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胡蝶は準備する

SSSランクの任務を受けられたちがや達は早速街に出て準備を始める

まだまだ寒い冬の季節、街は雪で真っ白に染まっている。

そんな雪の上を元気に走り回る少女がいた

「あはは!やっぱり雪は楽しいな!寒さにもなれてきたしこれならいけるで!」

とはいえちがやの防寒着は特別製、別にちがやが寒さに慣れた訳では無かった。

でもちがやがあまりにも無邪気にはしゃいでいるのでその場にいた誰もがニコニコと優しい眼差しで見守っていた。

だが・・・

ズコー

案の定ちがやは豪快に滑ってこける

「あいた!!」

「大丈夫ちがや?」

本当は痛くないがつい口走ってしまう

そんなちがやを心配して雪なれしたルナが近寄りパンパンと服に着いた雪を払い除ける

元気な妹のお世話をする姉のようだ

そんな二人を見て街の住民はほっこりした

「うぅ・・・やってもうた恥ずかしい・・・」

1人だけはしゃいですっ転んだことに恥ずかしがるちがやに小柄だが立派な髭を生やしたおじいちゃんが話しかけてくる

「はっはっはっ!元気でいいじゃねぇか!その黒髪、その話し方もしかしてだが「ちがや」って子かい?」

「なんやおっちゃんうちのこと知っとんのか?ファン?うち可愛ええからしゃーないけどてれるなー!」

「ファンといえばファンだが商人なんだろ?お前さんの商品には世話になってな」

「ポカポカくんを買ったんですか?良かったねちがや。」

「せ、せやな・・・」

「あぁ、魔法国は寒いからな。皆感謝してるぞ」

「お礼を言うために?」

「いや、それもあるが噂で武器を探してると聞いてな もしよかったらわしが作ってやろうかと思ったんだ」

「おっちゃん鍛冶屋なんか!?」

「おうよ、ワシは見ての通りドワーフだからな お前さん達のために武器を作らせてくれや」

「ドワーフ!ほんまにおったんやな!立派なお髭やもんな!腕も太いしちょうどうちら武器ほしかってん!」

「はっはっはっ!愉快な嬢ちゃんだ。2人もいいならこれから工房にきてくれねぇか?」

「構わない」

「私もです。よろしくお願いします。」


「それで3人はどんな武器がほしい?」

「普通の武器」

「え?普通の武器?お礼なんだからもっと欲張ってもいいんだぞ!?」

「えっと、私達一般冒険者が使ってそうな武器が欲しいんです。私は杖でこの人は大剣?」

「それでいい」

「なるほど、目立ちたくないんだな。お前さん達既に強い武器を持ってるってわけか。それはいいけどよ。嬢ちゃんは?」

「うちは・・・何がええんやろ??」

「ワン!」

「ん?お前さんテイマーだったのか?」

「あぁ、この子はうちの家族やで!ポチっていうや可愛ええやろ?こう見えて強いんやで」

「ワン!」

「ほほう、ならテイマーの武器はどうだ?」

「なんやこれ?指揮棒??」

「タクトだ。テイマーの武器だな。契約者と共鳴してサポートする武器だ。直接攻撃には使えないがテイマーならこれ一択だな」

「ポチどうや?」

「ワン!(私とご主人は契約状態でもあります。この武器はご主人に最適です。)」

「ほならタクトにするわ!ポチもええって!」

「わかった!ちなみにお前さん達、基準にしたいから武器を見せてくれんか?秘密を守るために契約書も用意しよう」

「構わん」

「どうぞ」

「な!?なんだこれは!?なるほど、お前さん達が「普通」を求めわけだ!」

「おっちゃん見る目あるな!さすがドワーフやで!」

「褒めてくれるのは嬉しいがこれは誰が見ても神器そのもの。宗教国家あたりが見れば襲ってでも奪いにくるだろう。」

「へ?」

「まぁ、そうだろうと思ってたけどやっぱりですか」

「でもまぁ、これを託されたお前さんらが宗教国家程度に負けるはずがないのだがな!ガッハッハッ!」

「当たり前やんおっちゃん!ガッハッハッ!」


「楽しみだね」

「せやな!3つも作ってくれるなんてええおっちゃんや!今度何かお礼せな!」

「何がいいかな?」



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