ジェイソンは酒を交わす
「乾杯!」
「ふふ、まさか貴族と酒を交わすことになるとはな」
「たまにはいいであろう。ジェイソン、君は友だ。貴族など堅苦しいことは気にするな。」
「そうだな。酒を飲むのは久しぶりだ。」
「これは愛でたい時に呑もうと取っておいた酒なんだ。今日は無事裏切り者を捕まえられた。これ以上愛でたいことなんかないだろ?」
「あれはちがやの手柄だよ。恐らく、顔に出さないだけでルナのために怒っていたんだ。だから行動し証拠を集めた」
「それは嬉しいことだがいくらなんでも犯人と一騎打ちしにいくとは思わなかったぞ。あの時はヒヤリとした」
「ははは、それは俺もだ。俺が察知するのもお前にその場を見せるのも全てちがやの策略なのだろう。いつも見ていたつもりだったがやはりちがやの行動は読めない」
「はっはっは!ジェイソンですら読めないなら俺が読めるわけがないな!」
「年頃の娘の難しさはお前もわかるだろう?」
「あぁ、重々承知している・・・でもそれでも可愛いんだよな」
「うむ、全くその通りだ。」
「はっはっはっ!やはりジェイソンは話がわかる男だ!さすが我が友だ!」
「ジェイソン、友達出来てよかったな」
「うん、そうだね。私達のことずっと見てたからそんな暇なかったしね」
「まぁ、その前にジェイソンコミュ障だから友達作れんかったと思うねんけど」
「ねぇ、ちがや」
「なんや?」
「私のために怒ってくれてありがとね。嬉しかったよ」
「あの時気づいたんよ・・・ポチはこんな気持ちだったんかなって・・・大切な人を傷付けられる苦しみは確かに辛かった」
「でも感情高ぶると羽が出ちゃうのはどうにかした方がいいよ。気を使って見なかったことにしてくれたみたいだけど」
「え!?ほんまにでてた!?うそ!?恥ずかしい!!無意識やったわごめん!」
「というかあの時ポチも怒ってたのかフェンリルになってたし今更でしょ」
「あ!!そうやった!うちもポチもバレバレやん!?」
「あはは!うちの家だから大丈夫だよ!おもらしみたいなものでしょ??」
「言い方!!?」




