胡蝶は沈める
フェンリルが月光蝶の力によって変質が始まると世界は一気に虹色に染った
ジェイソンは空を見上げる
「あとは頼んだぞ・・・」
ジェイソンはちがやの可能性を信じていた
だから心配はしていない
それに変質が始まった今のこの世界の状況を見ればわかる
ちがやが照らす未来は、この暗闇をこんなにも美しく彩っている
だから大丈夫とジェイソンは笑う
それはちがやがくれた最初のプレゼント
純粋無垢な眩しい笑顔
今考えたらあの頃からちがやは可能性に溢れていた
そんなちがやに出会えた自分の幸運にジェイソンは感謝した
ホコリに感じた
自慢したくなった
俺の娘はこんなにもすごいんだぞと
「ジェイソン!これは一体」
「ちがやの変質による影響だろう・・・見てみろ世界が虹色に染っている」
「これを全部ちがやが・・・やっぱり勝てないな」
「何を言っている。ルナ、お前がいないとちがやは月光蝶にはならないだろ?」
「私の名前・・・」
ルナは月を表す
ジェイソンは気付いていた
ちがやにとってルナは月明かり
ちがやの道標
きっとこの力は誰が欠けてもだめだったんだ
俺が守り、ルナが支える
出なければこんなに美しい景色は作れない
「だから自信を持てルナ」
「うん!ありがとう!」
「子夢茅・・・ずっと会いたかった・・・私を止めてくれてありがとう」
「ポチはうちの家族や!今ならわかるでフェンリルもポチと同化したんやろ」
「あぁ、私はポチでありフェンリルでもある。だからご主人様だ。ワン!」
「おぉ!!ポチやんけ!ポチでええんか?フェンリルでもあるんよな?」
「ポチでいい!私はポチの夢を見て子夢を見ていた。だからポチと同じ気持ちなのだ!」
「ポチ!また一緒やで!今度は勝手に死なんからな!」
「当然だ!私はご主人についていくぞ!」
「神獣フェンリルよ」
「お前達にも迷惑をかけた 」
「ポチはうちのために怒ってただけなんや!うちが勝手に死んだからあかんねん!」
「ご主人は悪くない!私が見た異世界の記憶ではご主人は殺されたのだ!悪いのはあいつだ!」
「まぁ、落ち着け 別に罰を与えるつもりは無い」
「いいのか?」
「世界を渡ってでもご主人のために怒ってたんだろ?暴走してしまうのも仕方ない」
「ちがやにまた会えたそれはお主が諦めなかったからだ。その褒美に暴走したことを黙認してもよかろう。その代わり」
「なんだ?」
「今度こそ守るのだぞ 」
「もちろんだ!!」ワン!
「良かったなポチ!四聖獣達もおおきにな!うちのポチがお騒がせいたしました」ぺこり
「ご主人!?」
「はっはっはっは!」
「とはいえ並行世界か・・・夢で見た世界と繋がる2つの世界か」
「神獣でもわからへんの?」
「この世界のことならわかるが他所の世界だからな 管轄外だ」
「そっかー!まぁ、別に世界の仕組みとかわかってもしゃーないか!ポチと再開できたしまぁええやろ!知らんけど!」
「ワン!」
「おおらかなだけなんですこの子・・・」
「はっはっは!安心せい人の子よ わかっておるよ」
「ありがとうございます」
「なぁなぁ、亀のじっちゃん 戦ってた時の戦場ってじっちゃんの甲羅の上やったんやろ?派手に暴れてたけど怪我ないん?」
「はっはっは!心配してくれるとは嬉しいのぉ。大丈夫だ。わし甲羅はその程度できずつかんよ」
「ならよかったで!最初気付かんでごめんな!あんまりにもでかいから下にいるとは思わなかってん」
「こいつは動く島のようなものだから人間が気付かないのは当然だ。」
「鳥、龍、亀、犬 うち四聖獣全員と合ってるんやな」
「鳥!!?」
「ご主人!?犬だけどフェンリルは狼ですよ!?」
「ん?そうなん?まぁ、こまかいことはえーやん!わんってなけばそれはもう犬やねん!」
「ざっくりしてる!?」
「ちがや!?玄武様と朱雀様とエンシェントドラゴン様とフェンリル様だって!」
「名前長いねん・・・特に龍のじっちゃん」
「なっ!?」がーん
「玄じい!スザクばあ!りゅーじー!りゆーばー!ポチ!でええか?」
「私はポチでいいですよ!」
「玄じいか。はっはっはっ!構わんぞ」
「ばあはやめろばあは!?」
「一人だけ若作りか?スザク」
「一杯じいちゃんとばあちゃんできてもーたなー!へへへ」
「はぁ・・・仕方ない・・・すがくばあでいい」
「おおきにな!!えへ」