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「おうさま」


その子は廃れた建物の中で生まれた。


ボロボロのベッドに、隙間風の入る部屋。子を見つめる母親の困ったような顔が印象的だった。


「どうしたらいいのよ……、産みたかったわけじゃないわ」


どうやら母親は娼婦だったらしいね。望まない授かりだった。さて、望まれずに産まれてきたこの子はどういう風に育つんだろうね。


しばらく母親に嫌々育てられているその子を見ていると、いつの間にかその子は1人になっていた。泣いて母親を探すも、叫んで探すも、その子の前に母親は姿を表さなかった。


廃れた建物の間を憔悴しきった顔で歩くその子に、一人の男が声をかけた。


「おや、坊やどうしたんだい?」

「お母さんが見つからないのかい?」

「これは可哀想に。おじさんが温かいココアを入れてあげよう、おいで。」


暗闇の中に一縷の光を見つけたその子は男の後をついて行った。

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