ルナは着飾る
「はぁーん!ちがやこれもいいわね!」
「せやろせやろ!」
「黒髪清楚も似合う!やっぱりちがや元が可愛いのよね」
「もっと褒めてええで!ふふん!」
買い物をした日の夜、ルナとちがやのファッションショーが開かれた
最初はルナも着ていたのだが、ちがやに着せた方が可愛いことに気付き色々な服を着せ替えいつの間にかちがやのファッションショーになっていた
そんなルナに対してちがやは褒められるのが好き過ぎてほいほいと乗せられドヤ顔を決める。
ルナは可愛いちがやを見られる
ちがやは褒められる
どちらも損しないゆえの無限ループにハマっていた
「ちがや、ルナ、そろそろ寝ろ」
そんな2人に悲しい通告をするジェイソンだがこればかりは仕方ない。このままでは宿の人にも迷惑をかけてしまう。2人が可愛いのはいい事だが優しい子だ。2人だって店主に迷惑かけるのは嫌なはずだ。
そう思ったらしく2人ともまたやろうねと言いながらそれぞれの部屋に帰っていく
なんで俺の部屋でやるんだろう
少し散らかった室内を片付けジェイソンは考え込む
2人が着ていて服もよかったが今度服をプレゼントでもしてみようか
ジェイソンはちゃっかり着せ替えの楽しさに目覚めていたのだった
「やっぱり街に出るぐらいならこれぐらいがええな」
元気に歩くちがやの服はシンプルなリボンがワンポイントのワンピース。
ちがやの黒髪とよく似合っており暑い夏に涼しさを運んでくれるようだった。
「今度髪型もいじらせて!もっと可愛くしてみせるから!」
「しゃーないなー!うちの美貌に惚れるなよ」
「惚れてるー!ちがや可愛いんだもん!」
相変わらず仲良しでいいことだとジェイソンが考えていると案の定街の外から来たらしい男が2人をなんぱし始めた。
2人はすぐに俺の後ろに隠れ睨む 睨む
ジェイソンは無言であっちいけとだけハンドサインを送る
男はジェイソンに恐れ逃げていく
守れるからいいのだが 2人が可愛いのも問題だな
「2人とも今日みたいな日はいいが旅路では昨日決めた装備だからな?」
「もージェイソンお父さんみたい!うふふ」
「わかっとるって何回言わせんねん全く・・・」
ブツブツと文句を言う2人は自分の可愛さを理解していないようであった
今も尚男達の目をひいてるというのに
「せや!親子の振りしたらナンパもこんとちゃう?」
「私はいいけどジェイソンは・・・聞くまでもなかったわね」
「ということでとーちゃん!」
「お父さん!」
「!!?」
ジェイソンはこの時生きてて良かったと初めて感じていた
2人に言われたかった言葉を演技でも言ってくれる
それが嬉しくて嬉しくてジェイソンは
「・・・」
泣いた
天を向いて泣いていた
「泣くほどのことか?そんなに嬉しかったならまたやってもええけどな」
「うふふ、そうだね」
どこの誰だか知らんが2人を産んでくれてありがとう
ジェイソンはそう思わずにはいられなかった