第9話 前兆の予感
俺がタルカに来てから2ヶ月が過ぎた。
そして今日も冒険者ギルドでクエストを受けようとしていた。
「アカツキさん、支部長が呼んでいるので来ていただけますか?」
「わかりました」
支部長が呼んでいる?何か用があるのか?そんな事を考えているうちに支部長室についていた。
「支部長、アカツキさんをお連れしました」
「入ってくれ」
「失礼します」
中に入ると辺境伯と支部長がいた。何か嫌な予感がする。
「座ってくれ」
「はい」
「早速本題に入らせてもらう。内容はSランクへの昇格だ。この2ヶ月でクエスト完遂数100件、しかもその他にSランクモンスター討伐数17体だ。どういうことかわかるか?」
「いえ」
「はっきり言って異常だ。ソロでSランクを17体も殺る何てのは。まぁそこは置いておくとして、やってることがSランクの度すら越えてるってことで昇格させる。本当はSSでもいいと思うんだけどな。わかったか?」
「わかりました」
「じゃあ、プレートを貸してくれ。S~SSランク用のミスリルプレートに変えるから」
「わかった」
「さて次の話だ。さっきもいった通り異常だ」
「何が?」
「モンスターだ。少なくともSランクのモンスターが17体も確認された。おかしいと思わないか?」
「おかしい?何が?」
「いいかい、アカツキ君ここがいくら辺境でもSランクモンスターがホイホイいるわけじゃ無いんだ」
「そうなんですか」
「いままで、Sランクモンスターが複数……2体程度だが表れたのは15年前の大侵攻の時だけだ」
「大侵攻?」
「モンスターが大群で攻めてくる事だよ」
「それでまた、大侵攻が起こるかも知れないと?」
「そうだ。でもそれでもおかしいんだ。この規模は?前例があるとすれば1400年前だけだ」
「1400年前?」
「知らないのか?魔神が魔人族と悪魔、モンスターを率いて他種族に侵略を開始したのを」
「知らないな。それでどうなったんですか?」
「魔神は当時の勇者によって封印された。そしてその侵略の中に高ランクモンスターを多く有したものがあったんだ。それが今回に酷似している」
「つまり…………」
「魔神が復活するかも知れないってことだ」
凄い事を聞いてしまった。でも、これって俺が聞いてよかったのか?
「更に国王陛下が近日タルカにいらっしゃる」
「は?なんだって?」
「陛下がここにくる」
「それで?」
「警備を厳重にしないといけない」
「それで?」
「もし大侵攻が来たら頼む」
「わかった」
「失礼します。プレートが完成しました」
俺はプレートを受け取り、ギルドを後にした。
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アカツキ・ユウキ
Sex:M
Age:10
rank:S
討伐モンスター:
火竜 S
炎狼 S
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「イケニエ……ニンゲン、魔神様ノタメニ……」




