胡蝶、雪国を支える
紹介状を手に入れたちがや達は早速商業ギルドに訪ねていた
「たのもー」ばぁん
「ちがやそれやめない?ドア壊れちゃうよ」
「壊れたら直すからへーきへーき!あ、寒いからジェイソン閉めて」
「わかった・・・」
「まだ冬本番でもないのに結構冷えるなぁ~。ねーちゃんもそーおもわん?」
「え?あ~そうですね!」
「そんなあなたにこれ!!」どぉん
「魔石??と紹介状ですか?拝見いたします・・・・・!?」
「続けてええか?」
「どうぞ!!」
「この魔石ただの炎の魔石ちゃうねん!実はこれ暖房器具なんや」
「へ?」
「わかるわかる!見た目ただの魔石やもんな!そんなわけあるか~!って言いたいんやろ?でもな、ねーちゃん」ポチ
「なんだ?急に部屋が暖かくなったぞ!?」
「あれじゃないか?」
「こ、これは!?」
「ここを押すと部屋全体を暖かくできるねん!それも半年間ずっと!!」
「え!?それって使いっぱなしで半年保つということでしょうか!?」
「ねーちゃんええ反応するな~!その通り!寒い寒い雪国、外に出てブルブル震え身も体も冷え家に帰ると暖炉に火をつけたら確かに暖かい!!でも!この魔石を設置しておけば家に入った瞬間ポカポカで心もほっこり安心する。」
「ほわ~!」
「冷え切った部屋、冷え切った食卓、そんなの悲しすぎるとうちは想うねん!!!これがあれは家族関係もぽっかぽか!冷めた夫婦関係もいつしか暑い夜に!!暖房器具一つと舐めちゃあかん!薪を割りひをつけるのも大変なこと!冬の間薪がなくなるかもしれない!そんな不安の中雪国の皆は生きてきた!
そうやろ!」
「その通りだ。冬は過酷だ。凍死者もでる。寒いと心も冷えてくるのはよくわかるなぁ。」
「そんな不安を一気に解消するのがこの暖房魔石ぽかぽかくんや!使い方は簡単部屋の片隅に置いてボタンを押すだけ!そしたら冬の間ずっと使える!ちなみに火を使わないので火事の心配もない!でもお高いんじゃいないって想うやろ?」
「ですね!おいくらなんですか!?」
「なんとこの商品!雪国のどのご家庭でも手に入る金額に設定してあるんや!そのお値段なんと!銀貨一枚!銀貨一枚これだけでいいんやで!」
「安すぎませんか!?それではあなたの利益が少ないのでは!?」
「そうだよ嬢ちゃん!俺等は商人だ!安売りはしちゃいけねぇ!」
「おっちゃんたちのいうこともわかるでー。でも考えてみ?この雪国毎年雪が降る。寒い季節はずっと訪れる。それこそ10年20年先ずっとな。そしてこの商品はずっと売れる。だから長い目で見たら確定した利益がでるってことなんや」
「そうか、未来をみて利益を換算しているのか。たしかにこの商品なら需要もどんどん伸びそうだ。そしたら年々利益が増していく。すげえぜ嬢ちゃん!」
「それになぁ、うちおもうねん・・・利益より皆に行き渡ることで凍死者が減りちょっとでも雪国のためにならんかなって・・・だからウチは・・・うちはな・・・」
「お嬢ちゃん・・・」
「ぐず・・・」
「雪を何度も超えてしっかりウチの利益になってほしいねん!!へへ!」
「ズコー!」
「うちがないてるとおもった~?ざあ~んねん!うちも立派な商人やねん!利益はもらうに決まっとるやんけ!」
「驚かせるなよ・・・」
「でもな!おっちゃんたちもこれを広めてくれたら凍死者が減るのは本当やで!だからこの国全員に売りまくるんや!!」
「そういうことなら買わせてもらう」
「商人の俺達の仕事ってこういうことだもんな!やるぜ!」
「てなわけで、商業ギルドはん、これ買い取って皆に売ってくれや」
「え・・・・えぇ・・・・!?」




