第1話 転生
(誰だ、この爺さん)
俺が意識を失ってからどのくらい、時間が経ったのかは分からないが目覚めた俺は、知らない爺さんに見つめられていた。
(マジで、誰だこの爺さん)
『儂か、儂はお前の親代わりじゃよ』
(心の声に答えられた!?しかも、口が動いて無いのに声が聞こえるんだけど!?)
『【真眼】の効果により、特殊スキル【完全習得】を習得しました。
【完全把握】の効果で、使用されたスキルを把握しました。【完全習得】の効果により、特殊スキル【読心術】、【念話】を習得しました。』
(なんだ、今の。スキルを習得?じゃあ、念話とかできるようになったのか?とりあえずやってみるか)
『爺さん、聞こえる?』
『聞こえとるぞ』
『そうか』
どうやら、念話のやり方はあっていたようだ。やり方は頭の中にスッと入ってきた。おそらく、【完全把握】の効果だろう。
でも、今はそれより先に現状の確認をしないとダメだな。とりあえずこの爺さんにいろいろ訊くとしよう。
『爺さん、さっき言ってた俺の親代わりってどういう事だ?あんたが、あの女が言ってた知り合いか?』
『そうじゃよ。儂がお前さんを育てるのじゃ。それと、儂のことについてユノから何か聞いておるか?』
『ユノ?』
『お前さんの会った女の名前じゃよ』
『知り合いって事以外は何も聞いてないな』
『そうか、じゃあ自己紹介からするかの。
儂はアルフレッド・アルファじゃ。そして、先代の[存在]じゃ』
『先代?あんたが?』
『そうじゃよ』
『何で先代が此処に居るんだよ』
『儂は継承者に、色々教える事にしておるからの~。それと、お前さんがある程度成長したら、儂という存在は、消える事になっておる。短い間じゃがよろしくのぅ、アカツキ』
『あ、ああ。よろしく』
どうやら、俺は先代にいろいろ教わる事になるらしい。