第2話 旅路と出会い2
「は、はい。大丈夫ですっ」
「そうか。良かった」
何か顔が赤いな。大丈夫か?
「あ、あの助けてくれてありがとうございました。私は、リリー・エル・シェルベンといいます。リリーと呼んでください。お名前を教えてもらえませんか?」
「ん?ああ、俺はアカツキだ。アカツキ・ユウキ。アカツキって呼んでくれ。よろしく」
「よろしくお願いします」
リリーか、俺の予想が正しければこの娘は、多分貴族だろう。
あ、執事の服着た人が来た。
「お嬢様、よろしいでしょうか?」
「アカツキさん、少し待っていて下さい」
「ああ」
「爺や、何かあったの?」
「はい。亡くなった方達を弔ってさしあげたいのですが………」
「そういう事ね、でも……魔力がもう無いの」
「そうでごさいますか」
「ポーションはある?」
「いえ」
「そう」
弔いをしたいが、魔法を使えずできないって事か。俺がやってもいいんだがな。訊いてみるか。
「なぁ、弔いってどうやってやるんだ?」
「………アカツキさん。弔いは、弔いの言葉を述べて清めてから、埋葬します。でも……こういう場合は、燃やします。貴族は光属性と火属性の合成魔法を使って行います」
「神聖魔法は使わないのか?」
「神聖魔法を使えるのは神国の聖女と王都ハーブルクにいる聖女だけですから」
「そうか。それと、こいつらの弔いだけど俺がやっても問題ないか?」
「はい。お願いいてもいいですか?」
「任せろ」
遺体を1ヶ所に集めた。
「汝らに、癒しの光と温もりを、そして安らぎを与えん《安らぎの炎―フレイムオブピース―》」
神聖魔法と火属性魔法の合成魔法《安らぎの炎》。俺は、最後まで戦っていた騎士達に敬意を表す為にこの魔法を使った。それも詠唱をして。
「これは………」
「終わったよ」
「は、はい。ありがとうございます」
「どういたしまして」
さて、俺ももう行くとするか。
「それじゃ、俺は行くから」
「あ、待って下さい」
「何?」
「あの、どこに行くのですか?」
「タルカに」
「でしたら、一緒に行きませんか?」
「別にいいけど………」
「じゃあ、爺やに言ってきますね」
リリーはそう言って執事のところに向かった。というか、歩いて行くのか?
「爺や、アカツキさんが………」
「それは頼もしいですな。それとお嬢様、先程の戦闘で、馬車も壊れ馬も死んでしまいました。ここからは徒歩となってしまいます」
「わかってるわ。もう出発できる?」
「はい、可能です」
「それじゃあ、アカツキさんに伝えてくるわ」
馬も馬車も無いか。あの怪我人には辛いだろうな。俺が見た先には先程の戦闘で、足が折れたりしている騎士達がいた。
これはあれを出すしかないかな。
「アカツキさん!」
「どうした」
「もうすぐ出発することになりました」
「分かった。それと提案なんだけど……俺の造ったマジックアイテムを使ってもいいかな?」
「?いいですけど、どんな物ですか?」
「秘密」
そして15分後、俺達は出発することになった。
「じゃあ、マジックアイテムを出すから、離れて下さい」
俺はアイテムボックスから《魔力式四輪駆動車》を取り出した。大きさは、ワンボックスカーの2回りほど大きくした程で軍用車の様な形をしていた。
「アカツキさん、これは何ですか?」
「これ?これは《魔力式四輪駆動車》っていうマジックアイテムだよ。まぁ、とりあえずのってよ」
全員が乗ったことを確認し、《魔四駆》を起動させる。
起動には、魔力認証、指紋認証が必要だ。手順を終えると
『《魔力式四輪駆動車》起動。おはようございます、マスター』
と、音声が流れる。これは、この車に搭載された擬似AIだ。一度行った事がある場所なら自動で行ってくれる。モンスターも識別し、教えてくれる。
「さて、行こうか」
結論から言うと馬車(16km/h)で3日ほどの距離を3時間程で走破したためすぐにタルカに到着した。
読んでくださりありがとうございます。
アカツキが、前世と同じように優しくなってきました。アルフレット爺さんとかには、少し強めに接していたようです。
設定の紹介です。
《魔力式四輪駆動車》
アカツキ作 SSS+
アカツキの上位魔導具作成と、前世の知識から造られた。
アカツキの魔力と指紋でロックが解除される。魔力でエンジンっぽいものを動かして走る。重力魔法で車体が浮きすぎないようにしてある。なかは空間魔法で広くなっている。シートはフカフカで王族の使うソファー何かとは比べられないほど。他にも揺れがないようにしてある。材質はアダマンタイト等。武装として、魔法弾、擬似グレネードランチャー、擬似レーザー誘導ミサイル、ビーム、レールガン等を搭載している。防御装置として各種防御魔法も搭載。付与もされている。これだけで国を落とせる。最高時速は250km/h。




