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第12話 言うなればそう、尻尾の多い斑

はっはー!

入学直前なのに学校から出された課題が終わらないぜ!

やけくそで投稿じゃあー!

 晴れ渡る蒼穹に、何処までも続く草原。

 美しく鬱蒼としたイメージを持たせない森に、神秘的な山々。そして、何よりも雄大で神聖さを感じさせる白亜の城。

 さらに、美しき白馬や、天翔馬(ペガサス)などが、湖から水を飲み、小鳥たちは木々に留まり唄う。

 それはまるで、少年少女が夢見たモノそのものが飛び出しているようだった。


 ここはアカツキの創造した神話世界。

 一つの森と、二つの孤島。神話に語られた場所に棲んでいた神話の生物が生きる場所である。


「ようこそ、神話世界【アルカディア】へ。我々は貴女を歓迎します……なんてね」


 アカツキはMMORPGのチュートリアルにでも出てきそうな口調でソフィアに語った。


「何なの……これ…」


 ソフィアはただそれだけ口にした。

 いや、それしか出来なかったというのが正しいだろう。それだけ彼女は驚いている。だが、それでも15歳の乙女である。そこらの男よりも強いが乙女である。神話世界を見る目はとても輝いていた。



『主よ、客人か?』


 ソフィアが良い感じに驚いている時、不意に声がした。


「あぁ、そうだ」


 アカツキは声のした方を向き、肯定する。

 アカツキの向いた先には一匹の白狐がいた。ただ、その狐は普通では無かった。まず、巨大。体長は5メートルに届くのではないかというほどに大きい。そして、何よりも目を引くのが尻尾の数である。その数は実に16本。強力であることで知られる九尾の狐よりも多い。それが意味することはこの狐は半端無いということだ。


「ふむ……、(コン)

『なんでしょう』

「集落から有望そうな奴を連れてきて貰えるか、勿論女しか認めないからな」

『それは、あの娘と関係が?』

「ああ、そうだ。彼女の契約獣を探しててな」

『なんと…、主がそこまでされるような者なのですか』

「あぁ、婚約者って奴だな」

『おお!主の婚約者殿でしたか!そんな御方の契約獣を我が子らから』

「ああ。出来れば、《人化》もできるといい。あまりする機会はないと思うがな。それと、《縮小》もだ」

『なるほど……ならば、【天狐】に至っているものより選びましょう。……そうですな、葛葉(クズハ)が適任でしょう』


 魂と呼ばれた白狐はアカツキの要望に合うモノを勧める。

 そして、説明を加えると【天狐】とは1000年以上生きた四尾の狐のことである。この天狐は妖狐の中でも上位の階級であるのだ。


「葛葉か」

『はい。奴ならスキルも充実しており、何より【神通力】の扱いにも長けております』


 この世界での【神通力】とは魔力であり、気であり、どちらとも違うという曖昧な枠組みにある力のことだ。この世界には気というものは存在しないが一番近いもので表そうとするとこの曖昧な表現が一番近い。細かい部分の説明は省くが、【神通力】とは魔力の良いところと気の良いところを足したようなものである。【神に通じる力】と記されるとおり、兎に角強い力だ。実際、神々の【神力】の下位互換のようなもので、使えれば自然治癒力なども上昇する。また、一応六通と呼ばれる【神足通】なども使用できる。そして、魂や葛葉らの妖狐系の神獣は【神通力】の使用に長けているのだ。


「ふわぁあ……」

「ソフィアさーん、こっちに戻ってきてくださーい。従魔候補が見付かりましたよー」

「本当!?」

「反応はやっ!?」


 未だ神話世界の風景を見て、目を輝かせているソフィアにアカツキが告げる。


「と、そんなことより。従魔候補が見付かりましたよ」

「どこ?どこにいるの?」

「もうすぐ来ますよ」


『あ・る・じ・さ・まぁぁぁぁ!!!!』


 アカツキがソフィアの疑問に答えるとそんな声が聞こえ、次の瞬間には二人の目の前に体長2メートル程の四尾の白狐が居た。



神通力云々は作者の妄想です。

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