第17話 決定
短くてすいません!
「少し良いか?」
だが、アカツキの平穏はまだのようだ。
「なにか?」
アカツキは振り返らず無視して帰りたい衝動を無理矢理押さえ付け、声のしてほうへ振り向く。
アカツキに声を掛けたのは学内序列一位のグレイ。彼の後ろにはジルも居る。
「ああ。コイツが済まなかったな。
それを言いたかっただけだ」
「そうですか。
別に蚊にさされた程度のことを気にしてないんでいいですよ」
アカツキの言葉に若干眉を潜めるが、すぐに元の顔に戻るグレイ。
「それじゃあ、予選でな」
彼は最後にそれだけ言うと去っていく。アカツキはそれを見送ることなく、ソフィアの元へ歩いていく。
「随分と辛辣ね」
アカツキが近付いてくるとソフィアはそう言った。
「辛辣ですか?」
「ええ。一応彼も生徒会役員だし、これからは同じ活動をしていくんだから…」
「あれが生徒会役員で大丈夫なんですか?」
アカツキはさりげなくジルをあれ呼ばわりしながら確認する。
自分の物差しで測っただけで満足しそれにしたがって動こうとするような考えなしが役員で大丈夫なのかと。
「……まあ、仕事はできるしね…」
「そうですか。それじゃあ、俺は失礼します」
アカツキはそれを聞くと会議室をあとにした。
後ろでソフィアが名残惜しそうな顔をしているがアカツキは気づかずに出ていってしまった。
◇◇◇◇◇
二日後。
学園内の至るところに大きな紙が貼られていた。
これは【団体戦出場者選抜戦】の組み合わせである。この選抜戦の開幕は三日後。
試合数は合計78試合。
時間無制限で行われる。
開幕戦は六年フカセvs五年フランだ。
そして、アカツキの初戦の相手は……ジル・スペクトル。
金髪ツンツン頭の彼だった。




