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第14話 選抜戦に向けて

頭痛と熱と戦いながら書きましたぜ…

「くぁ……ああ。疲れた」


 アカツキは王都にある自宅の寝室でベッドに寝転がり呟いた。もちろん、疲れたというのは肉体的にではなく、精神的にだ。やろうと思えば一年間休みなしでハードなトレーニングや戦闘をこなせるアカツキに肉体的な疲れなどほぼない。


 それと、言っておくとすれば学園は今日もサボりである。だが、成績はトップクラスの為、何も言えない。それこそ、単位制の学園ならば毎日行っているのだろうが、レディアント学園は一年間で一定数のテストをパスすれば進級できる為、アカツキはあまり学園に行こうとはしていなかった。勿論、学園での勉強は簡単というわけではなく、ミスリルクラスといえばもの凄くレベルの高い授業を受け、テストの難易度も半端ないほどに高い。だが、アカツキからすれば計算も五歳の時にできていたようなモノだし、この世界の歴史などはすべて頭に入っている。その為、テストでも最高得点を易々と取ってしまう。まあ、年に三回あるテスト期間はまだ先なのだが。






 ◇◇◇◇◇


 翌日。


 珍しくアカツキは教室に居た。

 もちろん、二人の王女も居る。だが、席が二つほど余っている。一つはアカツキの怒りを買い消滅させられたアルーン王国第一王子アキムのモノ。もう一つはアカツキに対し暴力暴言罵倒ということを行ったダオルーク王国の伯爵家の令嬢エリカのモノである。

 アキムは死んでいるためいつ撤去されてもいいのだが、エリカは退学も休学もしておらず、某大公爵様に怯えて出てこないだけである。その証拠に寮の食堂でたびたび目撃されている。


「おぉう!揃ってるな!

 と、それよりアカツキ!お前なんで昨日休んだ」


 大きな声をあげながら担任であるシリウスが教室に入ってくる。二言目には休んだアカツキへの問いだ。


「昨日は駄王に仕事をさせてたので休みました」


 アカツキは丁寧に事実を述べる。いや、国王のことを駄王と呼んでいる時点で丁寧ではない。


「あれ以上サボられると何人もの文官が倒れる可能性があったのでやらせていたのですが、何か問題でも?」


 アカツキは王国の内政について述べ、シリウスに問う。


「あ、うん。おつかれさま?」


 シリウスは納得?したのかアカツキを労う。

 そして、手に持っていた紙を三人に配った。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【四煌極星祭に向けての校内選抜戦のお知らせ】


 学園長 ノリス・ハグリンベルト


 新学期開始から数日が過ぎ、新入生も緊張がほぐれ始め、上級生は気持ちを新たに頑張り始めているとおもいます。

 さて、今年もあの祭典が開催されます。

 四校合同武闘大会通称【四煌極星祭】です。今年の四煌極星祭は我が王立レディアント学園で行われます。


 四煌極星祭が開催されるにあたり、本校では名物の【校内選抜戦】を行います。選抜戦は来週よりスタートし、【学年戦】へ出場する各学年の代表生徒10名。【無差別戦】へ出場する生徒10名、予選【バトルロワイヤル】本選【1on1トーナメント】で選出します。

【団体戦】に出場する生徒5名は学園側から声を掛けた者たちの総当たり戦で勝ち星の多い者から選出します。

 また、最高峰の回復魔法使いも手配してありますが選抜戦は四煌極星祭と同じく結界無しでの戦闘となります。よって怪我をする恐れや最悪死の危険もあります。出場辞退ということも可能です。


 よく考えて決めてください。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「あー、そこに書いてある通り選抜戦のお知らせだな。

 よく読んどいてくれ。あ、アカツキ。お前、団体戦出場な」


 シリウスはかなり適当に言う。

 本来ならこんなに断言できないのだが、「アカツキは勝つだろ」という謎の信頼によってこう言っている。


「せんせー、質問でーす。

 従魔は使っていいんですかー?」


 アカツキはずいぶんとふざけた感じで訊く。


「勿論、禁止だ。

 禁止事項はあとで説明してやる」


 シリウスは実にあっさりとした答えを返す。

 だが、今説明しないというやる気の無さも伺える。


「つか、お前本当に出るのか?」


 シリウスは自分が言ったことながら若干の疑いをもってアカツキに問う。


「勿論」


 アカツキはそんなシリウスに親指を立ててニッコリと笑って答える。

 実に清々しく、見るものを魅了する笑みだったがシリウスには死神の笑みにしか見えなかった。


(コイツが本気でやったら全員死ぬな)


 シリウスはそんなことを考え、若干ひきつった笑みを見せ


「頑張れよ」


 と言った。


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