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閑話 地球での一幕・大智
八月某日。
この日も例の如く、気温は30度を超えていた。その暑さは【夏休みの宿題】という敵と戦う【学生】達のやる気をゴリゴリ削っていた。
そして、ここにも一人。友人宅で勉強合宿を行っている男がいた。
「あー、あちぃよぉー」
河東大智。高校入学前にこちらに引っ越してきた男だ。
この大智がいるのは結城邸。つまり、暁の家だ。
「うるせぇぞー、大智ぃ。
こちとら無駄にミレニアム懸賞問題解いてんだからなぁ」
「じゃあ、やらなきゃいいだろぉ」
「あと、一分で全部終わるんだよ」
「なら良いじゃねぇか。
暁ぃ、ここ教えてくれぇ」
「あぁん?そこはあれだ、あれ!アレクサンドロス三世だ」
「あー?あの受肉したい人かぁ?」
「あながち間違ってないな。」
暁の部屋。そこでは一人が魔王と戦い、もう一人が無駄な事をしていた。
「よし、終了。
ところで大智、飯何食う?」
「新鮮トマトの冷製パスタ」
「OK、激辛ラーメンな」
「ちげぇよ!?」
「冗談だ。」
馬鹿なやり取りをしながら時間は過ぎていく。




