胡蝶は辿る
盗賊を焼却処分したちがや達は封鎖されてた道沿いに進んでいく
すると酷い悪臭と共に毒沼が見えてきた
「やっぱりかー!この臭さ間違いないわー!」
ちがやは鼻をつまみつつ確信する
この毒と悪臭はポイズンドラゴン、つまりちがやの父のものだ。
恐らく元は湖だったのだろう。
ところどころ水生生物の死骸が浮かんでいる
「物流を止めて水の供給を絶たれているということよね・・・」
「とりあえず毒をどうにかせんと・・・状態異常・・・にはならんよな」
「変質で変えるしかないわね。生き物はしばらく産まれないでしょうけど・・・」
「まぁ、そこは自然の力を信じるか・・・」
「神・・・様・・・」
「え?女の子?」
「ボロボロやないか!?大丈夫か!?」
「水・・・」
「ほなら、これのみーや!」
「うぅ・・・」
「ちがや、飲む力もないみたい!どうしよう!」
「しゃーない!うちのファースト口移しやで!」
「!!?」
「ちがや!?」
「な!?」
「ふぅ・・・どや?美味しいやろ?うちの唇」
「っ!っ!っ!」
「きゃー!」
「・・・」
「助けてくれてありがとう!私はリア!近くの村に住んでるの!」
「リアちゃんやな!うちはちがやっちゅー旅の商人や!」
「私はルナでこっちはジェイソン。私達のお父さんよ」
「よろしくね!」
「!」
「ふふ、それでどうしてここまできたの?」
「村の皆を助けて!神さま!!」
「やっぱり飢饉か・・・おっしゃー!ねーちゃんに任せときー!あとうちは神様ちゃうから」
「え?でも神様みたいだったよ?」
「うぐ」
「うふふ、ちがやが押されるなんて珍しいわね」
「うぅ・・・」
「リアちゃん、ちがやのあれは魔法なの だから神様ではないのよ」
「そーなんだー!じゃあ、ちがやおねーちゃん?」
「せや!おねーちゃんや!ふふん!大船に乗ったつもりであとのことはねーちゃんに任せとき!!」
「うん!!」
「ということで助けに来たんや」
「それは何とお礼を言ったら・・・」
「ええってええって、それより村の皆の健康状態を改善せんと!とりあえず水分を採らせたけどまだガリガリや。しっかり食べてしっかり寝る!話はそれからや!」
「食料のはいきゅーをしまーす!みなさん喧嘩せずに一列に並んでくださーい!」
「うちもやるでー!暑いからゆっくり食べるんやでー!」
物流が止まり水が消え、応援もこず、もうダメだと諦めていた
なのにこの光景は・・・
「おいしーねー!おとーさん!」
「あぁ・・・本当に・・・」
なんと美しいのだ




