幕間邪神の爪痕
「王国からの救援はまだなのか・・・」
薄暗いボロボロの一軒家で男は嘆く
最近、この村唯一の水の補給場だった湖が邪神を自称するドラゴンに毒沼にされてしまった
水は人間にとって必須
故に迅速に対応し王都や周辺の街に応援を呼んだのだが誰一人帰ってこなかった
そのせいで脱水症状を訴える村人が増えてしまい村で働ける人材がいなくなってしまった。
食料も底を尽き、食えるものを食った
助けもこない
「せめて雨でも降ってくれたら違うんだが・・・」
そんな時だった
湖がある方角の空が美しい輝きを放っていた
その輝きは先日の虹色の空とよく似ていた
まさかと思い、湖の方を眺めているとパカラパカラと馬車の音が聞こえてくる
「あぁ・・・神は見放してなんかいなかった・・・」
これは応援に違いない
そう思っていると黒髪の少女が馬車を降りてきた
「よーやく見つけたでー!随分酷い有様やなー!リアちゃん、ここでええんか?」
「リア?」
「うん!ここだよ!ありがとうお姉ちゃん!」
「リア!」
「お父さん!!」
「リアちゃんのお父さん生きとったみたいやなー!急いできて正解やったな!」
「ちがや、まずは村の人に説明しないと」
「せやったな!でもなぁ・・・」
ちがやは村を見渡す。
人々は完全に弱っており、廃村寸前といった様子だ
一応生きている人もいることだしと思いちがやは神力とタクトを組み合わせ広範囲の回復魔法を行使する
「な!?これはエリアヒール!?貴方様は一体・・・?」
「ふふ、うちは旅の商人 ちがやや!よろしゅーな!」




