胡蝶は節約する
ちがや達一行は、旅費を稼いだ翌日に足りなくなっていた物と服を買いに街に出ていた。
ちがや達の服はボロボロだったため、旅の途中でちがやが作っていた。
だが、ちがやの服はシンプルで飾りっけがない。
これもいいのだがもっと可愛い服が欲しかったようだ。
幸いに資金には余裕がある
冬服も必要だし準備はしてて損は無いだろう
そう思っていたのだが
「この服かわえーけどちーと高くない?このぐらいにならへん」
服屋にきていたちがやは店主に大胆に交渉し始める。この手の値引きはあまり上手くいかないものだがちがやはそうではなかった。
「おじょーちゃん、このぐらいならどう?」
店主もまけじに交渉する
だが、それはちがやの狙っていた事だった
「おおきになおばちゃん!この服大切にするで!」
値引きの基本は最初に目標の金額より大きい金額を提示し店側が更に交渉してきた金額、つまり目標額でかうことが利口だ。
だが、それは相手次第。
交渉下手な人間は下衆な心が見え透いてしまい
値下げを断られる
だが、ちがやは相手を尊重した上で交渉する
だから値切りもうまくいくのだ。
その上買った服を大切にすると言われれば店主も嬉しいに決まっている
ちがやは人の心をつかむのがとんでもなくうまいのだ。
「ちがやが値引き交渉してくれたおかげで予算がかなり余ったわね」
「節約や節約。お金は大切せなあかんで。あほみたいに使ってたらすぐなくなるねん」
「ちがやって堅実的ね・・・私どちらかというと浪費癖が・・・」
「知っとるわ。だからうちが交渉してるんや。その証拠に買いたいもの全部買えたやろ?」
「うぅ・・・ごめんね私のために・・・」
「交渉は楽しいから別にええんや。それに買い物は楽しい方がええやろ?」
「そうだね!」
「それはそうとジェイソン大丈夫か?結構こーてもーたけど」
「問題ない だが、ちょっと持ちにくくなってきた」
「ふーむ・・・なぁなぁ、ルナ。この世界って収納系の魔法とかバックとかある?」
「あるけどちがやまさか」
「うちもあっちのアニメとかで見てたから多分作れんねん 怪しまれんようなやつある?」
「こうしましょう」
「はいジェイソン、これに入れてみマジックバックらしいで」
「ちがや・・・これはまさか」
「そこらで買ってきたもんやでジェイソン」
「そうだな・・・助かった」
ちがやが作ったんだろうなと思いつつ話してはいけないので黙って持っていた紙袋を次々と放り投げる
これ、絶対容量とかないやつだろうな
無限なんだろうな
と思いつつジェイソンはマジックバックと言い張ることにした
「買うもんかったしさっさとズラかるで!」
「そうだね!いこう!」
「あぁ・・・」
見つかったらやばいと判断し早めに帰宅し宿で買ったものを整理する。
服は2人が持っていき残された旅路に必要なものを出していく
と思っていたら何やら知らないものまで入っている
これは確実にちがやのものだろう
これもマジックバックだろうか?それにしてはポケットみたいな形だ。
「あ、ジェイソンそれ見つけたようやな」
「ちがや、これはなんだ?」
「四次元ポケット~!や!この中にうちが作ったもの中心に入れてあるから必要になったら使ってや」
「なるほど、そういうことか。入れるのではなく出すのか だが、なぜポケットの形なんだ」
「ジェイソンのポケットの中にこれを仕込むやん そしたらあたかも自分のポケットから取ったようにみえるーちゅ優れものや」
「ほう、これは便利だな新しく入れることはできないのか?」
「できるでー、ただあれこれ入れると出す時大変だから気をつけてな あれやないこれやないってなるから」
「わかった ぜひ使わせてもらう」
「うちらの服ポケットないからジェイソンだけ特別やで~まぁ、うちらのはマジックバック風の無限マジックバック作ったけど」
「やっぱり無限だったのか・・・まぁ、いいか」
「それに四次元ポケットは夢があるんや」
「夢?」
「ウチがいた世界の漫画にポケットから未来道具をだす猫型ロボットっておってなーその道具が凄いんや だからうちらのより夢があるやろ?」
「ふふ、そういうことか。たしかに夢が詰まっているな」
「せやろ!ジェイソンならわかってくれるって信じとったで!」