胡蝶は進む
パカラパカラ 馬車が走る
馬を操るジェイソンの横にひょこりひょこりと可愛い顔が出てくる
「ジェイソンジェイソン、中あきたー!」
「隣に座ってもいい?」
「構わんぞ」
ジェイソンの横にちょこんちょこんと2人が座る
たったそれだけのこと なのに2人はニコニコと笑って嬉しそうだ
「ジェイソン、お茶でも飲んで」
「ありがとう」
「ジェイソン!可愛い娘に囲まれて幸せもんやなー!」
対極的な娘達にジェイソンは困りながらも微笑む
「全くだ」
ジェイソンは隠さずそういう
「にひひ、せやろせやろ!うちら可愛いもんな!」
「嬉しいけどちがやはチョロすぎない?」
「ちょろくないわ!?うちこーみえてよーひとみてんねんで!」
「うむ、それは俺も思う」
「せやろせやろ!」
「まぁ、いいか・・・ふふ、のんびりしてて気持ちいいわ」
「牧歌的なのもええもんやな~!てか、ジェイソンがそこに座ってるのすんごいしっくりくるな! 」
「わかる!なんかベテランみたいな雰囲気だよね!」
キャッキャと騒ぐちがや達にジェイソンは嫌な顔1つしない
ジェイソンは考えていた
癒される と
仮面があるのがこういう時に役に立つ
表情が見てないから黙ってたらバレないのだ
2人は知らないがジェイソンは実は表情豊かになっていた
それは2人の影響なのだが表に出すのが苦手なジェイソンには都合が良かった
今日もジェイソンは仮面の奥で優しく微笑む
愛する娘に囲まれて
と思ってるのはジェイソンだけで普通に気付かれていた
顔が見えなくても雰囲気でわかる そうだ
でも3人は気にしない
なぜならばこの空間が幸せだからだ
パカラパカラ
馬車が走る
笑顔を運ぶよどこまでも
パカラパカラ




