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第18話 入学式

 駄王シグリットの襲来から数ヶ月。日本なら桜の舞う季節となった。アカツキにはそんな季節が物凄く憂鬱だった。その理由は………そう、学校である。遂に王立レディアント学園に入学する日が来たのだ。アカツキは現在自宅では無く、王都の高級宿に宿泊している。その理由は何時かの駄王が言っていた通りである。え?宿泊費はどうしているのかって?勿論アカツキが説得きょうはくしてシグリットに出させている。アカツキは入学式に行くため制服(魔改造済)―ブレザー(黒、刺繍(アカツキのみ)黒シャツ(アカツキのみ)黒ネクタイ(アカツキのみ)―を前世スタイル(シャツ出し、腕捲り等楽な感じに)で着ていた。因みに制服は原型を留めていればある程度の改造は許されているが、学園では必ず制服を着用しなければならない。アカツキはちょっと刺繍したりした。ブレザーの色とシャツ(同型のみ)とネクタイは自由に変えられる。アカツキは呟く


「大智よ………俺は異世界でも学校に行くらしい。しかもアレをやらされるらしいぞ。……これが盗賊その他を殺してきた報いなのか?」


 と。兎に角アカツキは入学式が面倒だった。その理由は新入生代表挨拶だ。アカツキは首席入学者のため、これを行うことになっている。また、アカツキの黒歴史(?)でもあった。前世でも新入生代表挨拶を行ったのだがその後、その容姿のせいでかなり告白(新入生、在校生問わず。さらには教師にまで)され続けた。しかもホモぉな方もいてノーマルのアカツキはかなり恐怖した。アカツキの父親もそれを聞いて1日家に引き込もっていた。何か心当たりが有ったらしい。兎に角、アカツキは何故か女性の扱いはなれており事なきを得たがそれ以来新入生代表挨拶が恐怖の象徴になってしまった。今回は何も無いことを祈るばかりである。


 作者「爆ぜろモテ男!神の如き力(執筆)で……バキっ!(何かに攻撃された音)…グハァ!!お、おのれ。ここで終わってなるものか………。せめてアカツキを………モテモテにして…………疲れさせて……や……る。…ガクッ(力尽きた音)」


 閑話休題それはさておき


 アカツキは宿から出ると光属性魔法《光学迷彩ステルス》を使い、学園にテレポートした。



 ガヤガヤガヤガヤ

 ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ


 学園は入学式のためかなり人がいた。そんな中でもアカツキは目立っていた。その容姿と服装のせいで。一部の貴族(主に優秀な武官)はアカツキを見るとその強さを感じていた。また、他の貴族はアカツキの着こなしを野蛮だなんだと思いながらもアカツキの制服の刺繍を食い入るように 見つめていた。女性はアカツキに熱い視線を送っていた。アカツキはそんは中を悠々とあるき受付に向かった。

 受付でクラスカード貰うのだ。クラスカードとは所属するクラスと名前、選択した科目と出席数とその科目における点数、所属している学園内の団体、討伐点数が表示されるカードだ。要するに学生証である。また、毎年度末に成績上位者は普通は白のカードが黒になる。そして、点数とは冒険者ギルドの討伐記録のような物である。生徒は全員冒険者ギルドに登録するため、討伐したモンスターに応じて点数が入り、一定数を越えると次の学年への進級資格を取得できる。まあ、取得しても進級できるのは次の年度だが。


 受付に着いたアカツキは唯一人が居なかったオッサンの所に行った。


「すいません、受験番号256アカツキ・ユウキです。クラスカードを受け取りに来ました」

「あ?ああ、クラスカードか。ちょっと待ってろ、取ってくるから」

「はい」

 余談だがオッサンの声が大〇明夫さんに似ていた。というより同じだった。


 1分後

「待たせたな!」

「その台詞をその声で言ったらアカーン!」

「どうした!?」

「いえ、取り乱しました。それでクラスカードは?(あー、メタ〇ギ〇T〇P全クリしたかったなー)」

「ああ、これだ。お前さん首席だったのか。ほれ、これだ。説明はいるか?」


 アカツキが渡されたのは黒字に縁を銀で装飾されたカードだった。このカードは首席のみが持つカードだ。


「ギルドで討伐依頼をやる時に持っていけばいいんだよな?」

「そうだ。ちゃんとリンクさせろよ」

「リンクって?」

「あれ?知らんのか。クラスカードとギルドカードを重ねてクラスカードに血を落とすか両手で持って魔力を同時に流すとできるぞ。というかそれをやらなきゃだめだ」

「分かった。後でやっとく」

「じゃあな」

「ありがとう。リンクの件助かった」

「いいから行けよ。首席入学者」

「じゃあな!」


 アカツキはオッサンから離れていった。オッサン――ソーリスはそれを見送り呟いた。


「久しぶりにマトモな奴だったな」




 アカツキは会場に着いた。中に入るにはクラスカードを係員に見せる必要が有るようだ。かなりの人数がいるのだがそれでも入るのに行列ができていた。貴族と思われる者もその行列に極自然に並んでいるのだがそんな中でもやはり馬鹿な奴はいるもので………


「どけ!」

「きゃあ!」


 茶髪の貴族と思われる男子と取り巻きが金髪碧眼の少女を押し退けて列に割り込んだ。そして、その男子は少女を見ると


「お前、なかなか良いな。俺の女にしてやる」


 ふざけた事を抜かしながら少女の年相応の胸に手を伸ばした。


「え?きゃあ、止めて下さい!」


 少女はその手を叩いた。


「テメェ!」

「カスメ君が誰だかわかってんのか!!」

「カスメ君が女にしてやるって言ってるんだからおとなしくしろ!」

「よし!お前らそいつ押さえてろよ。今から美味しくいただくからな」

「……ひっ」


 しかし、取り巻きに腕を取られてしまった。


「はあ、またあの馬鹿ゴルミか」


 アカツキはその様子を見て、カスメを鑑定し、呟いた。そして、カスメの名前はカスメ・エル・ゴルミ。あの馬鹿貴族の次男だった。


「はあ、止めるか」


 アカツキはカスメの方に歩いていった。そんなアカツキに気付かないカスメは下にテントを張りながら荒い息をしていた。


「なあ、アイツって」

「え?誰だよ」

「あの黒い制服来てる奴」

「ああ、アイツか。アイツがどうした?」

「アイツ、首席合格の奴じゃないか?」


 アカツキがカスメに向かっている途中で野次馬から声が上がる。そんな中アカツキはカスメと取り巻きの前に立つと一言放った。


「おい、盛りのついたオーク共。嫌がってるんだから止めろよ。」

「あ?誰だテメェ!誰がオークだ!俺が誰だかわかって言ってんのか!親父に言ってやろうか?」

「知るか!だいたい、嫌がってる女を犯そうとするとかやってる事がオークと同じだろ!それにそのきつい体臭。いくら香水を使ったってその臭さは誤魔化せ無いぞ?さらにぃ、そんな小指くらいのナニで何するんだよ!娼館の娼婦ですら拒否するクラスの大きさだぞ。きっと「キァー、ちっちゃーい!指輪に入るんじゃなーい」とか言われるだろうな。まだ、5歳の子供の方がでかいぞ。まあ、何が言いたいかというと、『ナニの小さい臭い強姦魔のオークは、何をしても女は振り向かず童貞のままだからその子から離れろ!』って事だ。わかったか?」

「テメェ!ぶっ殺されてぇのか!『火よ 我が敵を 焼く球となれ 《火球ファイヤーボール》』!」

「《消去デリート》。あれ?分からないの?あんな簡単に教えてあげたのに?まさか頭までオーク並みだとは思わなかった。でもなんでこんな奴がここに居るんだ?

 おーい!学園長!ここにモンスター並みの低知能がいるぞー!w」

「ふざけっ!お前らやっちまえ!」


「死ねっ」「くらえっ」

「嫌だよ」スッ(足をだす音。

「「ぐえっ」」


「アレぇ、どうしたの~?なんでこんな所で寝てるのかなぁ?」


 アカツキは取り巻きの攻撃をかわすと転けた取り巻きの頭を持った。


「俺を殺すんだろ?殺ってみろよ!あ"ぁ?おい、どうした!?殺ってみろよ!ホラホラ」


 アカツキは殺気を取り巻きのみ当てながら言う。取り巻きは顔面蒼白になりながら必死に「ごめんなさい」と言い続けた。


「《火球ファイヤーボール》!」

「煩いな!《反射リフレクション》」

「はっ!?ウワァァァァァ!!!」


「《水球ウォーターボール》。何事ですか?それにそこの醜い男は何を?」


 カスメがアカツキに攻撃をしてきたがアカツキは一方〇行(ア〇セ〇レータ)のように攻撃を反射させた。しかしカスメに当たる直前で何者かの魔法によって火球が消されてしまった。


「だ、誰だテメェ!なかなか良い女だな。さっきの発言は忘れてやるから俺の女になれ」

「黙れオーク。さっきの忠告忘れたのか?まあ、兎に角アンタは?」

「私は生徒会長のソフィア・エル・セレンソンです。宜しくお願いします、アカツキ君」

「ん?俺の名前を」

「ええ、まあ。首席合格者ですからね。ユウキ大公爵。そして何故叙爵されたのか経歴が隠された英雄さん」

「それは……言わないで貰えるか?」

「いえ、これはもう陛下の仰ったあまりにもアレな事例ですのでもうバラしてしまいました。学園内に巣食う虫も排除しましたから」

「なるほど」

「それでソコの(オーk)…こほん。ゴルミ君は退学です」

「な、なんでだ!だったらコイツもだろ!このビッチ!」

「理由を教えましょうか。1つ目、学園内での強姦未遂。2つ目、王族に属する大公爵への攻撃および殺害未遂。3つ目、公爵家令嬢への貶めるような発言。4つ目、裏口入学。これでも不服ですか?」

「俺は大公爵なんて奴に攻撃はしてないし、公爵家令嬢になんて何もいってねぇだろうが!このクソビッチ!お前がコイツを庇ってるのはどうせコイツがお前に体を売ったからだろ!」


 火球を消したのはソフィアだった。彼女はアカツキの立場を暴露した。しかしカスメは自分の優位を信じて疑わず暴言を吐き続けた。


「はあ、あなたは何を聞いていたのですか?まず、このアカツキ君は先日『大公爵』に叙され、王族に属しています。そして、私はセレンソン公爵家令嬢です。これで分かりましたか?」

「それがどうした!」

「無駄ですよ。会長さん」

「その様ですね。この人を連れて行きなさい」


 カスメはソフィアに丁寧に説明されても分からなかったようだ。アカツキが無駄だということをソフィアはカスメを騎士につれていかせた。因みにカスメは言っている事がおかしかったが精神支配などにかかっていたわけではない。


 この後、アカツキが、騒がせた事を謝りその場は収まった。その後、入学式も問題無く終った。

 新入生代表挨拶も普通に終わったと言っておこう。







ソフィアはアカツキが大公爵ということ以外知りません。あの叙勲式の時にいた人は全員解除不能の契約を掛けられているためアカツキの事を誰にも何にも教えられません。独り言ですら言えません。念話や読心術でも無理です。恐ろしい程情報が隠されてますね♪

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