表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/148

聖女 見つかる

準備を終え、いざいかんというタイミング

突然、神官服を着て武装した集団に囲まれる

ローブがないということは早速異端審問官かと身構える

「あんたらいきなりなんの用や??」

「決まっている。聖女様をこちらに引き渡せ。大人しく引き渡せば命までは取らない」

「・・・」

結界くんがあるため容易には近付かれることはない。

だが、宗教国家の手の者を始末してもいいのか?

聖女を渡すつもりはないが短慮を起こすのは愚策のはず。

そんなことを考えているとスっとルナが前にでる。

「悪いけど、あなた達は信用できません。この子も怖がってるしお引き取り願えますか??」

「せやせや!あっちいけどあほ!」

さすが公爵令嬢。

綺麗にカーテシーをしてたんかをきった

その通りやとちがやもノリにノる

調子にのる

「愚かな・・・」

そんなちがや達に苛立ちを覚え攻めに転じようするがその前に大きな影ができる。

「お前は何か勘違いしていないか?見逃してやると言っている。引かなければ死ぬのはお前らだ」

「くっ・・・!」

2mの巨体に奇妙な仮面を被った男の圧力に思わず後ろに下がる。

ただでさえ結界で手が出せない。

ここは一旦体制を整えるしかないとすたこらさっさと逃げていく。

「逃がしてよかったんかジェイソン?」

「宗教国家に入る前に殺せば異端者として捕らわれる可能性もでてくる。入れなくなるよりよっぽどいい」

ジェイソンはこれからのことを考えてあえて手を出さなかった。それは懸命な判断であった。

国にバレずに入ることはローブがあれば事が足りる。

だが、入った後ずっと追いかけ回されることは避けたかった。

その目的を果たすまでは、穏便にことを済ませる必要があった。

「なるほど、それもそうやな。怖かったな。もう大丈夫やで。」

「はい!」

ちがやはそれに納得し、ちがやに引っ付いていたリリスの頭を撫で安心させた。

「一筋縄ではいかない・・・か・・・邪神、帝国、異端審問官、派閥・・・なんだか先が思いやられるわね」

恐らくアリア達もこれが分かっていたから忠告してくれたのだろう。

とはいえ、如何せん敵が多い。

これにはルナも苦虫を噛み潰したような顔をする。

「その割にはルナも威勢よく啖呵切ってたけどな」

そう、敵は多いし厄介ではある。

だが、それでも突き進む理由がここにはあった。

「あれは!?リリスのこと守りたくて・・・」

「ふふ、皆さん優しくてすごく安心できます」

「もー!リリスまで!?」

そうしてちがや達は宗教国家の内部に潜り込んでいくのであった。



「なんとか宗教国家内部には入れたけどこれからどうしようか。」

順番を誤ればまた敵が増える可能性もある

それ故に慎重に動きたいルナだった

「ここは慎重にいったほうがよさそーやしな。」

「一番信用できる人物はいないか?」

「猊下・・・でしょうか」

「親だから当然だな・・・しかし」

この国のトップに会うことは容易ではない。

娘である聖女も今は追われる身、下手に顔を出せば始末される可能性もある。

味方が欲しいのは確かだがその方法を考えなくては・・・。

「それならええこと思い積んたんやけど一芝居うたへんか?」


ちがやの策はとてもシンプル

国王から貰った紹介状を聖女に会うためではなく猊下に会うために使うこと

もちろんあの手紙はあくまで聖女に会うために書かれているが聖女がいない今それを渡された宗教国家はどうするか。

聖女は今いないと断られる?

いや、それはない。

聖女がいなくなっていることを知られるのは国として避けたいはず。

であれば出てくるのはその親の猊下の可能性が高い。

借りに枢機卿や大司祭が出てきたとしてもそこから猊下の謁見には繋げられる。

そう考えてちがやは紹介状を見せることを提案した。

「魔法国家国王からの紹介状・・・ちょっとまっててくれ」

「だが聖女様は・・・」

「許しが出た。だが、会ってもらうのは猊下だ。それでもいいか?」

「よーわからんけどとりあえずそれでいいでー」

ちがやはあえて知らぬ振りをしつつラッキーやでと言わんばかりに案内に従う。

「問題ない」

「よろしくお願いします」

ジェイソン、ルナもそれに従い、ポチもついていく。

ちなみにこの時リリスはちがやに言われローブで隠れている。

「では、こちらへ」

「猊下、お客人をお招き致しました」

「入れ」

荘厳な扉が開くとそこには厳格そうな顔をした40代ぐらいの猊下が立っていた。

「え?」

何故だろう。

見た事ないはずなのにこの人なんか既視感がある。

そう思ったちがやは一瞬瞳孔を開き困惑した。

「・・・・」

「どうした?ちがや」

「あ、あぁ・・・大丈夫や・・・」

ジェイソンにこそこそと話しかけられようやく我に返る

「君達が国王の手紙にあったちがや、ルナ公爵令嬢、ジェイソン、ポチだね?」

「教皇はん、その前に・・・・」

教皇の話をさえぎりまずはと言わんばかりに周りに視線を送る。

「ふむ、いいだろう・・・お前達下がれ」

「ですが・・・」

「問題ない。彼らは救世主。私に危害を加えるような真似はしない。」

教皇も何か内密な話があるのだろうと察し部下を下がらせた。

「ん?」

そんな教皇の言葉に少し違和感を感じる。

「かしこまりました。」

「それで、場を整えたが何か理由があるのかね?」

教皇は準備をしたぞと言わんばかりにちがやを見つめていると思わぬ人物が何も無い空間から出てきた。

「リリス」

「はい・・・」

「な!?リリス!?なぜここに!?」

ローブを外し出てきた失踪したはずの娘に驚愕する

「事情をお話します。なので私の話を聞いてくれますか?」

混乱する父の目をしっかりと見つめながら強い意志で教皇に問いかける。

「・・・・」

「わかった・・・聞かせてくれ。一体何があった?」

状況はわからないが無理矢理ここに連れてこられてきたわけではないと理解した教皇はリリス達に説明を求めその後、事のあらましを聞かされるのであった。


「なるほど・・・頭の痛い話だ・・・・まさか大司祭が・・・」

帝国のスパイ、邪神。

こんなことに娘が巻き込まれていたとはと頭を抑える。

「それとここに来る前に神官服を着た連中にリリスを引き渡せと脅されたで。宗教国家は初めてだからよーしらんけどどこの手のものかわかるか?」

「恐らく帝国に与する大司祭連中だ。これが大司祭服だ」

大司祭は枢機卿の下の権力を持つ複数人で構成されている。

服の特徴から大司祭だろうと判断した教皇は大司祭が写った写真を見せる。

「これや・・・やっぱりリリスを始末しにきたんやな・・・」

「我が国の問題に巻き込んでしまってすまない・・・リリスを保護してくれたことも礼を言わせてくれ」

教皇は父として真摯に頭を下げ謝罪と礼をする。

「うちらは当たり前のことをしただけや。礼は受け取るけどしゅーかくもあったことだし頭をあげてくれや」

「収穫とは?」

はて?まだ私は彼女達に何もしていないはずだが?と考えているとニコリと笑ったちがやが話を続ける。

「教皇がちゃんとリリスの味方だとわかったことや。ええとーちゃんやな!リリス!」

「はい!」

「!?」

そうだった。

彼女は最初から娘のために行動していた。

ではあるならば、娘の味方が増えることは収穫なのだ。

だが、こんなにも人のために尽くせるちがやの器の大きさ。

それには感服せざるをえなかった。

「そういえばあの手紙、救世主の噂のことは何も書かれてなかったはずやけどなんで知っとったん??」

そう、それはちがやが感じていた疑問。

ちがやはしっかりと手紙の内容も確認していた。

見ずに渡して自分に不利になる情報が書かれているということはないと信じたいが知っていた方が有利に話を進められるだろうと記憶していたのだ。

故になぜ救世主の噂のことを知っているのか違和感を持っていた。

「え?あぁ・・・あの噂はここまで轟いていたからな。当然だ。」

「まぁ、ええか!そんなことよりこの状況をどうにかせな・・・教皇意外信用できる気全くせーへんわ」

一瞬教皇が迷ったことを察し答えないならいいと切り替え次のことを思考していく。

「まさか・・・協力してくれるのか?」

「当たり前やんけ!リリスの命の危険が迫ってるのに守らんでどないすんねん!」

「あ、いや・・・それはそうだが」

「猊下、私達は単純にこの子を助けて話してみて好感を持ちました。だから助ける。それだけのことなのです。」

「せや!好きだから守る!困っていたら助ける!とーぜんのことやんけ!」

「はは・・・確かにその通りだ。神に使える我らなら余計にそうあるべきだ。」

権力争いで常に人を疑う癖が付いてしまったが彼女は迷いなく人を助ける。

それは本来自分達神に仕える者が持っておく考え方である。

なのに自分達は己の利権ばかり考えて行動している。

これは反省すべきことだと力無く教皇は笑う。

「んで、相談なんやけどな。リリスが安全になるまでうちらで預かってもええか??」

「こちらから頼みたいぐらいだ。すまないがよろしく頼む。」

「私は大丈夫ですお父様。この方達はとてもお優しくてとても強いのですよ。」

「そうか。それは頼りになるな。だが、敵は多い。くれぐれも気を付けなさい。」

「おーきにな!ほんなら念の為教皇にもこれ渡しとくわ 教皇、一番狙われそうやし」

「あの指輪は・・・」

「これは・・・」

明らかに神の力を感じる。

それにこの指輪、一瞬で自分に装着されその瞬間から結界が展開できるようになった。

それに驚愕しているとちがやはビシッと教皇に指をさし忠告する。

「お守りや!だから死ぬんじゃないで!」

「あいわかった!」


「はぁ・・・お守りか・・・話し方や性格は変わっていてもやはりあれは・・・」

教皇は隠し部屋を開きその中にある小さな箱を手にする。

その中には子供が作ったであろう物が大切にしまわれておりその中にちがやに瓜二つの少女の写真が入っている。

教皇アルフォンスは、ちがやのことをよく知っている。それはなぜか?

実はちがやの元の肉体はミラといい猊下の隠し子だからだ。故に知っていた。

驚きを隠せなかった。

攫われてからすぐに救出部隊を出した。

だが、あの男、ジェイソンが既に助け出していた。故に教皇は救出から監視に命令を変更し魔法国家での功績のことも聞き及んでいた。

危うく勘づかれるところだったが多分大丈夫だろう。

彼女は記憶を失っているという。

性格が変わったのもそのせいだ。

だが、教皇アルフォンスも親だ。

自分の娘ぐらいわかる。

どんなに変わっても確信していた

あの子はミラであるということを

だが、彼女には今がある

今更どの面下げて自分が親だと言えるだろうか

危険であるとわかっていながら守ってあげられなかった

攫われた時も助けられなかった

それが教皇に罪の意識を植え付けちがやに真実を伝えられなかった

教皇にとってリリスも彼女も大切な娘で愛している

愛しているからこそ幸せそうに笑う彼女をそっとしてあげたかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ