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胡蝶の罪

記憶がフラッシュバックしちがやは気付いたら涙を流していた

ポロポロととめどなく溢れてくる

ずっと考えていた

自分がこの世界にきてしまったから彼女は私という存在に塗り替えられてしまったのではないか

同化したからこそその責任を感じ悔やんでいた

もし自分が大人しく死んでいたら

そう考えると元の肉体の持ち主に申し訳なかった

自分は確実に死んでいた魂

でも彼女は違う

弱っていたけど生きていた

生きていたのに私が同化して乗っ取った

そう考えずにはいられなかった

だから必死に生きた

幸せを掴もうと思った

仲間が増え家族ができた

出会いもあった

悲しいこともあった

でもやっぱり心の底にはそのしこりがひっそりと残っていた

罪悪感

それが記憶のフラッシュバックによって違ったことを知った

体の生死は確かに自分は死んでいた

でも心だけは生きていた

死んでも心だけはしぶとく生き残って世界を渡った

その先にいたのが体は生きているが心が死んでしまったミラという少女

相反する存在だからこそピタリとハマったのだろう

だから同化できた

だからこの力を手に入った

でもだからこそ辛くて涙が止まらなかった

彼女の痛みが苦しみが手に取るようにわかる

理解出来る

真逆なのに似ている

真逆だから理解出来る

その痛みや悲しみを分かち合える

そして彼女は同化したことをわかっていながら受け入れた

同化を望んだ

そして私に共に歩もうと言ってくれた

これ程までに嬉しいことはない

罪悪感を抱いていた存在に受け入れて貰えた

だから私は涙を拭い立ち上がる

私達はいつも一緒だ

ミラ、君がみたいというなら見せてやる

この世界の美しさをこの世界の可能性を

そして分かち合おう

全てを

今日から私の名は私の名でない

私達の魂の名前として歩もう

そしてしぶとくいきていこう

茅という名前に相応しく


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