胡蝶は旅をする
準備を整え早速旅に出ることに決定した。
目的地は魔法国家、まずはルナの実家に行ってルナの家族を安心させようというちがやの気遣いだった。
「魔法国家楽しみやなぁ!ワクワクするで!」
「かなり長い旅になるけどあるけど?大丈夫?」
「お前はおかんか!こう見えて体力はある方やから大丈夫やいうてるやろ」
「疲れたら俺が運ぶ」
「よろしくね!」
「話を聞かんかい!?たくもー」
出発早々甘やかされるちがやだったが、大阪での貧乏生活のせいで歩くのにはなれていた。この世界の道は舗装されておらず歩きにくいがこれもまたちがやが大好きだった爺ちゃん婆ちゃんの山で走り回ってた経験が役に立ち世界を渡ってもたくましく走り回る。
「ちがやはいつも元気ね・・・心配してた私が先にバテそう」
「しゃーないなー!ジェイソン、休憩するで。旅は長い ゆっくりいこうや」
「わかった」
ジェイソンはルナに水を与え水分補給をさせる。
「ありがとう・・・」
「スポドリとかあったらええんやけどな・・・」
「それって飲み物なの?」
「運動後とかに飲むやつやな。塩分も少し含まれてるから疲労にきくんや。まぁ、ジュースやけどな」
と思っていると突如ちがやの前にポンッと何かが出てきた。
「え?なんでこれが・・・」
ちがやはなぜ話をしていたスポドリが新品の状態で出てきたのか分かっておらずそれを見ていた2人も顔を合わせる。
「ちがや・・・何をしたんだ?」
「いやいや、うちはただあったらええのになって考えてただけで・・・あ!」
「え!?どういうこと!?魔法?」
「ルナ・・・夢は見るよな?」
「うん、たまに見るけど。またちがやの世界の話?」
「ちがくて、夢の中で想像したものってなんか知らんけどでてこーへん?こーあれほしいなーって思ってるといつの間にかあったり」
「あー・・・言いたいことはわかるけど・・・でもちがやだしなぁ」
「ちがやなら有り得る」
「だよねぇ・・・」
「うちまだそんなチート使ったことないやろ!?」
「ちがやならなんかできそうだなって」
「なんやそれ!?って言っても・・・出来ちゃったもんな・・・とりあえずルナ飲んでみ。今のルナに必要なものやしな」
「これどうやって飲むの??うん?んー!」
「こうやって回して開けるんや」
「あ!なるほど!ありがとう。」ぐびぐび
「どうや?美味いやろ?」
「うん!甘くて美味しい!塩分入ってるって聞いてたからもっとしょっぱいのかと思ってたわ」
「一応入ってるんやで 砂糖も入ってるから甘いだけや」
「ありがとうちがや!なんか元気出てきた!」
「流石にそれは気のせいや・・・そんな効果はあらへんから」
「え?でも魔力も回復してるし本当に元気出てきたのよ?心なしか強い敵にも勝てそうな気がしてきた」
「いやいや、さすがにそんなことあるはず・・・」
「ルナ少し貰っていいか?」
「うん、いいよ。ジェイソンも試してみて」
「これは・・・確かにポーションのような効果があるようだ ちがやが作ったからか?」
「ジェイソンまでうちをからかって・・・そんなことあるはずぐびぐび・・・なんやこれ!?力がみなぎってくるわ!」
「だから言ったでしょ?気のせいじゃないって」
「え?え?うちこんな効果想像すらしてへんで?なんで?」
「そもそも無から有を生み出すこと自体ありえないことなんだから。それぐらいあっても不思議じゃないわよ」
「だな」
「でもこれなら私でも皆の足を引っ張らずに済みそう!皆!行くわよ!」
「筋肉痛までは回避出来んかったようやな・・・」
「まぁ、大丈夫だろう」
「うぅ・・・いたたた・・・なんでこんなことに」
「体力や魔力は回復しても筋肉細胞は貧弱なままだったってことやろ?普段から引きこもってるからあかんねん・・・はい湿布」
「あぁ・・・冷たくて気持ちいい~」
「ちがや、その力使ったあと疲れたりしないのか?」
「不思議と平気やで。想像してるだけやしなんか無限に出せる気がするわ」
「ちがや それもあまり人に言うな」
「わかっとるーちゅーねん ジェイソンは相変わらず過保護やな~」
「ちがや凄いわこれ!筋肉痛治ったみたい!」
「は!?またか!?またなんか!?うちが知らん効果ついとったんか!?」
「湿布は元々そういうものだろ」
「でもそこまで早く治るはず・・・は!?」
「単純に効能がちがやが作ったことで倍増してるのだろう」
「うち・・・なんてチートなんや・・・」
「力のコントロールができていないのかもしれないな 」
「うちのことやけどありえそうやわ・・・ジェイソンようわかっとるな」
「ちがやが慣れてきたら調節できるってこと?」
「恐らくだが、ちがやの力は未知数だ。可能性はある」
「普通の物を生み出すことがこうも難しいなんて・・・うち初めて知ったわ」