聖女は逃げる
この宗教国家は平和だ
自然も豊かで人々も優しい
私はこの国で聖女をやっている
神様の声を届ける大切なお仕事
この平和な国のために働けることは嬉しいことだ
私は聖女であることほこりに思っていた
その日は雨でお仕事もない
久しぶりの休みを謳歌しようと教会をあるいているとよく知る人物が何やら怪しい男と密談している
雨でよく声が聞こえない。私は近付こうと隠れていた壁際から少しだけ移動した。
「器は逃げたか・・・忌々しいやつめ」
器?なんのことだ?それに逃げたって一体・・・。
「魔法国家の邪神だと?そんなもの偽物に決まっているだろう。なぜなら本物の邪神様は・・・」
邪悪な笑み。普段のあの人とは思えない裏の顔。
聖女は青ざめて後ろに下がる
その時
パキ
後ろに下がった瞬間木の枝を踏んでしまい彼らに気付かれてしまった
聖女は咄嗟に走り出し教会を出て、走り続けた
ずぶ濡れになりながらも聖女は祈った
「どうか、神のご加護を・・・」
着の身着のまま逃げ続けて森の中で倒れる
身体はボロボロで心も限界が近付いている
恐らく私は殺される
あの場にいたことが不幸だった
聞いてしまったばかりに彼らに始末されるのだろう
「うお!こんなところで何してるんや!?ボロボロやんけ!?」
黒髪で小柄女の子が心配そうに私を除きこむ
その後ろには銀髪の女の子と仮面をつけた大男
そして、小さな子犬もいる
あぁ、神は見放していなかった
そう思った瞬間、私の意識は途切れた




