

(「それはそれは、教育用AI冥利に尽きますね」)


一旦座って深呼吸を繰り返す

冷静に、冷静になれ、問題点を洗い出すんだ


卵を手に入れるにはどうすればいい?

その後の育成は?餌は?


そして、無視していたがなによりも一番の問題がある


(あれは、果たして本当にコッコなのか?)



ダンジョンにはモンスターしか存在しない、それが常識だ


ここ以外のダンジョンでは外の動物と見た目が似ているモンスターがいるという話は聞く

しかし、動物その物がいるとは聞いた事がない

似てはいるが、全く別物、違いは大体以下のようだ

 ・人に懐かず人を襲う

 ・ダンジョンの外では生きられない

 ・性別がない


もちろんこのダンジョンの話ではないので信憑性(しんぴょうせい)があるかは微妙だ

しかしもしそれが本当だとすると・・・


(「卵の確保は難しいかもしれませんね」)


「そうだな、卵を産むかも怪しいし、餌の問題もある」


(「餌は問題ありませんよ」)


「どういう事だ?まさかダンジョンキノコを与えるって話か?」


確かにダンジョンキノコは豊富にあるし、量だけみれば餌に向くだろう

しかし採取したそばから崩れる為、コッコの餌としては不向きじゃないだろうか?

大体コッコがキノコを食べるかも怪しい


(「いえ、下を見て下さい」)


(・・・見たが?)


(「コッコが生きていますね」)


(そうだな)


(「何故生きているんですか?」)


(・・・!そういう事か!)


このコッコを人間が世話しているとは考えにく

つまり、この部屋自体にコッコの餌となる物があるはずだ

この部屋で放し飼いにすれば、限度はあれど餌を自分で採ってくれるだろう


下手に手を出さずに放置するのが正解かもしれない


しかし、しかしならば、なぜこんなに少ないんだ?


ざっと見たが、このコッコは部屋に一羽だけだ

放し飼いで増えるならそんな事はないはずだ


・・・もしかして、これが最後の一羽なのか?

何かしらの外的な要因で、最後の一羽になってしまったのか?

であれば、すぐさま保護する必要がある


あのコッコがモンスターなら、俺の保護など受けず歯向かうだろう

そうなれば、俺も対処せざるを得ない


できれば、歯向かわずに大人しく言う事を聞いてくれたらいいのだが・・・





「なあ、フリッツ」



フリッツはこちらを見ている



「フリッツ、俺がお前を釣り上げた時だが」



フリッツはこちらを見ている




「お前はあの時、俺を殺そうとしていたか?」

>『真実のカンテラ』 がメタの輝きをはなつ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『真実のカンテラ』を使う先、募集中!


感想欄に対象を記入してくれたら、それに『真実のカンテラ』を使います

(思った以上に話が長引いて、ネタ切れや~)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ