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わたしがわたしになるまで  作者: Dizzy
第1章
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【第2話:ひさしぶりの驚き】

 スリックデンの客車用駅は、住宅街の南端にある。

そこからメインストリートが北に向かい、北側には領主を含む貴族街があるのだ。

カーニャの家も貴族街の南にあり、北の行くほど貴族の格が高いとのことだ。

駅から出たユアとアミュアは並んで北に向かう街道をすすんだ。

歩道も広くとってあるが、道行く人の密度は高く遠くまで見通せない。

「カーニャの家覚えてる?アミュアあっちの方だったよね?」

同じ高さにあるアミュアの顔にユアが訊ねた。

「このまま真っすぐいってから、右の方でした」

アミュアは異常に記憶力が良い。

魔法使いはみなそうなのかな?カーニャも頭いいしな?とユアは納得するのだった。

 すたすた歩くアミュアをみてユアが話しかける。

「アミュア大分歩くの慣れたみたいだね」

「すっかりなれました」

歩幅が同じくらいになったので、二人の道行は速度が上がっている。

前はとことこ歩くアミュアにあわせてユアがゆっくり進んでいたのだ。

 最初は身長が急に伸びて、体の扱いを覚えるまでは歩くだけでも大変だったのだ。

トイレに座る間合いすら変わっていて、「あいた」などとおしりをぶつけただろう気配があった。

あたしは少しづつ大きくなってよかったなどとユア辺りは思っていたのだった。




 二人でちょこちょこ寄り道し、各お店を冷やかしながら進んだので、カーニャの家に着くまでに夕方になったのだった。

二人きりで散策は本当に久しぶりで、ついつい買い物までしてしまった。

おもにアミュアの服だ。

下着も含めてまったくサイズが合わないので全部買い替えとなったのだ。

痛んでいないものは、ルメリナの古着屋にユアが売りに行った。

行く先々でアミュアちゃんどうしたの、と聞かれるので成長したんだよとユアは答えたのだった。

なにぶんルメリナでは有名な二人であった。

 ここスリックデンではほとんど知られていないので、ちょっと新鮮な気分の二人であった。

「つきました!」

元気にふりむくアミュアの髪がふわっとまわり、すごい綺麗だなとユアは関心した。

「アミュア身長伸びたけど、髪ものびた?体と比率が変わっていないかも」

「う~ん、よくわかりません。わたしには同じにおもえるんだけど」

サラリと片側の髪を持ち上げ流し落とすアミュアは、夕日が背中にあるのもあって非常に絵になるのであった。




 ばんっと正面の大きな両開きの扉が片側開いて、10才くらいの少女が駆けてくる。

ミーナであった。

最近伸ばしている金髪も肩より伸びたようだ。

「アミュア!!」

大きな声で呼びながら駆けてくるミーナが止まる。

「え?!あれ?」

キョロキョロと見まわし、アミュアに目が止まる。

アミュアもすすんでミーナを抱きしめた。

「ひさしぶりミーナげんきだった?」

自分の体のことなど、忘れてアミュアが言った。

すかさずユアが説明。

「ちょっと事情があって成長したんだよ、ちゃんとアミュアだから安心して!ミーナ」

ぽんぽんとミーナの頭に手を置き、自分も挨拶するユア。

「ほんと久しぶり、ルメリナぶりだね!ちょっと大きくなったかな?ミーナ」

眼を白黒していたミーナだったが、アミュアの左手小指にはまる木工の指輪をみて安心したのか、うなずいた。

「ちょっと姉さまはお仕事でいないのだけど、夜には戻るから中で座って!二人共」

アミュアの手を引きすっかり元気を取り戻したミーナであった。




 かつてミーナに取り付いていた影獣を浄化したときに、一通りユア達のもつ奇跡の力はミーナにも説明してあったので、比較的簡単に今のアミュアを説明できた。

「ふんふん、アミュアはラウマさまの娘なの?神様なの?」

「ちがいます」

あわてたアミュアが食い気味にミーナに話し出す。

「娘なのはほんとうのようですが、わたしは普通の?にんげんです」

アミュアの説明にちょっとクスっとなりながらユアも話した。

「アミュアはアミュアだよ!ミーナ」

ユアの説明に納得したのか、うんうんとしてから改めてアミュアにべったりするミーナ。

会えなかった時間はさみしかったのだろう。

 そうこうしているうちにカーニャが帰宅した。

さすがにカーニャは走ったりせず、落ち着いて部屋に入ってきた。

「おかえりユア、アミュアちゃ…」

ユアの後にアミュアに視線をあて、そこでフリーズするカーニャ。

「落ち着いて、説明するから」

ユアがあわてて、アミュアを指さすカーニャを座らせた。

「どどど、どうなってるの?!」

さすがの大人なカーニャでもこの事態は飲み込めなかったようだ。

アミュアの面影がしっかりあるのがかえって混乱するのだ。

ユアとアミュアは交代ではなして、ミーナにした説明を改めてしたのだった。

ミーナはべったりアミュアの左にくっついたままだった。

「なんだかアミュアが姉さまみたいになったわ」

とミーナは、なぜか嬉しそうだったりもした。


 紅茶を4人で飲み、やっと事態を把握したカーニャであった。

「不思議な事ってあるのね。アミュアちゃん成長したら美人さんだね」

とにっこり笑顔になるカーニャだった。

「そういえば‥‥先日工場街で火事があったの」

と3日前の火事について説明した上。

「とても不思議な事が私もあったのよ」

ふんふんとユアは興味津々。

「火事の鎮火にハンターオフィスからも戦力だしてて、私も現場いってたのね」

カーニャの顔色は少し悪い。

ユアは敏感にそれを察していた。

「今日は報告書のために現場検証しに行ったんだけど、そこで影獣をみたの」

キュっとユアとアミュアの眉がよる。

「追い詰めたら影の炎が消えて、女の子がでてきたの」

じっとアミュアの顔をみながら続ける。

「それが前のアミュアちゃんそっくりだったのよ…顔も背格好も」

話を聞いていたミーナとアミュアは首をひねるのだった。

「髪は黒だったけど少しウエーブしてたな。長さも腰位まであった」

ユアは髪のはなしであっと何か気づいたようだ。

「それラウマ様の髪と同じだ!」

ユアが突然声を出す。

「ラウマさまは金色です」

とはアミュア。

「そっか…じゃあ似てるだけかな?」

4人とも納得できる答えはでなかった。

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