間幕:ミナトとの邂逅
読んでいただきありがとうございます。
更新遅れて申し訳ないです(´・_・`)
どうしても、今後のために悩み尽くしていたので笑
今回は、ベスの視点でのお話です。
ふぅ。ベス可愛いよ。うん。
どうぞ、お楽しみください。
私は、絶望の中にいた。
全ての始まりは、父さんに頼まれて村の精鋭を連れて村の外で暴れまわってるオーガの変異種を討伐に出かけたのが行けなかった。
いゃ、正確には、戦力を甘く見ていた。
仲間を失い、自身も傷つき、終いには、魔族領の巡回をする帝国兵士に捕まる始末。
この頃の魔物の様子はおかしい。なにか強大な何かを恐れるように、変異種の頻繁な誕生&上位種の増殖。はたまた、行動が活発している。
この事を父さんへ、村のみんなへ伝えなきゃいけない。
だけども、それももう出来ないだろう。まだ、軽い拷問で済んでいるけれども、そろそろ何も吐いていないから殺されるかもしれない。いゃ、もし吐いた所でも結末は悲惨なことになることは間違いないし、仲間の事を売ることなんて私には出来ない。
男の看守や拷問官がくれば、いやらしい目で私の身体を見てくる。
何度かそれらしきことをされかけたし、汚らわしいのはどちらかっ!やはり、人という存在は、和解することは出来ないだろうとそう思った。
外で人の気配がする。恐らく、また尋問という名の拷問が始まるのだろう。猿轡をつけられてる時点で、喋らす気があるのか、正直疑問しかない。
扉の開く音がする。
とりあえず、耐えるんだ。私....
怖い....人が怖い....
「ゔぁぁぁぁっ!あ゛ぁぁぁぁっ!(やめろっ!はずせっ!)」
出来もしない抵抗をして見ることにした。
すると、目隠しと猿轡が外された。
そこにいたのは、私と同じくらいの人間の男だった。
「私は、何をされても何も言わないぞっ!仲間を売ったりしないわ!」
咄嗟に、本音がでてしまった。これで、殺されるのは間違いないだろう。
生理的嫌悪感がその男に向けられる。
すると、男は、私の目をジッと見てきた。少し経つと、男は真剣な眼差しで言ってきた。
「仲間については、話さなくていいよ。ただ、君の事を教えて欲しいんだ。ベス。」
何を言っているのか。結局は、話せということだろう。
何故私の名前を....まさか!
「っ!貴様、解析持ちか!な、何も話さないから!」
それからかなりの時間、男から話しかけられたが、私は反応をすることすら辞めた。
どうせ殺されるか犯されるかされるに決まってる....
考えることを諦めて、ふと男をみた。すると、たまたま目が合ってしまった。
「そだねー。どうしたら、話してくれる?」
譲歩してきた。今まで来ていた拷問官や尋問官は、あまり会話を求めてこなかったし、高圧的だった。
変わってる人ね....無理に、手を出してこないし....
「変わっているね。喋らなきゃまた拷問すればいいのに。そうね。拘束具を外してくれれば話さないこともないわ。」
まぁ、外してくれるとは思わないけど、これで少しはイラついて来るかしら?
こんな状況だけども、イタズラ心が出て来た。
「いいよ。ちょっとまってね。」
え?....外すってこと?....え?
男が拘束具に手をかけている。
「ちょっ、ちょっと待って!本当に、外してるの?バカじゃないの?」
外したら、反撃されるとか殺されるとか考えないの?
「外したら話してくれるんでしょ?」
「普通、外されたら暴れるとか殺されるとか思わないの?というか、私のこと気持ち悪いとか恐れたりしないの?」
そう。私は、ダークエルフなのだ。ただでさえ、魔族や亜人が災厄の対象や害虫扱いなのに、ダークエルフの起源は、もともとはエルフが魔落ちした存在だ。
もっともとは言わないが、かなり他の種族より蔑まれている。
「いや、むしろ可愛いと思うぐらいだけども....俺、異世界の住人だから。って、言ってもわからないかな?」
え?可愛い?........言われて悪い気はしないけど。
この男は、異世界の住人と言った。その事も気になる。
「....え?....あ、ありがとう。って、違うわっ!異世界の住人って本当なの?」
「本当だよ。それよりも、一応外すけど、ご飯食べさせてもらってないよね?これ食べる?俺が作ったんだけど....」
男が、パンのような物を差し出してきた。
私は、お腹が減っていたこともさて置きながら、この男は、信頼してもいい何となくそう思わせられた。少なくとも、酷いことはしないだろうと。
2日3日ご飯食べてないし....
そして、パンに手を出して、口に入れた。
パンだと思ったのだが、口にした瞬間、甘さが広がりまるでお菓子のような味がした。こんな美味しいパンは食べたことはなかった。持ってきていた分全て平らげてしまった。
その間に、いろいろなことを話した。どうして、こうなってしまったのか。
さすがに、村の場所までは教えられなかったけど。
そして、彼のこと、ミナトのことを聞いた。異世界から転移で召喚されたこと。隷属魔法で、奴隷だと言うこと。魔王の討伐のために。
ミナトが一番聞きたかったことは、この世界の歴史や私達の視点から意見らしかった。
特に、魔王のことについて聞いてきた。魔王なんて、実際に居ない。
昔は居たらしいけど、村にいる大祖父様しか知らないくらい昔の話だから。そのまま、ミナトに話したけど。
日が傾く頃、ミナトは何かを考えるように言葉ゆっくり発した。
「ベス。逃げたいかい?」
え?....何を言ってるのこの人は?
「そんな事したら、貴方殺されちゃうわよ。」
苦笑いしながら、ミナトは頭を掻いた。
「だって、見過ごせないじゃん。せっかく仲良くなったんだし。それに、多分大丈夫だよ。うん。多分。」
それからは、意外とあっさりだった。
どうやら、彼はかなり頭がいいらしい。
抜け道や兵士を移動するのも簡単にこなした。
日が暮れる前までには城門前までつくことが出来た。
「ここまで来れば、大丈夫だよね?スキル使えば。」
どうやら、隠遁のスキルがばれていたみたいだった。
「なんでもお見通しみたいね。うん。ありがと。生きてまた何処かで会いましょう。」
ちょっと、恥ずかしかったけど、お礼のつもりで頬に口づけした。
人間にも、いい人はいるんだと思った。
自分が、ダークエルフじゃなければこの人と一緒に居ることが出来たと思うと恨めしかった。もっと喋っていたかったけども、いつまでも居たらミナトに迷惑がかかる。これ以上迷惑をかけたくない。
「これを受け取って。」
私の一族に伝わるネックレスを渡した。なぜ、渡したのかそれは私にもわからない。ただ、ミナトに渡したい。そう思ったからだ。
「ありがとう。今度、また生きて会いましょう。」
「あぁ。また、会おう。まだ、話したいこともあるしな。」
私は、隠遁のスキルを使って里まで一気に戻ることにした。
ベスが渡したネックレスは、一族にとって族長が婚儀の際に渡される古くから伝わるものだ。ダークエルフならこれの意味は、婚約だった。俗にいうプロポーズの意味も込められていた。
彼女にその意味を込めていたのかそれは分からない。
ただ、このネックレスにミナトは救われる事になる。
どうでしたでしょうか?ネックレスがもたらす役割とは!?
乞うご期待です。
はぃ。麗奈がメインかと思いきや、ベスがメインです。
次回は本編に戻りまーす。
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では、今日中に投稿できると思います。
それまで、少々お待ちくださいませ。m(_ _)m