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ジェイソンは胡蝶をみる

ジェイソンは、帝国の一般家庭に産まれた。

平凡な母、平凡な父はそんなジェイソンを愛してくれた。ジェイソンもまた両親を愛していた。

だが、ある日お面を見つけた。屋根裏にあったものだ。

ジェイソンは不思議のその仮面に惹き付けられた。そして付けてしまった。

その瞬間、自分が日本のホラー映画のジェイソンであることを思い出した。

ジェイソンは冷徹残虐で恐ろしく強かった。

何人も殺した 何人も潰した

その記憶がはっきりとある

自分とは別の記憶

だが、そのジェイソンと自分は同じのような気がした

何故なら仮面を付けたジェイソンもまた大柄で強面で親以外に恐れられていたから

他人のように思えなかった

仮面が外れなくなりますます恐れられたが両親の協力もあり普通の人生を送れた

だが、その両親も亡くなったとき本当の孤独はやってきた

家に1人になった

両親がいなくなり本当の1人になった

そんな時だった

森で迷っている黒髪の女の子を見かけた

その子は俺を見るや否や「ジェイソン」だと見抜いた

そして何より目を輝かせながら恐ろしい存在のはずの自分に話しかけてきた

「ジェイソンやんな?ほんもんなん?おっきーねー!」

不思議な女の子だった。

俺の事を一切恐れない。

それどころかグイグイくる。それはもう今までに経験したことない程押しが強い。

身体は自分の方が大きいが勢いに圧倒された

でも心地いい感覚だった

少女はよく話す

俺は相槌だけしかできなかった

だが、少女にはそれがよかったらしい

少女は親に愛されていないことを話してくれた

少女はまだ幼く辛いはずなのになぜか笑っている

楽しそうに笑いながら話し続ける

彼女の笑顔は輝いていた

純粋無垢なその笑顔に孤独だったジェイソンを救いあげた

この子と出会えるきっかけになれたのならこの見た目も悪くないと思えた

ジェイソンであることを誇りに感じた


だからジェイソンはそんな少女ちがやが酷く落ち込んでいたことを心配していた

異世界からきたというちがやは昔と変わってなかった

相変わらず俺の事をジェイソンと認識してどういう存在かもわかっている

なのにちがやは恐れない

あの時と変わらず笑顔だった

そんなちがやが泣くのを懸命にたえている

ちがやがみゃーすけと名ずけた猫型魔物の死で心がまだいえないようだ

「大丈夫だろうか」

宿の個室、ちがやを心配して夜空を見上げるとそこには月夜の下綺麗に輝きながら舞う巨大な蝶がいた。

「あれは・・・」

間違いない

あれはルナとちがやだ。ルナは魔法使い 空を飛べる きっとちがやを励ますために空を飛んでいるのだろう

だがその姿はまるで

「月光蝶・・・ふふ」

無意識だろう ちがやのちからが蝶となって暴発している

その姿がおかしくなり思わず笑ってしまった

そして嬉しく思った。

あの頃の少女はルナという支えがいてくれる

もちろん自分も支えるが同年代の友達と保護者枠の俺ではわけが違う

ちがやもルナも俺にとって大切な子供だ

だから2人の仲の良さが嬉しくたまらなかった

「はは・・・バレバレじゃないか」

月光蝶は楽しく舞っている

月夜に照らされ嬉しそうに

その日巨大な蝶が現れたと噂がたつがその真相は3人しか知らなかった

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