玄武からの贈り物
海賊島を出たあとの話
報告のために玄武のところを訪ねてきていた
「じっちゃーん!」
空中から玄武を呼ぶとゆっくりと頭をあげて軽く津波が起きる
やっぱりかぁと思いつつ空から激しく揺れる海を眺める
「じっちゃん、最近忘れっぽいとかない?」
「ほっほっほ、別にボケておらんぞ。上から声が聞こえたからの」
玄武ボケ老人説を提唱したちがやだったがまだまだ元気らしい
そうこうしていると玄武が首をのばし足場を作ってくれる
一旦乗せてもらってから海賊島のことを話すことにした
「ちゅーわけでもうあいつらは平気やからな。もし通っても見逃してあげてや」
「あいわかった。ありがとうちがや」
「ふふ、皆がいてくれたからや。一人の成果やない」
「お姉ちゃん・・・」
「そうね」
「あぁ」
「おう」
「ふむ、ならば皆に玄武の祝福をやろう。これで一度だけ致命傷をなかったことにできる。所謂即死無効だな」
「じっちゃんおおきに!」
「ありがとうございます!」
「ありがとう」
「ほっほっほ、よいよい。どれ、街の近くまで送ろう。そのまま乗っているとよい」
すると玄武がゴゴゴと動き始めゆっくりとゆっくりと歩き始める
その姿は島そのものが動いているようで船とはまた違った迫力があった
「一歩がデカイから意外と早いんやな」
そう、玄武は超巨大神獣なため亀のような動きでも一歩がめちゃくちゃ大きいのだ
その上、動いた時の波で街が沈まないように魔法で揺れを無効にしている
街への配慮も忘れない玄武らしい移動方法なのだった
街の近くまで辿り着くと玄武と別れホテルに帰った
途中、心配していたネアとポチに出会い抱きつかれたが概ね平和だ
せっかくホテルを借りたのに数日無駄にしてしまったが、変わらず歓迎してくれた。
まだまだ夏は暑いが、これからも頑張ろうと思えたちがや達なのだった