第20話 クラス2
「ん?なんじゃこりゃ」
入ってきた教師はエリカを見ると言った。因みにエリカは気絶している。
「まあ、取り敢えず席に着け。そこで伸びてる奴は邪魔だから端に転がしとけ」
しかし、教師はその状況をスルーし、アカツキ達に指示を出してきた。一国の王子や姫がいるのにズバズバと言える良い教師の様に思える。
アカツキは教師に言われた通りエリカを魔法で教室の隅に転がした。アキム、アリサ、イリーナはその間に席に座っていた。
教師はそれを見ると教卓へ手荷物を置き、口を開いた。
「えー、まあ最初は自己紹介からだな。
俺が1年ミスリルクラスの担任になったシリウス・ヴェルガードだ。主に実技と戦闘理論を教える。まあ、戦闘理論と言ってもどう動けとかそんな物だがな。
シリウスお兄ちゃんって呼んでくれ。
………………………冗談だ。
それで、俺はお前らを知っているが一応自己紹介をしろ。特技とかな。冒険者ランクも言うこと。登録していたらな。その後に色々説明する。
先ずはアキムから」
シリウスは手早く自己紹介をするとアカツキ達に自己紹介をさせた。
「俺はアキム・スル・フォン・アルーン。特技は剣術。基本魔法適性は火、風、土、光だ。冒険者ランクはB。宜しく頼む」
「次はイリーナ」
「イリーナ・ミル・エル・ダオルークです。特技と言うほどでは無いですが魔法が得意です。適性は水、氷、風、雷です。冒険者ランクはまだありません。宜しくお願いします」
「次はアリサ」
「アリサ・フラン・フォン・アルーンです。特技は魔法です。適性は火、水、氷、雷、光です。他に回復魔法も使えます。冒険者ランクはお兄様と同じでBです。宜しくお願いします」
「次、アカツキ」
「アカツキ・ユウキ。特技は刀術と体術その他と魔法とモンスターの殺戮。適性は全属性。他にも色々。冒険者ランクはちょっと言える物じゃない」
「良し。全員終わったな」
「先生」
アカツキも自己紹介をし、シリウスも終わりと宣言し、次の話へ進むと思われたがアキムが手を上げた。
「なんだ?」
「ユウキは冒険者ランクを申告していませんが」
「ああ、それは例外だ」
「例外?この学園では全ての者が平等に学び、知ることが出来るはずですよね?ユウキが言わなくていいのは可笑しいんじゃないですか?」
「アキム、社会では触れてはいけないものがあるんだ」
「それでも……」
「あー、はいはい。要するにランクを言え。言わなくていいなんて差別だろって言いたいんだな」
アキムがシリウスを問い詰めているとアカツキが言った。
「そうだ…」
「あのな、俺が冒険者ランクを教えないのは『言わないでいい』からじゃなくて『言えない』からだ。まあ、言いたくないのも含まれるが。俺がランクを言うと『寄生』する奴がいるかも知れないしな。その上いろいろ機密だし」
「お前は何を……」
「別に言ってもいいぞ?その代わりギルドにアルーン王国の王子に『無理矢理ランクを教えさせられた』って報告するが」
「そんな事はしていな……」
「だったら訊くな」
「あの、何故寄生をする者がいると?」
アカツキがアキムに言っているとアリサがアカツキに話し掛けた。
アカツキはその問いを聞くと簡潔にアリサに答えた。
「俺のランクが高いから」
「せいぜいAランクだろ(ボソッ」
「まあ、さっきはあんな風に言ったが教えてもいいかな?とは思ってもいる。Aランク如きと一緒にはされたく無いしな」
「まあ、それくらいにしろ。次の話ができねぇ」
シリウスがアカツキの話を止めた。そして話を進めた。
「まあ、アカツキのランクは置いといてだ。討伐点数とかの話をするぞ。先ず討伐点数だが、ギルドの討伐依頼をこなしても依頼を受けずにやっても構わない。討伐依頼を使った方が点数は多いけどな。次にギルド依頼だが此方も一定数こなしてもらう。長期休暇の時だけな。
次に依頼の受け方だが、ギルドに直接出向いても学園支部で受けてもかまわない。
次に今までの事すべてに共通する話題だが、お前ら1年のミスリルクラスは4年のミスリルクラスの生徒、同じ成績順位のやつと組んでもらう。もしソイツらがパーティをくんでいたらそこに加わる様に。
後は、学園内団体の事だな。生徒会とかの。あれは入りたい奴を見付けたら申請してくれ。一部を除いて簡単に入れるから。
以上だ。何か質問は?
無さそうだな。今日はこれで終わりだ。寮に帰ってよし。
それとアカツキ、お前は生徒会に強制参加だからな」
話を終えたシリウスはアカツキが再起不能になるほどの攻撃を浴びせると教室から出ていった。
教室には未だに気絶しているエリカとノーマルの3人、そして燃え尽きたアカツキが残っていた。
アカツキは生徒会に入ります。
アカツキ「生徒会とかマジ無理。大智俺と変わってぇぇ」




