第27話 宝剣VS光剣
翌日
「よく寝た。………学校行こ」
アカツキは王城で目覚めると、学園に行く準備をした。まあ、魔法で体を洗い、制服を着ただけなのだが。勿論、ライトセーバーとキチM9も持っている。
学園
「やっぱ、寝るよな」
今日のアカツキの受ける授業は剣術、魔法、歴史、数学だ。だが、アカツキは実技の時間も寝るつもりでいる。どの様にするのか気になる。それと、授業は一時限90分だ。
そして、一時限目 剣術の時間がやって来た。
「よし、お前ら!自分の剣は持ってきたな!此からペアを作って模擬戦をしろ!この中では死ぬことも無いし、怪我もすぐに治るから存分に切り会え!」
「「「はい!」」」
「へいほー」
実技の教師シリウス(担任)が言うと、三人が力強く返事をし、一人がやる気無く返事する。勿論、やる気が無いのがアカツキだ。因にエリカは欠席している。余程、アカツキの正体を知って堪えたのだろう。
「(ライトセーバー使えるかな?)」
「ユウキ、俺とヤれ」
アカツキが心の中で考えていると、王子様が声を掛けた。しかし。その言い方はあまりにも上から目線で、そして
「悪いが俺はホモじゃない」
「やらないか?」みたいな風に聞こえた。
以下、括弧()内アカツキの空耳
「な、そんな事は言っていない!俺は模擬戦をやらないかと言ったんだ!(その通りだ!俺はノンケだって構わないでくうからヤらないか?)」
「うわぁ」
「ほら、早くやるぞ!(ほら、はやく中に出せ!)」
「………うわぁ」
「早くしろ!」
「へいへい」
空耳タイム終了
「お、アキムとアカツキか。………アカツキ、その筒みたいのは何だ?」
シリウスはアカツキの持つライトセーバーを見るとアカツキに質問した。まあ、分かる訳が無いから当たり前か。
「ん?これ?此はあれだ。柄だ、柄。んで、そこの王子様。その完全にこんな所で使う様な物じゃない剣でやるのか?」
アカツキはシリウスの質問に答えるとアキムの持つ剣を見て言った。アキムの持つ剣は繊細な彫刻が施され、刀身はミスリルとオリハルコンの合金そしてバハムートの角で、鍔の装飾に魔石が使われた一種の宝剣だった。しかし、その剣は磨かれているにも関わらず何故か曇って見えた。
「構わないだろう。国宝『聖剣ディバインバハムート』だ」
アキムはドヤ顔でそう言った。アカツキは内心で「名前クソダセェww」とか思っていたが、言わなかった。アカツキはそんな事を言うほど子供では無いのだ。
「なら、俺もコレの名前を言った方がいいかな」
アカツキはライトセーバーの柄を振りながらいった。だが、その前に一つ。それに名前付けてたのか。
「神器『神光剣クラウ・ソラス』。ある一柱の神が創った武器だ」
まあ、うん。アキムの武器よりはネーミングセンス良いね。でも、クラウ・ソラスか。アイルランド語で光の剣だからか。
そして、アカツキの紹介を聞いたアキムは口をパクパクさせていた。それもそうだろう。神器と呼ばれる物は存在を知られてはいれど、実際に見た者は居らず、もし有ればそれは各国が何をしてでも手に入れようとするものなのだから。
そして、今まで天才と呼ばれ、かなりの自尊心を持っているアキムがそれを手に入れようとするのは当然の事だった。
「それはお前の様な者が持つものではない。俺に渡せ」
「嫌なこった。欲しければ奪ってみろ。
それとな、その武器が壊れて欲しくなきゃやりあうのはやめろ。もし、続けるのであればそれが壊れても俺には関係ない」
「ふん、まぐれで勝った程度の分際で。いいだろう。やってやる」
「そうか」
こうして、結果の決まっている模擬戦は始まる。
「アルーン王国第一王子、Bランク冒険者アキム・スル・フォン・アルーン」
「え、そういうのやるの?
じゃあ、俺もやるか。
結城真流極伝及び次期当主 結城 暁。
あと、ちょっとしたノリで、
『俺の最強を〇って、お〇の最強を叩き潰す』」
アカツキが何処かの〇鉄さんの様な(ほぼ同じ)事を言っているが。
「開始!」
「うおおおお」
シリウスの号令と共にアキムが剣を上段に構えて突撃する。
対するアカツキは未だに刀身を出していなかった。
「遅いな」
「うおおお!」
「遅すぎ」
「せいっ!」
「だから、遅いって」
「な、何だとっ!?」
アカツキは呟きながらアキムの剣の腹に触れ、暖簾をくぐる様にして避ける。普通なら出来ない。
「遅いなぁ。『掃〇刀』的な奴は使えねえのか?一〇修羅でも良いぞ?一刀〇刹でもいいな」
「な、何を!ハァ!」
アカツキは剣を避けながらアキムにアドバイスをするが、言っている事が異世界の事なので、アキムはまったく理解できない。
「本気でいくぞ!『風よ!我は汝を纏い 疾風と化す!《風纏》』」
アキムが詠唱をして、風属性魔法を使用する。使用したのは風を纏い、移動速度を揚げる魔法だ。しかし、それでも
「何故だ!何故当たらない!」
「んー?遅いから?それに魔法の効率も悪いし」
アカツキを捉える事は全く出来ない。
そして、飽きてきたアカツキは遂にライトセーバー改め神光剣クラウ・ソラスを起動する。
ブゥン!
「さて、着いてこいよ?」
シュン!ブゥnザクッ!シュンザンッ!ブゥン!ザクッジュワ!
「おい、どうした?遅いぞ?これならまだベ〇ダーの方が速いかも知れないぞ?」
アカツキは消えたかの様に錯覚するほどの速さで動き、ライトセーバーでアキムを切りつける。
アキムはスピードにまるで着いていけず、ただ切られ続けている。
そして、
「いい剣士に使われない剣ほど、哀しい物はない。
せめて、最後は敬意を払って終わらせてやるよ」
ジュウ!カランカラン
アキムの手に握られていた聖剣は根元から斬られ、地面に落ちた。そして剣に先程の曇りは無くなっていた。
アカツキの言う『いい剣士』とは剣を大切に扱う剣士の事です。




