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第18話 開幕

『十分後に団体戦出場選抜戦、第一試合を行います』


 校内に放送が流れる。

 この日は団体戦選抜開幕戦が行われる日。お祭り騒ぎの二週間の開幕だ。

 ただ、この選抜戦は一般公開されることはない。見学が可能なのは貴族と出場者の親族、在籍生徒のみだ。その理由は情報の漏洩を防ぐためである。


 アカツキはその放送を試合会場となる第一大闘技場(昨日学園長に許可を取り複雑な改造を施した)の出場者用スペースで聞いていた。その数メートル横には主賓席も設けられている。

 ここで、説明させてもらうと、アカツキの居る場所は戦闘がよく見える場所に建設された貴賓席のような場所。強化ガラスに守られ、空調や最高級の椅子が完備された部屋である。さらに室内にはモニターも設置されており、撮影された映像を見ることが可能だ。

 また、このモニターとほぼ同じモノが第一大闘技場の屋上から吊るされており、観客も同じ映像を見ることが可能だ。他にも、観客席を守る障壁などが設置されている。




 ◇◇◇◇◇


「始まる…」


 アカツキは時計を見て呟く。

 次いで、観客席を見渡す。満員御礼といったところか。空いている席は見つからない。

 最後に自分の左側を見る。そこには他の候補者達の姿がある。こういう場に揃うのはこれがほぼ最後となるだろう。翌日からの選抜戦は第一第二第三大闘技場を使用し、並列進行する。アカツキの初戦も明日、第三大闘技場を使用してのものだ。


『大変お待たせしました!これより、四煌極星祭団体戦出場者選抜戦を行いたいます!

 司会は私、五年アンナ・ロバーツでお送りします。そして、解説には学園長とヴェルガード先生がいらっしゃっています。よろしくお願いします』

『よろしくー』

『よろしく』


 そして、放送が流れ始めた。


『いやぁ、それにしても色々と新しい選抜戦になりそうですねぇ』

『ああ、そうだねぇ。特にあのモニターなんかはとても便利だね。遠くでも試合がよく見える』

『ええ、本当に。それに一年生が選抜戦に出場するんでしたよね?一体何故です?』

『ふふふ、知りたいかい?……でも教えられないんだなぁ』

『えー、なんでですか?……っと、選手の準備が整ったようです。

 入場してください』


『赤ゲートより入ってくるのは六年フカセ・エル・シーケンタブル選手。その得物と戦い方から『直剣』の異名を持っています。また、ファンクラブもあるとか。ファンクラブに入りたい方は六年マリア・シェルまで』


『青ゲート、五年フラン・エル・ハクランド選手。その小柄な体からは想像もつかないような激しい戦い方と得物から付いた異名は『狂戦士』!どんな戦いを見せてくれるのでしょうか!』


 司会は入場している二人の紹介を行う。

 観客である生徒のボルテージもどんどん上がり、心なしか温度が上がっている気がしている。


「「「フ・カ・セ!フ・カ・セ!」」」

「野郎どもー、気合い入れろぉおおお!」

「「「押忍!」」」

「せーの!」

「「「フランちゃん!サイコォオオオオオ!」」」


『いやぁ、盛り上がってますねぇ。さて、審判の先生が二人に確認を行っています。……白旗が上がる。準備が完了したようです!』


 その言葉と共に審判が安全な場所へと退避する。

 フカセはうっすら蒼く光る直剣を構え、フランは身の丈を越える長さのハルバートを構える。


 そして……


『試合!開始!』


 四煌極星祭団体戦出場者選抜戦が開幕した。

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