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聖女は微睡む

ミラの記憶を取り戻した翌日

リリスがダウンした

連日の精神疲労に昨日魔法を連発したせいで身体が限界を迎えたのだろうとジェイソンは判断した

リリスはまだ子供

確かに無茶をさせすぎたとその場の誰もが反省した

そんな寝ているリリスにポチがフェンリル形態になって近付く

「フェンリル様・・・どうしたんですか?」

力ない声でリリスが問いかけるとポチは寄り添うように横に寝て尻尾を布団のようにかけてあげた

これには弱っていたリリスもニッコリだ

ポチの毛並みは最上級

そのモフモフは温かく気持ちよくリリスを眠らされることなど造作もなかった


夢を見た

子供の頃の夢だ

まだ五歳にも満たない幼女の時に迷子になってしまった

怖くて寂しくてポロポロと涙が溢れてくる

膝を抱え隅にへたりこんでいると自分より年上の女の子が話しかけてきた

「大丈夫?迷子?」

その少女は髪が黒く平民の服を着ていた

目線を合わせるためにかがみよしよしと頭を撫でてくれた

思い出した

お姉ちゃんだ

私はミラお姉ちゃんに合っていたんだ

ミラお姉ちゃんは話を聞いて一緒に家を探してくれた

そのおかげで心配していたシスターに会えてなんとか家に帰ることができた

なんで忘れていたんだろう?

こんなにも大切な思い出なのに

そして変わらぬ温もりを持つ今の姉にほっこりした

同化しても変わらない私の大切なお姉ちゃん

優しくてポカポカしている安心できる存在

良かった

また巡り会えて

私にとってはどっちもお姉ちゃん

私の自慢のお姉ちゃんなのだから


ボヤりとした意識が覚醒し目を覚ますといつの間にかお姉ちゃんが横で一緒に眠っていた

ポチのモフモフも私達を包み込んでおりとても温かい

心配してくれたのかな

よく見ると目にはうっすら涙の跡があった

ごめんね心配かけて

そう思っているとお姉ちゃんが眠そうな目を擦りながらムクリムクリと起き上がる

「ふぁ~よーねたー!じゃない!リリスは!?あ!起きたんか?具合はどうや?大丈夫か?無理させてごめんな!」

「もう大丈夫です!」

良かったと心から安堵するお姉ちゃんを見てほっこりする

大切されてる

幸せだ

まっすぐ伝えてくれるから愛されていることが分かる

お父様もあぁ見えて愛情深いのは知っている

でもこんなにもまっすぐに伝えてくれない

お姉ちゃんはどうなのだろう?

お姉ちゃんもお父様の子供

ならば愛を感じたいはず

なのにお父様は隠してばかり

そう考えると何だかムカムカしてきた

「ど、どうしたんや?やっぱりうちの事怒ってる?」

「あ、違うのです!お姉ちゃんにではなくお父様にです!」

「ん?教皇に?」

そうだ そうだよ

お父様はもっとお姉ちゃんを大切にするべきだ

同化してもお姉ちゃんはお姉ちゃん

教皇ならそれぐらいの器があってもいい

いや、教皇じゃなくても父親だ

まっすぐ向き合うべきだ

むむむむむ

「おぉ、よしよし、よーわからんけど」

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