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怒れる黒い羊

まにあう、見直しは土日で


2019/9/8 微修正(大筋に変更なし)

ゴブリンとの戦闘になったが、流石に足の速さでは負けない

無論俺が早いんじゃない、奴が遅いのだ


(「カノーさん、弱すぎじゃないですかねぇ」)


(うるさい!)


しばらく走って振り返ると、ゴブリンは見えなくなっていた


「それじゃフリッツ、よろしく頼む」


フリッツは俺の周りをくるくる回ると、前方に走り出した



・・・屋根裏への扉を開けてくれって意味だったんだが


「おいフリッツ!どうしたんだ!?」


とりあえずフリッツを追いかける

しばらくして、天井から布が垂れているのを見つけた

フリッツが屋根裏で待機している時の合図だ


(よかった、ひとまず屋根裏には戻れそうだ)


壁を登って屋根裏に戻る

フリッツと再会し、ナイフを手に入れる為にセーフエリアへ向かう事にした


「フリッツ、もしかしてお前は屋根裏への扉のロックを解除できないのか?」


フリッツは頷いている


そうか、フリッツはいつも屋根裏で待機してくれていたから気付かなかった

彼(彼女?)はロックの解除状態を維持しているだけで、直接的にロックを解除している訳ではないみたいだ


「じゃあフリッツはずっと扉の所で待機してくれていたのか・・・ありがとうな」


フリッツは嬉しそうに舞っている


「それじゃセーフエリアには入れるか?」


フリッツは首を縦に振った


「そうか、今夜は一緒に寝よう、寂しい思いをさせてごめんな」


ひとまずフリッツと一緒にナイフを回収して休憩した

奥の寝る部屋に行き、フリッツが先行するのを待つ

しばらくしてからセーフエリアの手前の通路に向かうと、いつもの場所に布が垂れている


(ここまでの距離があればロックは解除されるみたいだ)


(「ここのセキュリティはなかなか高度ですね」)


(お前のところではなかったのか?)


(「無線やナノマシンを使ってよいなら余裕ですが、ここはそんな感じじゃないですし」)


クロッサの出身地は未だに謎だらけだ

俺からしたらどっちも同じに感じるが・・・




モップ犬がいた部屋を超えて別の部屋にたどり着いた

これ見よがしにロープが垂れているが絶対に引かない、絶対にだ!


「ここも草原みたいだが・・・ありゃなんだ?」

(「巨大な・・・黒い毛玉?」)

フリッツは首をかしげている


前の草原とほぼ一緒の部屋だが、一つだけ違う箇所があった

カノーの身の丈を超える大きさの黒い毛玉が壁に激突していた

上からでは足すら見えない為、毛玉がガンガンと壁にぶつかっているようにしか見えない


「ほんとになんなんだ?モンスターだよな?」

(「私のデータベースにもこんな生物は・・・」)

フリッツは逆方向に首をかしげた


「ン゛メ゛エ゛ェ゛ェ゛!!」


「あ、羊だこれ」

(「羊ですね」)

フリッツは深くうなずいた


どうやら羊の巨大版のようだ

しかし、毛が多すぎて本体の大きさが把握できない


「あの毛、刈り取れたら布団ができるな」

(「羊毛100%の布団、ちょっとした高級品では?」)

フリッツは羊の鳴きまねをしようとしている(サイレント)


下に降りてあれに激突されたら致命傷だ

あの巨体では全体を釣り上げる事は困難だろう

なんとか安全圏から羊毛をとれないものか・・・


しかし、屋根裏からできる事は限られている

とりあえず釣り竿を準備して糸を足らす


(「あんな巨体、どうするんですか?」)


糸の先に羊が近づいてきた

先端のハエのモチーフが触れられるよう、揺らしていく


「こう、羊毛の端っこを捕まえて糸を紡ぐみたいに・・・」


(「そんなの無理に決まってるじゃないですか、いいですか、あれは」)


きたっ!ハエのモチーフが羊毛に触れた!

クロッサの事は無視しして糸を巻き上げる!


すると、ハエが掴んだところから羊毛が糸のようになって羊の体から飛び出してくる

羊は驚いたのか逃げようとするが、羊毛の糸は繋がったままだ

ハエのモチーフが屋根裏についてからは手で巻き取る


羊毛がどんどん太くなり、覗き穴からは取り出せない!

足で落ちないように踏みつけて床の取っ手を掴んで開ける

そこからもう一度釣り竿で続きを釣り上げて、それ以降は持久戦だ


(「え~・・・んなあほな」)




なんとか全ての羊毛を釣り上げる事ができた!

羊は二回り、いや三回りは小さくなってどこか機嫌がよさそうだ


これで今日からはふかふか布団で寝られるぞ!


「フィィッシュ・・・!」

>『真実のカンテラ』 を [黒い羊] につかう


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『リビディッシムズ・ブラックシープ』

種類:モンスター

説明:

 怒り狂った黒い羊

 強い



>『真実のカンテラ』はすべてをうつしだす・・・


詳細:

 元は『ストライク・シープ』という弱いモンスターだった

 毛を刈られる事なく長い年月を生きた結果、毛が増大

 日に日に重く、かゆくなる体にイライラは最上級に達し、黒く巨大化した


 体当たり一発で家が吹き飛ぶ

 毛を全て刈り取る事ができれば驚異的な脚力を持った羊になるが、やはり『ストライク・シープ』とは別物

 肉質はたんぱくでジンギスカンが最高

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