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第28話

遅れに遅れました。

そして、まったく進まないというね……


学園の書庫から寮へと戻って来たアカツキは見慣れない二人の少女が自分の部屋の前に立っているのを見つけた。

一人は身長は160㎝半ばほどで珍しい髪色をしており、もう一人は160㎝ほどの金髪だ。

もちろん、見覚えのある顔では無い。完全記憶能力という特異な力が無くとも、この二人を一度でも見たことがあれば忘れることはないだろう。それだけ、この二人の容姿は優れていた。

だから、というわけでは無いが、アカツキはそんな二人が何故自分の部屋の前に居るのかわからなかった。

しかも、ここは特別寮。一般の生徒が訪れることなど殆ど無い場所だ。


「なにか用ですか?」


疑問を浮かべつつ、アカツキは少女達に声を掛けた。

無視という選択肢もあったが、生憎と二人が居るのは自分の部屋の前だ。しかも、扉の目の前であり、中に入るにも退いてもらうほか無かった。






















◇◆◇◆◇


転生。

そんなものが実際にあるなどと誰が思っていただろうか。

確かに、仏教などには輪廻転生などの概念があるのは知っていた。だが、所詮は人が考えたことだろうと思っていたのは事実だ。

いや、それ自体はあるのかもしれないが、よく言われる……記憶を残したままの転生なんかがあるなんて考えていなかった。


だが、実際にあった。

まさか自分が転生するなんて思っていなかったが。

それも、クラスの男子が話していたチートとかなんとかというやつを持って。


それに、不安もあった。

見知らぬ世界に一人きり。頼れる人なんて一人も居ない。

それになにより……




だが、そんな思いも日々の生活によってどんどんと小さくなっていった。

なんせ、生まれた先は国内でも有数の貴族。

それだけに小さい頃からの作法の稽古は厳しかった。



それから、転生をして12年。

国の学園に入学して二人の人物に出会うことになった。





そして……今、私は……彼と会っている。

私が一方的に知っていて、話したこともないのにただ一方的に恋い焦がれた彼に。














◇◆◇◆◇


アカツキはかつて親友に「運命とは偶然と必然がぴったりと一致することである」と語ったことがある。

それが何を意図した言葉だったのかはわからないが、今ここで転生者が邂逅しているのは彼女からすれば運命なのだろう。

それが自ら作ったものだとしても。










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