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胡蝶は海を堪能する

ブルースカイのホテルに到着したちがやは、ひとまず食事を取ることにした。


 早めに着いたので、まだお昼だ。


 ホテルのレストランは夜に使うとして、お昼は街の食事を堪能しようとホテルを出た。


「よし、ルナ!どこの店がいい!?お前の鼻が頼りだ!」


「いやいや!私を腹ペコ犬みたいに扱わないでよ!? まぁ…選ばせてくれるなら探すけど」


「ルナお姉ちゃんが選ぶなら安心ですね」


 リリスもルナの美味しいものセンサーを信用していた。


 ルナが美味しいというものにはハズレがなく、仲間であるリリスやちがや達も密かに認めていたのだ。


 鼻のいいポチですら認めている。


 腹ペコ犬ルナはとても優秀なようだ。


 美味しいものに目がなさすぎて、あちこちに行こうとするのが玉に瑕だ。


「ルナはあれでいいのか…」


 仲間に入って日が浅いハンス王子は、怪訝な眼差しで眺めている。


「ここがいいわ!名物料理も提供してるみたいよ!」


 腹ペコ犬が、どうやらいい店を発見したようだ。


 観光地といったら名物料理だろうと、全員が納得した。


 ちなみにメニューもルナに任せる。


「これとこれとこれと…これをお願い!」


 ルナは迷わず店員に注文する。


 全員の趣味趣向を把握しているので、とても楽だ。


「ルナはどれを頼んだんだ…?」


「大丈夫!私を信じて!」


 ふんすと胸を張るルナに、ハンス王子は何も言えなくなる。


 黙って信じてみると、見るからに美味しそうな料理が並べられていく。


 飲み物にも余念がない。


 食後のデザートまで頼んだようだ。


 正直「頼みすぎじゃない?」と思ったが、美味しいのでどんどん箸が進む。


「なにげに海産物食べるの久しぶりやな!めっちゃうめー!」


 ガツガツと食べ進める。


 ルナはお上品に食べているが、そのスピードはちがやを超える。


 リリスも小さい口でぱくぱくと食べている。


 ジェイソンとハンス王子は、ちがや同様ガツガツと食べている。


 ちなみにポチは神獣なので、海産物でも余裕で食べられる。


 特別に許してもらい、ちがやに食べさせてもらっている。


 味も美味しいが、御主人様に食べさせてもらえることにも喜んでいるようだ。


 エビ、貝、魚、魚介系スープや野菜…。


 どれもボリュームがあり、とても食べごたえがある。


 なんだかんだ全員よく食べるので、皆にっこり。


 そして最後に、ドドンと置かれるフルーツパフェ。


 甘い生クリームの上に、南国でしか取れないフルーツが乗っている。


 女性陣は「待ってました」と言わんばかりに、ぱくぱくと食べていく。


 男性陣は恐る恐る食べてみたが、甘すぎず、とてもさっぱりしていて、甘いものが少し苦手な彼らでも余裕で食べられた。


「ごちそうさん」


 ちがや、大満足である。


 やはりルナの選択は正しかった。


 他の皆も、それぞれ食への感謝を示している。


 全員、大満足のようだ。


 店を出て、ゆっくりと観光することにした。


 食後の運動は必須なのだ。


 「あれが美味かった」「これが美味かった」と話も盛り上がる。


 そんなこんなで街を巡っていると、マリンスポーツができる店を発見した。


 店の中には、マリンスポーツに必要なものが取り揃えられており、ちがやがよく知る浮き輪まであった。


「浮き輪あるやん!これなら泳げんでもなんとかなるな」


「明日は泳ぐのだろう?だったら買っていく方が良さそうだな」


「王子はともかく、ジェイソンの水着とかはない…よな」


「無理ね…浮き輪も、ジェイソンだけ特注じゃないと」


「すまない…」


「ええってええって!気にすんな!ジェイソンには、うちが作ってあげたいねん!」


「ちがや…」


「このシャツを頼む…」


 ハンス王子は、ジェイソンの鍛え抜かれた肉体をちらっと見て、比べられるのが嫌でこっそりシャツを買った。

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