第8話 別かれと旅立ち
一章が終わります。
7の月7日、俺の誕生日。俺は10歳に、なった。
そして………。
「アカツキ、儂は明日には死ぬ。じゃからお主に伝えておかねばならぬ事がある」
「なんだよ、爺さん」
「この国の北東にあるSSS+ランクダンジョン『ミソロジーフォレスト』に行くと良いじゃろう」
「何でそんなところに」
「そこには、他のモンスターとは違う者共がいる。儂も行った事があるが『奴ら』に会ってしまい………」
「奴ら?」
「ドラゴンじゃ。名前は『黒神龍イスカンダル』と言っておったか。奴は仕える主人を探しているらしい。じゃから、お主に奴の主人になって欲しいのじゃ。儂では無理だったからの。そしてもう一体イスカンダルと一緒にいた奴がいた。名前は、『神狼アーク』じゃ。奴の主人にもなって欲しい」
「別にいいけど…」
「それとアカツキ、お主は、いつ旅立つのじゃ?」
「爺さんが死んだらすぐに」
「なら、これも渡しておかねばのう」
そう言って爺さんが、アイテムボックスから取り出したのはこの世界のお金だった。
「金?」
「そうじゃ。総額10億はある。計画的に使うのじゃぞ」
「分かった」
◇◇◇◇◇
翌日、爺さんが死んだ。村長達がその日のうちに弔ってくれた。こちらに来てからずっと一緒だった。完全に泣くことは無かったがやはり悲しいものだ。
◇◇◇◇◇
「それじゃあ、いってきます」
誰もいない家にそう声をかけた。少し涙目になり悲しい気持ちになるが覚悟を決めた。
さあ、行こうか。目的地は『東の辺境の街タルカ』だ。




