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第1話 生徒会へ1

はい、章タイトルから分かる通り、戦います!

作者が勝手に決めたイメージソングは某英雄譚のオープニングソング。酒井ミキオ氏の『アイデンティティ』です!


「おい!アカツキ!帰ろうとすんじゃねえ。お前、ちょっと来い」


 アキムの引退試合(人生からの)の翌日。担任であるシリウスがちゃんと学園に来ていたアカツキを呼び止めた。


「なんですか?」

「なんですか?じゃねえ!お前昨日生徒会行かなかっただろ?今日は行け」


 前日に王子をぶっ殺したアカツキにシリウスは怯えることもなく、今まで通りの到底教師とは思えない口調で話した。アカツキからしたらそれは異常であり、思わず聞いてしまうのは当然だった。


「今日はって。俺は昨日王子をぶち殺したんですが?そんな俺が生徒会に行くなんて有り得ないでしょ。それに何で俺に怯えないんですか?」


 人は自らの理解の及ばないものを、自らより強いものを、未知のものを恐れる。その対象が世界を救った英雄でさえそうだ。そして、その対象はそれらによって団結した者達によって隔離、排除される。

 それは地球で嘗てクラスの中心に居たアカツキも経験した。友人を助ける為に行ったことによって。


「なんの事だ?あれは強盗未遂犯を陛下の前で処断しただけだ。それに、怯える。お前に?アホか。逆だ、逆。あのドラゴン達には年甲斐もなく興奮しちまった。不謹慎だがな。

 それに誰を殺そうがお前は俺の生徒だ。その程度でその事実は変わらん」

「なんで、この人教師なんてやってんだ?完全に近所のおっちゃんのノリじゃねぇか」

「聞こえてんぞ。兎に角お前が生徒会に入るのは確定してんだ。さっさと行け」

「嫌や」

「行け」

「嫌や」


 こんなやり取りが三分ほど続いた頃。


「アカツキ君は居るかしら?」


 そんな言葉が扉の方から聞こえた。そこに居たのは金髪に薄い翠の目の美女。4年生にして生徒会長を務めるソフィアだ。お久しぶりの登場である。


「ああ、アカツキなら彼処に……って居ねぇ!?お前ら、アイツ何処に行った?」


 シリウスがソフィアの問いに答えるが既にアカツキはその場から居なくなっていた。


「アカツキさんなら窓から飛んでいきました」


 そんなシリウスにアリサは冷静に答えるのだった。



 一方その頃のアカツキはというと、学園内の芝生に寝転がっていた。前世……つまり地球での生活。生徒会役員だった時のことを思い出していた。あの過剰なスキンシップを受けていたことを。アカツキは彼女に何回性別が違えば犯罪と言っただろうか。

 しかし、それも今となっては良い思い出である。





 二時間後


「見つけましたよ、アカツキ君。さあ、生徒会へ行きますよって寝てますね」

「すぅ」


 ソフィアは芝生の上で寝ているアカツキを見つけた。そのアカツキの寝顔はとても幸せそうだ。

 ソフィアはそんなアカツキの頬を優しくつつくが、アカツキは全く起きる気配がない。


「……誰も見てませんね?」


 そう呟いた彼女は寝ているアカツキの近くに座ると彼を膝枕した。


「こうしていると……とても悪魔を倒す様には見えませんね」


 これだけは言わせてもらおう。

 なぜ、膝枕したのだ。





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